2017.02.15 Wednesday

Bentley Continental GT V8 S Mooncloud Edition

 

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



こんにちは。

しばらくぶりのご無沙汰でございます。

なんか南アフリカから帰ってきたーーっと思ったら、もう2月半ば。

このままいくと、きっともうすぐ今年も終わりますね。あははは(乾いた笑い)。

 

 

ということで、本日は東京のキャピトル東急で行われた

ベントレー・マリナー・プレゼンテーションの会場へお邪魔。

 

 

今回は本国からマリナー部門のヘッド・オブ・コマーシャルを務めるトレーシー・クランプさんと

プロダクトマネージャーのジェイミー・スミスさんが来日。

それにあわせ、日本限定車となるコンチネンタルGT V8S

Mooncloud Edition(ムーンクラウド・エディション)が発表されました。

 

聞けば、これまでクーペモデルではオプションでデュオトーンのボディカラーを選択することはできなかったのですが

ディーラーサイドからの要望に応えるかたちで、マリナーの手による12台の限定車を製作したのだそう。

オニクスという漆黒と、ムーンビームという名のシルバー(写真がハレ気味ですいません)がシックでかっこいい。

 

 

しかもボディに合わせて内装も特注。中でも助手席のパネルに施されたジオメトリック細工がハイライト。

 

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後ろはこんな感じ。これ目立つけど決して派手派手ではないし、コンチGTの迫力と綺麗さを

うまく際立たせる絶妙なカラーリングではなかろうか。さすがマリナー。いい仕事しなはる。

 

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そんなマリナーというお題に合わせ、会場にはクラシック・ベントレーの2台お目見え。

まずは1950年式のマーク6スポーツ・サルーン。なんとボディは手叩きのアルミ製。

なんでも約1年の間に数台しか作られなかったレアモデルだとか。

 

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こちらは1960年式のS2コンチネンタル・スポーツサルーン。どちらもお馴染みワクイ・ミュージアムの所蔵車。

しかしいつも思うことですが、それぞれのお題に対して、さっと該当モデルを用意できるワクイ・ミュージアムって

改めて凄いとこですよね。いやほんと。まだ埼玉の加須へ行ったことがない人は必見。

 

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そしてマリナーと聞いて個人的に思い出すのが、2008年の9月に行ったクルー本社取材。

確かひとりでイギリス・マンチェスター空港まで飛び、空港に着いたら誰もお迎えの人がいなくて途方にくれ、

数時間後にやってきたアルナージに乗せられて豪華なホテルに届けられ、朝起きたらホテルの前がベントレーの群れ。

 

そこで訳もわからず、ブルックランズの後席に押し込まれて到着したのが……

 

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ヘリポート(笑)。そこでいきなりヘッドセットを付けられ、そのまま空へ!!

 

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30分くらい乗って降り立ったのは、大西洋を望むアングルシーという小さなサーキット。

そこでデレック・ベル御大の運転する2002年式のEXPスピード8の助手席に乗れると聞いて

ワクワク待っていたら、なんとエンジントラブルで中止。がうーん。

 

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「まあまあ、そんなにしょげるなよ」と、ヒストリック部門のボスのリチャードさんが

1929年の4 1/2リッターの助手席に乗せてくれたりして。

後で調べたらこのクルマ、1930年のル・マンでバーキン/シャサーヌ組がドライブした個体そのものでした。

 

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「どーだ、ブロワー・ベントレーよかったろ。でも、せっかく遠いところから来たのに可哀想だから」と

(言ったかどうかは分からないけど)と、ベル御大がコンチネンタルGTの助手席に乗せてくれて

いつもより多めに振り回してもらったりしたのでした。

それにしても……俺若いな。

 

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そしてさらにヘリに乗せられクルーのベントレー本社へ。

そこで色々レクチャーを受けながらバーキン・スペシャル(これはリクリエーション)など所蔵車を

見学させてもらったり……。

 

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工場に潜入して、エンジン加工の現場からアッセンブリーまで、ほぼすべての工程を

余すことなく見学させてもらえたのでした。

 

