2013.03.18 Monday

野口祐子 From Geneva 最終回

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



こんにちは。
ミラノ在住のジャーナリスト兼スーパーコーディネーターの
野口祐子さんによる第83回ジュネーブ国際モーターショーのレポートもいよいよ最終回!
今日は舞台裏の小ネタを……。

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フェラーリと言えばランボルギーニ。ここにも人だかりが。
そう、ランボルギーニ50周年記念モデル、VENENOのお披露目。


3台限定300万ユーロとのこと。
世の中探せばこのクルマを欲しいという人、3名は居るだろう……


ただ、”ミニカー製造会社の方は大変だろうな〜、このデザインを忠実に起こすのは”
これが私の一言感想。
 
新車に関しては他でいろいろと報道されていると思うので、
私はプレスキットに関してお話をしたい。
5〜6年前まではモーターショーのプレスデイには大きな袋、
大きなキャリーバックを持って行かなければならなかった。
なぜなら、プレスキットが重いのである。
会場を回り終えるくらいには、沢山のプレスキットの山で肩、腰が痛くなる。
歩くどころではなくなる。なので、皆キャリーをゴロゴロさせながら会場を闊歩していた。


ところが! 3〜4年前から重たいプレスキットがCDへと変化して行った。
そしてそれからUSBを渡されるようになり、
今では名刺カードを渡されここからダウンロードしてください……というメーカーが多い。

何と味気ない。

昔は各メーカーの紙物のデザイン性をも感心しながら眺めていた。
それなりにメーカーも紙物に関しても力を入れていたと思う。
そこにもメーカーの心意気が感じられた。
クルマ同様、五感でプレスキットを味わえた。
勿論視覚、パラパラとページをめくる音、紙の質感、インクの匂い、その他。
でも今は遂に、プレスキットまでも……。
 
そんな中、私が集めた数少ないプレスキットをお見せしたいと思う。
私の中でもヒットは……
 

USBなのだけれど頑張ったランボルギーニ! USB入れがVENENOV。ちょっと心が動く。


イタルデザイン!これは心に刺さった。USBがノートに!
カッコイイ。しかもただのノートではないのである。


アウディもシトロエンも昔のプレスキットのにおいがする……。
 

USBと首かけ紐ユニットになっている場合が多い。便利と言えば便利だけれど。


またUSBがオシャレで高級イメージのシルバーのステンレスになている場合も多い。
でもこれも今では誰でも作っている、もう少し各メーカー工夫してほしい。


例えば、トゥーリング(上)にはインテリアのシートのレザーがちょっと付けていた。
それだけでも他社との違いが出る。
 
La FerrariのプレスキットはB5くらいの用紙が用意され、いつもの”ダウンロード”だった。
期待していたのに……
勿論、この車を購入する499名の選ばれた人たちには、
ドキっとさせるくらいの紙物資料も用意されているだろう……。
 

そうそう、ピニンファリーナもカギがモチーフになっていて洒落ていました。
ではこの辺で、さようなら。
 

2013.03.15 Friday

野口祐子 From Geneva その2

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



こんにちは。
今日もミラノ在住のジャーナリスト兼スーパーコーディネーターの
野口祐子さんによる第83回ジュネーブ国際モーターショーのレポートです!

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それでは、ピニンファリーナに行ってみよう。
 

何処かで見たなぁ……あの赤いクルマ。


そうだそうだ、このクルマ、ル・マン・ミュージアムにある、
アルド・ブロヴァローネさんが線を引き、1965年のパリのモーターショーで
発表されたDINO 206 GT Berlinetta Speciale Prototipo だ。
(いろいろな名称が飛び交っているので、どれを正式と言ってよいのやら? )


このプロトタイプからDINO 206、DINO246、
365P(このクルマはジャンニ・アニエッリの為に作られた3シーターのワンオフ)、
その他へと進化していく、
ピニンファリーナにとって沢山の名車を生み出した生みの親となるわけだ。


ル・マンからやって来たDINO 206、余り公共の場所には出ていない。
発表されてから直ぐにル・マンのサルト・サーキットにある
ミュージアムの中に入ってしまった。
ル・マンに行かないと見られない、貴重な名車だったのである。


