2018.10.23 Tuesday

La Festa Mille Miglia 2018

 

 

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記

 


こんばんは。

なんかまだ遠くで耳鳴りしてる気もするし

お尻も腰も痛いし、腕はパンパンだし、身体中がミシミシ、ガタガタ言ってますが

実はこの19日から22日まで、La Festa Mille Miglia に参加してまいりました。

 

 

 

先月末くらいかな? ラフェスタ・ミッレミリアのオフィシャルHPに名前が出てからというもの

各方面から「同姓同名?」「本当に出るの?」「このドライバーってもしかして……」と

様々な問い合わせ(もしくは冷やかし)をいただいておりましたが

な、なんと光栄なことに世界で行われているポルシェ70周年記念プログラムの一環として

このイベントのためだけにポルシェ・ミュージアムから空輸された1956年型の550A 1500RSスパイダーに

ポルシェジャパンの七五三木敏幸社長のコドライバーとして参加させていただくことになったのでした。

 

 

 

で、イベント当日にヒルトン東京お台場の地下駐車場でご対面。

いやぁ、やばいな。ビカビカじゃん。これで4日間1400km近く走るの??

ものすごい責任重大。この時点で既にじわじわプレッシャーに押しつぶされそうになってます。

 

 

 

しかもボディサイドにはしっかりと僕の名前が……。

うわぁ、たまんない。この部分だけパネル切り取って飾りたい(笑)。

 

 

 

前日の夜、ポルシェ・ミュージアムのマネージャーのアレキサンダー・クラインさんから

「いいかい、550は純レーシングカーだからね。扱いのセオリーをしっかり覚えて気をつけて乗ってほしい。

 あとまだレストアが完成したばかりで、テストはしてるけど未だ長距離は走ったことがないんだ」

と言われていたのでさらにドキドキ。

 

っていうか、そもそもラフェスタ・ミッレミリアに出るのは初めてだし、こういうレギュラリティランの

取材には何十回と出かけているけど、取材の時にはPC競技をパスして先回りするのがほとんどで

まともに競技として出るのは人生初。しかもドライバーは七五三木社長だし、これ、万が一なんかあったら

完全に世界から抹殺されるな……(笑)。

 

 

これまで550スパイダーって何度も接する機会があったし、大昔にちょっとだけ運転させてもらったこともあるけど

じっくりと腰を据えて付き合うのは無論、これが初めて。改めてみると美しいクルマだよね。

 

 

 

唯一問題があるとすれば、レーシングカーゆえ車内が狭いこと。無論シートバックにスペースなんて

存在しないので、携行する荷物はミニマム。とはいえ、ルートブックやファイルは必要だし

寒いからウエアはいるし、ヘルメットも必須。だってウインドスクリーンこれしかないからね。

当然、幌もないので雨対策もマスト。というわけで、コンデジ以外のカメラを持ってくのは早々に断念。

 

え? 福島入ったら雨なの?? しかも寒い??? 10度以下??? どーすんのよ。

 

 

ちなみに今回、ポルシェ・ミュージアムからは他に3台の356が参加。

この1955年式356プリA1500スピードスター

パティスリー・サダハル・アオキ・パリのシェフ・パティシエであり、自身も356Bオーナーである

青木定治さんと、パリ帰りのフリーライター南陽一浩さん組。

 

ちなみにこのクルマ、スピードスターの生みの親でもあるマックス・ホフマンに納車された

記念すべき第1号車だったりしたんですよ。気づきました??