その頃はちょうど、ブルックランズの最終生産分の仕上げが行われていた時でしたね。

ひとつひとつ職人さんが丁寧に手作りしている様子をじっくり観察させてもらって、

余計にブルックランズ欲しくなったのは、この時。無論、今でも決して諦めたわけではありませんが。

 

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さらに工場見学は続き、ウッドパネルの製造工房とか、革のなめし過程とか、おばさんたちがミシンひとつで

カタカタとシートや内張のステッチを縫い合わせているところとか、色々見せてもらったのでした。

この時も言っていましたが、某R社と生き別れになったとき、こうした職人の皆さんは慣れ親しんだ地元に

残ったので、長年培われてきたクラフトマンシップはすべてベントレーに受け継がれたとのこと。

「あっちとは、まるでクオリティが違う」とはその時の担当者の弁。どうも未だにその傾向はあるらしいっすよ。

 

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で、クルー工場内にあるマリナーの工房も見学。入り口には2003年にマリナーが手がけた

エリザベス2世専用のステートリムジンのモックアップが。ひえー。

 

しかし写真を撮っていいのは、このエントランスまで。

某国の王様とか、どこどこのVIPとか、スペチアーレなオーダーを抱えているマリナーの内部は

もう守秘義務の塊。しかしながら、地雷を踏んでも大丈夫なフロアとか、マシンガンにも耐えられる窓とかいう

物騒なものから、全身金ピカ先生のブルックランズや、超ストレッチ・リムジンまで、

色んな特装車を見せてもらいました。

「我々に不可能はありません。強いていうなら空を飛べというくらいでしょうか?」

 

そのときの様子は当時カー・マガジンと並行して作っていたベントレー専門誌

『FLYING B』(ネコ・パブリッシング 刊)の第2号(古本屋で探してみてね)に載っているのですが

マリナーの仕事っぷりを直で見た身としては、あれだけの特装を施したコンチGTが

標準車のたった100万円高で買えるというのは、超、超バーゲンプライス!なのは間違い無し。

普通にマリナーにオーダーしたら、その数倍は掛かるでしょ。

 

余談ながら12台限定のムーンクラウド・エディションのほとんどがSOLD OUTだのこと。

いやぁいつかはマリナーにしれっと特注でベントレーをオーダーできる大人になりたいなぁ。

あ、その前にブルックランズを1台手に入れないとな。

いやいや、その前にはEタイプと、911 SWBと、エランを手に入れておかないと。

というか、それより前に残ってる69君の支払いを終えることですね。

 

まだまだ先は長い。

 

ではでは。

 

 

 

2015.02.04 Wednesday

BENTLEY FLYING SPUR V8

 


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極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。

先週は(僕にしては珍しく)新車ウィーク。
月曜からENGINE誌(新潮社 刊)の恒例企画 "輸入車大試乗会” のお手伝い&取材で
ありとあらゆるクルマをドライブさせていただきました。

僕が担当したクルマについては、ぜひ今月26日に発売される4月号を
ご覧頂きたいのですが、新型車であろうと、ヒストリックカーであろうと
良いクルマに乗ると、気分まで ↑↑↑ になって、精神衛生的にも大変よろしい。

変なダイエットや運動するくらいなら
毎日楽しいクルマに乗るほうが(我々の場合)、きっと健康にもいいのでは?
と思うほど。


そんな濃ゆい数日を過ごしたうえに、30日(木曜)朝から試乗させていただいたのが
このベントレー・フライングスパー V8。

昨年3月のジュネーブショーで発表されたモデルでありますが
これまで様々な媒体に載った記事を読んだり、編集していたこともあって
すっかり乗った気になっておりましたが(苦笑)今回が初試乗。

そういえば前回フライングスパーに乗ったのは、
現行モデルが導入された直後の2013年のことでありました。
月日が過ぎるのが速過ぎます。


さてこの新しいV8モデル。
ノーズバッヂが赤ベースになっていたり、グリルがグロスブラックに彩られていたり
マフラーエンドが“8の字”になっていたりする以外、基本的な見た目はW12と同じ。