どうしてか? それはパリかル・マンか?だかどこかに、
PININFARINAと命名された公園ができ、
その為にピニンファリーナは記念としてこのクルマをミュージアムに収めた……らしい。
それから余り外には出ていないそうだ。

そんな名車が2013年ジュネーブ・モーターショーの
ピニンファリーナ・ブースに飾られているのだから吃驚する。


ピニンファリーナ・ブースに向かい左側は、
1965年名車 DINO 206 GT Berlinetta Speciale Prototipo、
右側は今回発表された、”Sergio”。


最近、フェラーリとピニンファリーナの関係はどのような方向に向かっているのだろうか?
フェラーリは徐々に自分達で進めて行こうと画策しているよう。
ピニンファリーナの方はフェラーリ無しでも立っていられるように
新たに自社のブランディングイメージを確立しようとしているような……。


今回のSergioしかり、ピニンファリーナの工業デザイン部門しかり、
何となくフェラーリ社とピニンファリーナ社の分岐点のような時期のような気がする。
これからピニンファリーナはどのような展開を考えているのかがとても興味がある。
彼らの持つ歴史をいかに現代に組み込ませて行くか、経営陣の手腕にかかっている。


でも……フッと左側に目を向けると、
クリス・バンクルがDINOの方を念入りに見ているではないか……
目の前に2台のクルマを置かれると、ふ〜む”何か” を感じてしまうのは、
私だけではないと思う。時代を超えて輝き続けるものには不思議な魅力があるものだ。


(つづく)


2013.03.13 Wednesday

野口祐子 From Geneva その1

 


Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
久々にミラノ在住のジャーナリスト兼スーパーコーディネーターの
野口祐子さんから、第83回ジュネーブ国際モーターショーの
レポートが届きました。

他のメディアでは読めない、祐子さんならではの
裏側? から見たジュネーブの様子をお届けしましょう。
 
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プレスデイ初日、いつもより人が居るような……。
何はともあれ、まだクルマの世界に興味がある……ということは良いこと。
 
今回も独断と偏見のオタクレポートです。
 

会場をブラブラ歩いていると、私の横を腕を組みながら
スタスタと通り過ぎる仲睦まじい老カップル。
フっと見ると、何とフォルクスワーゲン・グループの頂点の人物、ピエヒ氏ではないか! 
そう、いつもの夫人にピッタリ寄り添い歩いている。
多分この会場で一番の重要人物、なのに、ボディガードは居ない。
案内人が一人ついているだけ……


”LA FERRARI”の発表会が終わったころ、FERRARIブースに着く。
まだまだ沢山の人が居る。本当にFERRARI人気は何処に行っても凄い。
人ごみの中をなんとかブース内の車の近くまで辿り行く。


何とそこにはモンテゼモロ氏が先程のピエヒ夫妻に
一生懸命説明しているではないか。


時折、いつもの手で髪を梳く姿はするものの、
ある時は中腰になって車体の下の部分を説明したり、
何処かを指さしながら大きなジェスチャーで説明したり……と
必死さが感じられ、なかなか見応えがあった。


どんな時でも同じ表情のピエヒ氏、一体何と答えたのだろうか? 
また心に中は何と呟いていたのだろうか?「うちのポルシェの方が……」

それにしても、昔のランボ・ファンの人は相槌を打ってくれるかと思うが、
このピエヒ氏、カウンタックの生みの親、スタンツァーニにそっくり!
キっと睨む表情も歩き方も……。
いつか二人のツーショットを是非撮ってみたいものだ。
 

さて、この”LA FERRARI”すこぶる人気。
ガゼッタデッロスポーツの重鎮ジャーナリスト、ピーノ アッリエーヴィ氏、
いつも辛口なのに、今回は素晴らしい!と発していた。
ブースの外には、一般に交じり何とフィオラヴァンティ氏が
LA FERRARIを見つめていた! 彼も”良いデザインだ”と言っていた。
その他、聞く人聞く人、なかなか良い評価だった。
このLA FERRARIはピニンファリーナではなく、
初めてFERRARIのチェントロ・スティーレで作られたクルマ。
気鋭フラビオ・マンゾーニ氏の指揮によって作られた。
さて、ピニンファリーナはどんな気持ちなのか?
 