 

 

 

もう1台は1956年式の356A 1600S クーペ。

実はこれは、7月にスイスで行われたポルシェ・クラシックのワークショップに行った時に

運転させてもらった個体そのもの。ナンバーズマッチングのものすごく良い個体。

 

こちらのクルーは、ミュージアムのアレキサンダーさん(写真に写ってるのがそう)と

ドイツ人ジャーナリストのローランド・ローウィッシュさん組。

 

 

 

最後の1台が1963年式の356B 1600スーパー90。

これも先日、スイスで乗せてもらった個体。もー完璧、完調で、

毎日足に使えるほど乗りやすい1台なんですよ、これが。

 

ポルシェ・ミュージアムのアヒム・ステヤスカル館長と、

ドイツ人ジャーナリストのミハエル・シュローダーさんのコンビで出場。

 

そのほか、ドイツから動画クルーは来てるわ、PRチームやメカたちも来てるわの大所帯。

しかもこの模様は後日、ウェブやクリストフォーラスなどでバッチリ世界配信させるほか

ポルシェ・ミュージアムでも公開されるのだそうな。

 

あーーーー。もっとプレッシャー。

 

 

 

でもね……確かにありえないほどの土砂降りに見舞われたり、エキゾーストノート以外何も聞こえなかったり、

あまりの寒さにメチャクチャトイレ行きたくなったり、腰やお尻が尋常じゃない痛みに見舞われたり

まー、とにかく色々あった4日間だったのですが、いざ目の前にこんな風景が広がって

そこを気持ちよ〜く走れたりすると、ぜ〜んぶ吹っ飛んじゃうくらい楽しいんだよねー。

 

途中何回か七五三木社長に交代してもらって、思いっきり550スパイダーを堪能できたんだけど

1956年(550のデビュー自体は1953年だもんね)の時点でこの完成度のミッドシップ・レーシングカーを

作れちゃったポルシェの技術力ってすごいわ、と改めて思い知らされましたね。

 

 

 

走ってる間は会話すらままならない状況だったけど、車内は終始この表情ですからね。

どんだけ楽しかったかわかるでしょ??

 

そーいえば、七五三木社長は550どころか、クラシック・ポルシェに本気で乗るのは初めて

っておっしゃってたけど、スイスイ乗りこなして思いっきりハマってました(笑)。良いこと、良いこと。ウシシ。

 

 

 

あとね。今回参加していたもう1台の荒木一実さん、辻本淳哉さん組の550 RSスパイダーが

な、なんとミュージアムカーのシャシーナンバーと連番だったことが判明!

 

デリバリーから62年ぶりに同じタイミングで作られたシスターカーが奇跡の再会を果たすなんて

さすがのアヒム館長も、アレキサンダーさんも驚いてたな。

 

 

 

メカニックのマーカスさんに「ブレイブマン」といわれたり、「雨の藤原」と言われたりしたことなど

その道中にあったいろんなこと、感じた様々なことについては、このあと色々な媒体で書かせていただければ

と思っておりますが、超貴重なミュージアムカーを4日間しっかりと走らせて、無事にミュージアムに戻すという

重要なミッションは無事に終了。

 

ちゃんと走るのが精一杯でとても競技どころではなかったけど、ちゃんと完走できたし

(個人的にここ何年かヘタながら69君に乗ってきた経験を活かせたのもよかった)

本当に本当に得難い経験をさせていただきました。

 

今回の素晴らしいプロジェクトに参加させていただいた、ポルシェジャパン、ポルシェミュージアムの皆さん

そしてラフェスタ・ミッレミリアの事務局、スタッフの皆さん、沿道で応援してくださった皆さん

いろいろ声をかけてくれたり、写真を送っていただいたりした皆さん、ありがとうございました。

 

ではでは。

 

2017.06.13 Tuesday

今週末はル・マン24時間!

 

 

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こんにちは。

今日、東京ミッドタウンで行われた

ポルシェジャパンのル・マン24時間パブリックビューイングと

今後のEV、PHEVモデルの展開に関する発表会。

 

 

なんとポルシェのみならず、ライバルであるトヨタTS050ハイブリッドと

Gazoo Racing Companyの北澤重マーケティング・ディレクターも参加して

ポルシェジャパンの七五三木敏幸社長とトークショーを行い、エールを交わすという粋な演出。

 

両社で今年のル・マン、そして富士でのWEC6時間を盛り上げようという気持ちがヒシヒシと伝わります。

 

 

ちなみに会場に展示されていたTS050ハイブリッドは、一見違いが良くわからないけど

フロントパネル(でいいのかな?)が低い2016年仕様。

あとでコックピットを覗いたら、シャシーナンバー16-02 って書いてあったから

2016年の2号車。もちろんホンモノ。

 