じゃあ乗るとどーなのよ。V8はやっぱちょっと味わいがW12より落ちるんじゃないの??
と思いがちだけど、これが実はそうじゃない(コンチGTの時もそうだったもんね)。


確かにW12のような圧倒的な存在感こそないものの
507psの4リッターV8ツインターボの実力は十分以上。
グワーーーっという鬼のような(笑)加速感こそ、W12に譲るものの
その分、全体的なふるまいはとてもジェントルで優しい。

どういう状況でもスムーズに加速していくし、
サウンドチューニングも程良い感じ。

前日にW12のコンチネンタルGTスピードに試乗して
「近代ベントレーはW12に限る!」なんて思っていたのに
V8もすごく良いじゃないか! 困った。


個人的にベントレーのステアリングフィールって非常に好み(ステアリングに張られた
レザーの触感も大いに影響していると思います)で
いつも最初にステアリングを切っただけで幸せな気分に浸れるのですが(誇張なし)
このクルマの味付けがまた見事。

鼻先の軽いV8の恩恵は明らかで
街中をゆらゆらと走っているだけでも、クルマの動きが軽やかなのを実感できる!

そう、“軽い”のではなく、”軽やか”なんです。

これがホントーに気持ちいい。
きっと、デビューから地道に改良が重ねられ
フライングスパー自体が熟成されているということもあると思いますが
こういう微妙な感触の表現力は、さすがベントレーですね。参りました。


うー、なんかとりとめのない話になってしまいましたが
とにかくこのフライングスパーV8のお点前は見事なものでした。

無論基本的なお値段が違うので(W12:2415万円/ V8:1945万円)
両車を比較して悩まれるという方は少ないのかもしれませんが
そういう値段的な要素抜きに、単純に自動車として並べられてW12、V8のどちらを選ぶ
と聞かれたら(そういうシチュエーションは一生ないと思いますが)
たぶん3日徹夜しても結論がでないと思います(笑)。

たぶん、ボクスターGTSとケイマンGTSで悩んだときのように
フライングスパーもV8とW12を両方買って、気分によって乗り分けるっていうのが
正解なんでしょうね。そんな毎日を送れたら、一生健康でいられる気がします。
どうぞ宜しくお願いします(←なにが?)。

ではでは。



2012.11.15 Thursday

BENTLEY CONTINENTAL GTC V8

 

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一昨日のこと。

朝起きて、バタバタと身支度を整え玄関を出ようとしたときにフト気づきました。
「あ、今日はジーパン履いてちゃダメだったんだ……」
というのも、ベントレー・モーターズ・ジャパンさんのご好意で
山梨は小淵沢で、新しいコンチネンタルGTC V8に試乗させてもらえたからなのです。

なぜジーパンじゃあいけないのかっって??
それは真っ白なGTCのレザーに、色染みを作っちゃいけないから。
もちろんオーナーの皆さんが何を履いて乗ろうが勝手ですが
ちょっぴり味見をさせてもらう身としては最低限のマナーであります。


僕が訪れた日は、ちょうど小淵沢界隈が紅葉のまっさかり。
試乗させていただいたのは、メタリックのVioletteのボディカラーをもつ1台。
真っ赤に色づいた紅葉とのコントラストがキレイでありました。


この夏に、クーペであるGTのV8には試乗されていただいたのですが
今回はそのコンバーティブル版であるGTCにたっぷりと乗せてもらいました。

個人的にオープンカーって、こんなちょっとハイアングルなリアショットが
一番カッコいいと思うのですが、どうでしょう?
その昔、ホットウィールのミニカーを見て、その大径&超扁平なホイールの
ディフォルメっぷりにギョッと思った記憶がありますが、
今や実車の方がホットウィールに近くなってきた感がありますね。


そしていつものように、ドカーンと豪奢なインテリア。
色落ちするような素材で乗れないっていう理由がお分かりいただけるでしょうか?