(つづく)


2012.03.18 Sunday

ラジオ石巻での、イタリアの巨匠たちのメッセージの放送時間。

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



12日からご紹介しているラジオ石巻に届けられた
イタリア自動車界の巨匠たちからの
「3.11」に想いを込めたメッセージですが、
ラジオ石巻での放送時間が下記のとおり決定したそうです。

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野口さんやフェラーリCEOはじめ、
各メッセンジャーからの紹介について来週3月19日(月)から、
日本時間の16:00〜16:10の間で、数日間かけて放送したいと思います。
大きな余震や突発的なゲストが無い限り、優先してお預かりした文書を
紹介させていただきたいと思います。


以上、取り急ぎご報告まで

ラジオ石巻 今野雅彦より




2012.03.16 Friday

3.11 石巻へ 〜 イタリアの巨匠からのメッセージ その4

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



再びラジオ石巻に届けられたイタリア自動車界の巨匠たちからの
「3.11」に想いを込めたメッセージをご紹介します。

Sandro Munari
サンドロ・ムナーリ/ラリードライバー


昨年日本を襲った震災のニュースは、世界中の人々へも深い悲しみとともに広がりました。
我々の運命は神の手に委ねられています。しかし今回の災害が引き起こした大惨事は、
単に運命だけでは語れません。人間の側にも責任がありました。
地震のニュースを知ったとき、私はすぐに日本にいる友人たちのことを考えました。
メールを送って彼らの安否を確かめたところ、幸いなことに皆無事でした。
私は被災地の様子をテレビで目にしました。
大切な人を失った人々、苦労して築き上げてきたものを全て失ってしまった
人々の悲痛な姿がまだ私の頭から離れません。
その中で私が感銘を受けたのは、誰一人として困難に挫けず、
強い決意と意志をもってこれに立ち向かう姿です。
日本のみなさんはこれまでと同様、
他の国には見られない並外れた意志の強さを示されました。

私はこの11月に日本に行く予定ですが、
この機会に地震で亡くなった方々に哀悼の意を表し、
この凄まじい大惨事を耐え忍んだ日本のみなさんに賞賛の意を表したいと思っています。

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サンドロ・ムナーリ  プロフィール
1940年3月27日ヴェネド地方出身、ストラトスと共に活躍したラリードライバー。1966年にランチアティームからWRC出場、翌1967年にはランチア・フルヴィアでイタリア・ラリー選手権を制覇する。1972年にはモンテカルロラリーで初優勝し、同年のタルガ・フィオリオでもフェラー リ312PBを操り見事優勝。ストラトスに関しては開発当初から開発ドライバーを務め、ストラトスを万能のラリーカーに育て上げた。1974年から1976年までランチアのWRC3連覇に大きく貢献し、1974年、1975年、1976年 のモンテカルトラリー、ハッタトリックの偉業を成し遂げた。しかし1978年ストラトスのワークス活動停止を機に第一線から退いた。




Arturo Merzario
アルトゥーロ・メルザリオ/F1ドライバー

3月11日は私にとっても大切な日です。
実は、私は69年前のこの日、3月11日に生まれたのです。
そして私は今年、ドライバー歴50周年を迎えます。
私の日本への思い出は1976年に遡ります。
その時私は初めて日本を訪れ、富士スピードウェイでウルフ(ウィリアムズ)
のマシンを操縦しました。
日本滞在中、私は東京、京都、大阪など、たくさんの街を訪れました。
日本のみなさんが大変礼儀正しく、几帳面であったことを今もよく覚えています。
地震と津波が起こった3月11日は、日本のみなさんにとって
深い悲しみの日となってしまいました。
この日、多くの方々が被災されたことを思うと、とても心が痛みます。
震災にあわれた方々に、早くもとの生活が戻りますよう、心からお祈りいたします。


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アルトゥーロ・メルザリオ  プロフィール
1943年生まれのレーシングドライバー。1960年頃からレース活動をはじめ1967年からはアバルトのワークスドライバーとして活躍。そして1970年からその才能が認められフェラーリ・ワークスに加入する。そして1972年にはフェラーリからF1デビューするも、マシンの不調に苦しみ(最高位4位)、73年いっぱいでチームを離脱。ウィリアムズ、フィッティパルディなどの弱小チームを渡り歩いた後、1977年に自身のF1チームを設立した。現在もヒストリックカーレースに出場するなど、現役を貫いている愛すべきレース人。
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