 

しかーし! そこで僕が注目したのはポルシェの方。

コックピットが真っ黒に塗りつぶされた展示オンリーのモックアップなんだけれど

去年のモデルを今年用に色を塗り替えたんだな……と思ったらなんか、すごく違う。

 

 

こちらは昨年のWEC富士で撮ったホンモノ。2016年仕様。

ほら、ヘッドライトの印象が強いけど、フロントホイールアーチとか、

その後ろのサイドポンツーンの形状とかリアフェンダーとか、なんか色々違う。

 

 

おおー、やっぱりコレ2017年仕様になってる。こういう芸の細かいとこ好きだなぁ。

ということは、世界中にある919ハイブリッドのドンガラ君たちも2017年仕様にアップデートされてるんだね。

 

 

これは昨年のル・マンの画像。モノコック自体は2015年以来変わっていないはずなんだけど

サイドポンツーンが2017年仕様では完全に独立してファットな形状になったのが

この写真からも良くわかります。

 

 

アップで撮るとこんな感じ。もう完全にフォーミュラカーみたい。

 

 

もちろんモックアップだから、実際にル・マンを走るホンモノとはまた細部が違うんだろうけど

こうして前年型との違いを比較できるのは、とっても貴重。

なんかボーッと写真みたり、映像見てたりするだけだと良くわからないもの。

 

でもなんだな。せっかくここまで作り込んでるのに、バックミラー付け忘れてるんじゃない?

ポルシェにしてはツメが甘いなー……と内心思っていたら……。

 

 

ポルシェジャパンの七五三木社長自ら「ここ見ました? 面白いですよね〜」と

教えてくださったのが、新しいバックミラーの処理。

 

おおー、フェンダー埋め込み型なんだ。しかも透明なカバーまでついてる。

微妙な角度調整とかどうすんだろ? もしかして電動式??

 

今すぐに思い出せないけど、昔のレーシング・プロトにもフェンダーにミラー埋め込んだのあったよね。

なんか萌えるなぁ、こういうディテール。好き。

 

そんな2017年型のポルシェ919ハイブリッドも展示されるポルシェジャパン主催の

ル・マン24時間レース・パブリック・ビューイングが行われます。

 

⬛︎ porsche Le Mans Gallery

日時:2017年 6月18日(日曜日) 11:00~23:00

会場:G735 Gallery(東京都中央区銀座7-3-5 1F http://www.g735gallery.com/)

 

会場では過去18回の優勝ポスターの展示や、ポルシェ・ドライバーズ・セレクションの販売

さらにドイツビールや料理の販売(これはいい!)もあるとか。

今年はル・マンお留守番組なので、僕も締め切り終わらせたら見に行こうっと。

 

ではでは。

 

 

2017.05.02 Tuesday

Porsche Experience Day 2017にジャッキー・イクスが登場!!

 

 

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ジャジャーーーン!

GW真っ只中にポルシェジャパンから飛び込んできたビッグニュース!!

 

な、なんと6月3日〜4日に富士スピードウェイで開催される

『Porsche Experience Day 2017』にあわせて、ポルシェミュージアム所蔵の

ポルシェ936/77と、ポルシェ956(現時点でシャシーナンバーなどは不明)が上陸。

しかも、あのジャッキー・イクス御大も来日し、両車のデモ走行を行うことが発表されました。

 

うぉぉぉぉぉぉーーーーー!

 

 

その昔、マツダ・コレクションにも936があった時代があると思いますが、ミュージアム所蔵の

ワークスカー(2013年のホッケンハイムに来たマシンであれば936-001だ)が日本のサーキットを

走るのは、おそらくこれが初めてのことではなかろうか?

 

 

しかもロスマンズ・カラーの956を富士でドライブするなんて、もしかしたら1984年の

WEC-JAPAN 富士1000km以来のことかもしれないっ!!

 

 

ここ数年、クラシックに力を注いで様々な活動をしているポルシェジャパン

(昨年は鈴鹿に917Kを持ってきてるし!)ですが、まさかこんな号泣モノの

プログラムを用意してくれたとはっ!!