さて、この日久しぶりに(といっても春以来ですが)GTCに乗ってみて思ったのは
サイドウインドーさえ立ててしまえば、車内に風の巻き込みがほとんどない、ということ。
念のため帽子も頂いたりしたのですが、その必要はまったくなし。

足下のヒーターを強めに設定して、シートヒーターをONにすれば
今くらいの気候なら最強に快適なドライブが楽しめます。
これで隣りにグラマーな美女でも乗っていたら最高です。


さて。今回のメインはなんといってもコンチネンタル一族(GT&GTCのみですが)に
加わった4リッター DOHC V8ユニット。気筒休止システムを内包し、燃費性能の向上も
図られたこのエンジンは、575psの6リッターW12に比べればかなりダウンサイズされた
ものになっていますが、それでも507ps & 660Nmという途方もないパワー&トルクを発揮。

スペックシートを見ると、W12のGTCに比べたった25kgしか軽くなく
V8のGTに比べ175kg(!)も重量が増加しているにも関わらず
すっごく乗り味が軽快なんですよね。

まぁそれだけ僕のインプレセンサーがいい加減だってことかもしれませんが、
GT V8に乗ったときは、その軽快感に感度しつつも、
どこかでW12の芳醇で圧倒的な存在感が恋しく思えたのに比べ、
このGTCでは、キャラクター的にもV8との波長がとっても良く合ってると思います。


特にダンパーのモードをコンフォートからスポーツに切り替えた時は
ギューンと一気にフォーカスが合ったような感覚がして、すごく楽しい。
八ヶ岳高原のワインディングを、走っていても
とても車重が2470kgあったり、車幅が1945mmもあるなんて思えないほど
意のままに走ってくれたりする。

もちろんそれは、ここんところ夜な夜な僕がドラテクを磨く特訓を
してきた成果が実を結んだ……のではなく、聖地クルーにいる
開発陣が磨きをかけた電子制御システムの賜物であるのですが。

そういえば、来年はFIA GT3にコンチネンタルGTが参戦したりと
ベントレーを取り巻く環境も賑やかになってきてますからね。
これからも“フライングB”の動向には注目であります。

個人的には、そろそろアシグルマをブルックランズ(クーペの方ね)に
換えたいなぁ……なんて。
ウソです、がんばって仕事します。

ではでは。



2012.04.13 Friday

桜吹雪とベントレー・コンチネンタルGTC

 

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今週はアップできないかも〜? といいつつ
実は毎日アップしているオレ。
ということは、どっかにそのしわ寄せが来ているという証拠でも
あるのですが、気づかなかったことにしょう。見なかったことにしよう。


閑話休題。
昨日はお昼から、永田町のザ・キャピトル・ホテル東急へ。
ベントレー モーターズ ジャパンさんからのお誘いで、
2012年モデルのベントレーに試乗して参りました。

昨年の春にも、フルモデルチェンジを果たした
コンチネンタルGTに試乗させていただいてますし、
夏には鮒子田さん、見崎さんとともに、GTとミュルザンヌに
試乗させていただいているのですが、
コンバーティブルモデルである新しいGTCをドライブするのは今回が初めて。
しかも露出する媒体もないのに呼んでいただけるなんて嬉しい限り。しくしく。


今回ドライブしたのは、Hallmarkというグレーメタリックが渋いGTCで、
Naim for Bentleyのプレミアムオーディオやら、ペイント仕上げの
21インチツーピースアロイやら、高価なオプションてんこ盛りの1台。


さて、今回の試乗車。
この写真を見てお気づきのように、RHDのUK & EU仕様なのです、これが。

確か、昨年乗った白いGTの広報車もRHDで驚いた
(ベントレーの広報車ってLHDが多いのです)記憶がありますが
個人的にはRHDの方がしっくり来る気がするのですよ。

昨日は絶好のGTC日和という感じでしたが
都内をソロソロRHDで乗っていると、意外にも1943mmという車幅が
あまり気にならずストレスフリーでドライブできるんですよね。

ま、巷では新しいV8ユニットを搭載したコンチネンタルGT & GTCが
話題ですが、個人的にはこのW12の雰囲気、捨て難いなぁと改めて実感した次第。

ほら、エコだなんだって風潮も確かに分かりますが
どーせガソリンを燃やすのに変わりがないのなら、
幸せに爆発させた方が、良いと思うのですよ。
そういう意味でも、このW12は理想的な内燃機関のひとつ。

アクセラレーターに軽く足を乗せただけで、
フフフンと自然に笑みが出て、
なんか豊かになるクルマなんて、そうあるもんじゃありませんぜ。


いやぁ、締め切りで殺伐としたなか、
楽しいひとときを過ごさせていただきました。

でも、試乗会場にあったバーキンスペシャルのミニカーについつい
目がいってしまうのは、悲しい性でもあります。

ではでは。

2012.01.17 Tuesday

今日は勝手にお休みのつもりでいたら……

 

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うーん、今日は朝からバタバタしてるし
ネタもないし、モータープレスお休み! と思っていたら
自宅にいる奥さんから入電。


近所のスーパーの駐車場で、ミニ太が大量下血したらしい。
で、恐る恐る帰ってきたとか。


ちゃんと写真を撮って送って来るのがエラい? けれど
雨も降ってないのに水たまりかよ? ってくらいに漏れてたらしい。
こうしてネタを提供してくれるのも内助の功って言うのか?

ふえ〜ん(号泣)。

つづく??


2011.06.24 Friday

Javel ― Citroën




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いよいよ梅雨明けか? と思わせるようなギンギンな太陽が照りつけてますね。
皆さん、熱射病、熱中症には十分お気をつけ下さい。

さて、そんなわけでイマイチ集中力が上がらないので
今日はこんなネタを。

この仕事をしていて思うのは、どんなに美辞麗句を考え抜いて書き散らしても
迫力のある1枚の写真の前では到底太刀打ちできないということ。
そんな僕のお気に入りのひとつがこれ。


DSの生産が最盛期を迎えたジャベル工場を写したシトロエンの広報写真。
色とりどりのDS、活気のある工場、奥に見えるHトラックの群れ。
……この写真だけは、1日中飽きずにずっと見ていられます(笑)。

そういえば、このカットを見開きに大きく使ったメインカットから始まる
一大シトロエン特集を組もう! なんて思っていた時期もあったっけ……。

ま、そんなたわいもないことを思いながら、1枚の写真をニタニタ眺めるのも
クルマ好きにとっては至高のひとときかと。

さて来週は、イタリアの野口祐子さんから送られてきた
その後のトリノ自動車博物館のお話をお送りします。

ではでは。


2011.06.08 Wednesday

Vehicle Testing, Dearborn, Michigan, 1967

 



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フォードの広報サイトから見つけ出した写真。
1967年、フォードの本拠地であるミシガンの
ディアボーンで風洞実験をするフォードGT40。
4台作られたといわれる実験車Jカー(←最強にカッコいいですよね、好きです)の
センターコックピット部を生かしつつ、前後にクレイを盛って
次回作Mk IVのための風洞実験をくり返したと言われています。
これはその過程を収めた貴重なショット。


なんか個人的に、この製作過程……の瞬間って好きなんですよ。
模型も完成品より塗装前のパテだらけ、継ぎ接ぎだらけの方がワクワクする。
……変態かも。


……それはともかく、リアから見るとまだJカーの面影が感じられますよね。
しかし、こんな1/1風洞をバッチリ使って試行錯誤していたなんて
さすがは大フォードですよね。

彼らが巨費を注ぎ込んで1960年代のモータースポーツシーンを
一気にワープさせた功績は、やっぱ大いに評価されるべきだと思うなぁ。

……ということで、今日は1日マジメに原稿書きに励みます。

では。





2011.05.18 Wednesday

The New BENTLEY CONTINENTAL GT

 

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さて、Facebook(始めてみると楽しいですよ!)には
ちょくちょく書き込ませていただきましたが、昨日は朝から
ベントレー モーターズ ジャパン様(敢えてこう言わせてください)のご好意で
新しくなったベントレー・コンチネンタルGTを試乗させていただいておりました。

昨夏に自動車雑誌の現場を離れてからというもの、
新車に触れる機会はプッツリで、浦島太郎状態の僕には嬉しい限り。
特にFLYING Bなる専門誌も(同時並行で!)手がけておりましたから
コンチGTのどこがどう新しくなったのかは、この目で確かめておきたかったのですよ。