 

ポルシェ・ファンならずとも、ジャッキー御大のスムーズなドライビングを貴重なレンシュポルトと

ともに目に焼き付ける絶好のチャンスです。この機会をお見逃しなく!

 

それにしても先日のSSOEの発表といい、ここ最近の日本のヒストリック事情って

なんか急にものすごいことになってきている気がしませんか?

もしかするとバブル期以来の盛り上がりっぷりかも。この流れをこのまま維持したいなー。

 

Photo:Porsche Japan

 

このほか会場では、ポルシェ・カレラカップ・ジャパン(PCCJ)第5戦、第6戦が行われるほか

ポルシェ・カレラカップ・アジア( PCCA)ジャパン・ラウンドも開催。

さらに昨年行われて大好評だったPCCJとPCCA混走のエキシビジョンレースも行われます。

これ、本当にすごいバトルで面白かった!! 必見です!!

 

ちなみにこれらのプログラムは、『ザ・ワンメイク祭り2017』の中での開催となるため

このほかに86/BRZレースや、ヴィッツ・レースも開催。

しかも入場料はたったの1000円と超お得だったりもします。

 

『Porsche Experience Day 2017』に関する詳細は

近くのポルシェ正規販売店もしくは公式HP http://www.porsche.co.jp/experience_day/ まで。

 

うわー、本当すごいことになってきた。

 

ではでは。

 

2017.02.01 Wednesday

南アフリカ初上陸 !!

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こんにちは。
 
Facebook の方では、色々アップしてきましたが
昨日まで人生初の南アフリカ(というかアフリカ大陸自体が初めて)に
ポルシェの国際試乗会で行ってきました!
 

喜望峰、ヴァスコ・ダ・ガマ、アパルトヘイト……
歴史の授業で習ったときには、まさか自分が実際に行くなんて想像もしていませんでしたが
やっぱり百聞は一見に如かず。
 
アパルトヘイトがなくなって20年以上が過ぎたいまでも、この国を覆う
貧困と差別がまったく解消されていない事実に胸が痛みます。
車窓からスラム街を横目に見ながら、色々考えさせられました。
 
一方、南アフリカといえば、僕の敬愛するロータス・エランのデザイナーである
故ロン・ヒックマンの出身地。ほかにゴードン・マーレイやロリー・バーンの出身地でもあります。

またジム・クラークが生前最後にF1優勝を成し遂げたのは、1968年の南アフリカGPでしたね。
 

 


そんな彼の地で乗ってきたのが、新しいポルシェ・パナメーラ 4 E-ハイブリッドとポルシェ911 GTS。
一応、報道解禁は2月1日からとなっておりますが、どこがどーなって、どーだったのか?
については、これから発売されるメディアで書かせていただければと思っております。
 
勿体ぶって……と思われるかもしれませんが、そうじゃないと本が出てからの楽しみがなくなるでしょ!
 

ちなみに今回の試乗会でペアを組ませていただいたのは、清水和夫さん。
あのグループA時代、そして生沢さんとクラス優勝したニュル24時間など、色々な裏話もさることながら、
実践付きでドライビング・テクニック&マナーを教えていただけたのが、
何よりの収穫(ある意味役得ですね)でした!! 本当にありがとうございました!
 

さらに911GTS(手前の2台は911ターボ)では、サーキット走行も体験!!
舞台となったのは、ケープタウン郊外にあるKILLARNEY RACEWAY(キラーニー・レースウェイ)。
 

コースレイアウトはこんな感じ。なんか筑波と袖ヶ浦を足して2で割ったような感じですが
結構スピードの出るコースでしたね。
 

そこでのインプレも誌面にて(笑)ということで、個人的にとっても気に入ったのが
サーキットの雰囲気。1949年の設立ということでしたが、路面の状態といい、
周辺の雰囲気といい、1950~60年代の英国のサーキットの感じが色濃く残っているのですよ。
 