……というのも、以前発表会の模様をお届けした時に書いたように
今度のコンチGT、ブランニューなのにパッと見、同じクルマ? と錯覚するほど
ウルトラキープコンセプトで登場したからなのです。


ほら……高度な間違い探しみたいでしょう?
ただ、全幅が先代の1916mmに対して1944mm(!)に広がっているので
ベントレー ジャパンの地下駐車場で対面して、その圧倒的な質量にドギマギ。
俺、こんなクルマ転がせるのかいな? と。
さらに安全対策ゆえか、スカットルもウエストラインも高くなっていて囲まれ感は倍増。
これで狭い道ヤダな……と広報の豊田さんに引きつった笑みを返し、
冷静を装いながら、心の奥でそう思っていたのでありました。


ところが! スッと走り出してみるとこれが全く先代とは違うんです。
まず、ステアリングを握っていると、クルマがギュッと凝縮されて
小さくなったように感じる(良いクルマの条件です)。

高速道路では静粛性も向上(先代に比べ3.5dbも低いんだそう)している上に
変な緊張感が伝わってこなくて疲れない。

さらに箱根ターンパイクに入ってビックリしたのが、鼻先の軽さ。
今までは多少アンダーが出ようが、もうパワーと電子制御を駆使して
グリグリ曲がっていく“パワープレイ”的な印象が強かったコンチなのに
ステアリングフィールも軽く(そしてスムーズ)、姿勢変化もみせずに
スィーッと(驚くようなスピードで)曲がっていく。

新型になって前後トルク配分をリア寄り(40:60)にしたり、トレッドを広げたり、
軽量化を図ったりはしているのですが、何がどう決定打になって
ここまでフィールングが変わったのかは不明。
ベントレーの横倉さんいわく、
「デザイン、快適性、実用性、スポーツ性全体の底上げ」
とのことですが、なにはともあれ、すっごく運転し易くなった。


そして575psもある(デビュー当時のコスワースDFVよりパワーあるんだぜ!)
6リッターW12ユニットを、まるで200ps級のスポーツカーのような
手軽さに手懐ける技術はさすが。

そんなパワーあるのに、ちっとも怖くないんだもの。
そういう意味では、今回はエンジンよりシャシーや駆動系の進歩に脱帽。

つまり、先代の派生モデルだったGTスピードや、スーパースポーツで
培った技術を還元するカタチで新しいGTは進化しているのですね。
そういう風に理解すると分かり易い。


また、先代ではミニマムとマックス以外の微妙な差が分からなかった
ダンパーコントロールが、4段階しっかり味付けされていて、
シーンによって的確なチョイスができるようになったのも朗報。

街乗りではコンフォート。高速になるとダンピングを抑えきれなくなるのでスポーツ。
ワインディングでは、その路面状態やスピードに合わせ、
中間の2モードのどちらかを選択するのがベストかと。


あと、試乗後に聞いて知ったのですが、シートがインテリアで最も
変わった部分だそうな。なんでも形状の変更および軽量化を施し
さらにレザーを変えてよりソフトな肌触りになったのだそう。

フツー、軽量化を施したシートって、なんか安普請なフィールになるので
すぐに見抜けるんですが、分からなかったなぁ。
相変わらずのリッチな掛け心地で。
裏を返せば、ベントレーの意図通りってことになるのですが……。


さらに個人的に驚いたのは、オプションの275/35 ZR21のP−ZEROを
この新型でついに履きこなしていたこと!

先代の標準は19インチで、オプションに20インチなどが用意されていましたが
正直にいって19インチと乗り比べるとバタバタ感が払拭できていなかったのは事実。
やっぱ標準にかぎるよな! と思っていたのに、
新型では、このOpの21インチ(!)にトゥーマッチ感が全然ない。
遮音も効いているので、ロードノイズも気にならない!


最後に個人的に安心したのは、変わらないと思っていたボディスタイルが
実はより彫りが深くなって洗練されていたことで、断然先代に比べて
よりフォトジェニックになったってこと。
(もう街でも見分けられるぜ)

やるなロビン・ペイジ。

どのくらい違ったのかと、先代の写真を探していたんだけれど
2008年に本社取材に行った時に英国のアングルシー・サーキットで
乗った時の写真しか出てこなかった。


それがこれ。
ほら、なんかモッタリと見えませんか?

ちなみにこん時は、みっちりとサーキットを走らされた上に
あのル・マン王者デレック・ベルの同乗体験もできたのです。

これ、すんごい楽しかった。超ウルトラスムーズなんですよ動きの全てが。
なのに速い! この辺りが耐久レースで無敵を誇った
彼の秘密のひとつなんだろうと思ったのでした。


ちなみにベルといえば、F3ボーイズ時代の生沢さんの
良きライバルのひとりでもありましたね。
「アイツ、あまりに遅くてさ。ハンシュタインの目の前で
 1コーナーでブツかったことがあるよ」
なんてエピソードを生沢さんから聞いたことがあります。

そんなベルの視線の先にあったのが……


2002年モデルのベントレーEXPスピード8。
本来なら、僕もこれに同乗走行できる予定だったのに、
ウォームアップで油圧が上がらずリタイア(悲)。
ちなみにこの翌年モデルのスピード8でベントレーは70年ぶりに
ル・マン24時間レースの優勝を果たすわけです。

そして、このスピード8の開発を担っていたのが
R.T.N(レーシング・ テクノロジー・ノーフォーク)。

そこで役員を務め、ベントレー復活劇の立役者として
活躍されていたのが、このモータープレスでもお馴染みの
鮒子田 寛さんなんです!

世界はどこかで繋がっている――というお話でした。


2011.02.15 Tuesday

ムゼオ・アルファの危機!

 

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さて、今日2回目のアップ。

前職、カー・マガジン編集部にいた頃
イタリア関係の取材の手配でお世話になった
コーディネーターの野口祐子さんのブログをリンクに貼りました。

そんな祐子さんのブログにただならぬ記事が。
あの悶絶コレクションで有名な本国のアルファ・ロメオ・ミュージアムが
存亡の危機に瀕しているそうです。

ここんとこ、FIATを巡るニュースが世界を駆け巡ってましたから
なんかあるだろうな……とキナ臭い気配はありましたが。

あのランチア・コレクションも閉鎖の憂き目にあった今
アルファ・ロメオまで閉館(もしかするとコレクションの離散)などという
ことになると、これは相当に悲しい。自動車文化暗黒の時代って感じ。
確かに会社の経営状況が傾けば、真っ先にやり玉にあがるのが
こういう事業なのかもしれませんが。


※写真は祐子さんのブログからの転載

そんな祐子さんのブログは、こちらからお読みください。


なんかこれを読むと、いかに彼の地の人たちにとって
アルファが特別な存在か、が分かります。

何か僕らで出来ることがあればいいのだけれど。



2011.02.02 Wednesday

2011 JCCA ニューイヤーミーティング その2


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今日は昨日お届けしたJCCA ニューイヤーミーティングの第二弾。
メインテーマのホンダ車以外に目に止まったネタをお送りします。

今回も会場には様々なヒストリックカーが展示されていたのですが
元カー・マガジン編集委員のB滝さんが、開口一番
「今年最大の収穫」と言ったのがこれ。


Bubble Car Clubさんのブースに置いてあったFMR Tg500 !
そう、タイガーのペットネームで有名なメッサーシュミット一族の高性能版です。
ザックス製494cc 2ストローク空冷ツインを搭載し
最高速度130km/hを謳ったモンスター・バブルカー。
1957年から61年までの間にわずか950台ほどが生産された希少車で
現存するのは50台以下といわれるシロモノなのです。

それだけでも貴重なのに、なんとこのクルマ
当時、芙蓉貿易によって日本に輸入されたディーラー車
(一説には2〜3台といわれている)のうちの1台なんだそう。
詳しくはB滝さんの談話室 小池屋 まで。

(クリックするとポップアップします)

ヤレ方は相応ですが、オリジナル度は非常に高そう。
ヘタにフルレストアなどせずに、このまま大事に維持されるといいなぁ
と思わせるコンディション。センターに付くラジオも
当時のオプションだったブラウプンクト製が付いています。


続いて目に止まったのがこちら。
1966年型のシムカ1500。いやーーーーこれは超レア車。
クライスラーに吸収合併された1963年に登場したFRサルーンで
文字通り1300と1500という2種類のエンジンが搭載されました。
おそらく日本に現存するのはこれ1台?

(クリックするとポップアップします)

そのリアまわり。テールをよーーく見ると“オートマティック”という
エンブレムが付いてる。お? もしやと思い、先日ご紹介したFLのオーソリティ
市川の鈴木モータースさんのブースで聞いてみると

「以前藤原さんが取材に来た時に、ヤードの奥に仕舞っていたあのクルマです」
とのこと。

いやーやっぱそうでしたか。オートマのシムカ1500なんて世界中を探しても
そうはあるもんじゃないですから。
何でも現オーナーの熱意で、路上復帰を果たしたそうな。
これは目出たい。ヒデキ感激。


続く珍車がこれ!
なんだか分かります? オランダのダフというメーカー(トラックで有名ですよね)の
小型自動車、ダフ44です。すごい!
以前大阪のVINTAGEさんにある黄色の個体は見ましたが
他にもダフが現存するとは!!

清冽なボディデザインは、ジョバンニ・ミケロッティの手によるもの。
特筆すべきは、当時ダフが“ヴァリオマティック”という名称で売りにしていた
CVTを変速機に採用していること。

ちなみに会場にはこの他にも

(クリックするとポップアップします)

若干14歳の生沢少年の最初の愛機となった
オーツキ・ダンディ号や

(クリックするとポップアップします)

若干16歳の鮒子田少年の愛機だったマツダR360クーペ
などの姿も見られました。
相変わらず楽しいです。

閑話休題。
NYMといえば、年明け最初の物欲暴走イベントとしても有名。
まず最初に僕の目に飛び込んで来たのが


長野のoffice 403 さんのブースにあった
クラシック・モールトン。
これは弟分ともいえるモールトン・ミニ。
過去に何度も欲しくて、塩見さんには迷惑をかけてますが
久々に見ても欲しい〜。

最近再販された洋書、PAUL GROGANの「The "classic" Moulton」
や「The marvellous Moulton mini」を読みつつ勉強の日々です。

(クリックするとポップアップします)

もうひとつの掘り出し物は、一昨年発売され反響を巻き起こした
フルフェイス・ヘルメット、Bell Star Classicの実物!
往時のベル・スターをモチーフに最新のマテリアルで復刻した
このメルメットは最新のFIAの基準にも対応。
しかも(株)YFCさんのブースにあったそれは、新品なのに
4万4000円というプライスタグが!(定価8万円くらいですから)

うそーーーん! と叫んでお伺いしたら
なんでもサンプルで仕入れたもので、サイズがXLゆえにこの値段なんだそう。
奇跡を信じて被ってみるもブッカブカ。

でもモノはかなり良かったです。
ヒストリックレーサーの皆さん、これ買いだと思います。

(クリックするとポップアップします)

あ、関係ないですけど、これにも気持ちがグラグラしました。
オリジナルカウル付のTZ250だって!
怖くていくら? なんて聞けなかったな。

そんな今年のNYMで個人的にとーーーっても衝撃的だったのは
ホンダ ツイン カム クラブのブースでお話ししたSさんが
朝イチにオートジャンブルで


チェッカー旗はまだか (生沢徹 著 三栄書房 刊)を見つけ、手に入れたと
お聞きしたこと! ええええーーー。
ヤフオクにも出てこない、超レアな本があっさり売られていたなんて。
だから毎年のNYM詣ではやめられませんな。

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結局僕はといえば、1冊200円(!)で叩き売りされていた
往時のオートスポーツを6冊衝動買い。
いま、1冊ずつ読んでいるのですが、意外な発見があったりして
これはこれでまた楽し。

でも早速本棚のスペースが気になってきたなぁ(涙)。

さて、明日はまたレアなレースネタを。
一方で好評ESSO RACING TEAM STORYの取材は快調に進行中!
ではでは。

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