コントロールタワーも大戦中の管制塔みたいでいい感じでしょ。
ある意味では、グッドウッド以上に当時っぽいサーキットでした。
昔はこんな路面でレースしてたんだろうなぁ……。
 

というわけで、2泊4日の南アフリカの旅も無事終了。
最終日に喜望峰まで走って記念写真を撮ってきたんですが……見事にピンボケ。
すいませんタイマーセットした僕のミスです。みなさんごめんなさい。
ご同行いただいたジャーナリストの皆さん、ポルシェの皆さんお世話になりました。
 

あ、そうそう。試乗の中継地点にいたVWバスのカフェが、可愛かった。
他にもEタイプ Sr.1クーペやスピットファイア、ビートル、アングリア、コブラ(レプリカ)など
結構ヒストリックカーが走っていたのにもビックリしましたね。
 
ではでは。
 
2016.06.24 Friday

24 Hours Le Mans 2016 part2

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極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
ル・マン観戦記のつづきです。
 

レース期間中、我々プレスがお世話になるのがパドック内(ポルシェ・ピットのすぐ裏)にある
ホスピタリティブース。ここは主にドライバー、チームスタッフ、ゲストが使用する施設で
マーク・ウェバーも、ハンス・シュトゥックもここでご飯を食べたりしてます。
この写真だと大きさがイマイチわからないけど、立派な二階建て。無論エアコン完備です。
 

中はこんな感じ。レースを中継する巨大モニターのほか、常時1号車と2号車のオンボードカメラも中継。
さらに英語の場内アナウンスもあって、常にピット状況なども伝えてくれます。
そして24時間の飲食サービス(アルコールもあるのだ)も提供。ネットもガンガン繋がる。ほんと至れり尽くせり。
 

しかも入り口にはしれっと919ハイブリッドの2リッターV4ツインターボも飾られていたりして。
 

そしてこちらはポルシェカーブのアウト側にあるポルシェ専用の観戦ブース。
ここも入れるのは、招待された顧客など関係者のみ。
ちなみに入り口の919ハイブリッドはハリボテ君です。
 

こんな感じで、ビールを飲みながらカリーヴルストを摘んでレース観戦できるわけです。
屋根もあるし、ストーブもあるし、近くに巨大モニターもあるので、24時間ここにいることもできなくもない。
 

そして白眉がこちら。昨年フォードシケインのアウト側に完成したポルシェ・エクスペリエンス・センター。
レースウィークにはシケイン周辺に各メーカーのゲスト・ホスピタリティが乱立するのですが
他が週末限りの簡易施設なのに対し、ポルシェのそれは10年契約という恒久的な3階建てビル。ものすごくでかい。
レース期間にここを使えるのは、世界中から招待された特別な顧客の皆さん、ゲスト、VIPのみ。
我々プレスも特別に許可をもらわない限り、入れてもらえません。
 

入り口を入ると、いきなり昨年優勝した919ハイブリッド19号車がデーンとお出迎え。
汚れもなにも当時のまま。周囲を柵で囲うような無粋な真似もしてません。
 

だから頼むとコクピットも見せてもらえる。ちなみに優勝車のシャシーナンバーは1504(15年の4号車?)でした。
 

館内にあるポルシェ・クラシックのブースには、以前ご紹介した
1972年のル・マン・クラスウィナーで、先日ポルシェ・クラシックで
レストアされたばかりの911 2.5S/Tが。
 

これも担当氏とお話してると、リフトアップして車体裏を見せてくれたり、
コクピットやエンジンも見せてくれる。親切。
 

さらにオフィシャルショップもある。だから上着を忘れても安心(笑)。
 

3階建ての建物には、100人ほどを収納可能なシアタールームも。ここで24時間レース中継をするほか
走行を終えたドライバー、関係者、レジェンドなどが登場してトークショーをしたりもする。
 

金曜の午後、LMP、GTの各ドライバーが大集合して行われる
レース前のプレスカンファレンスの会場もここです。
 

そしてこの施設最大の特徴が、この2階にあるレストラン。圧巻。
 

席に着くと、こんなメニューを置いてある。無論飲み物はあらゆるものが揃ってる。
 

料理はどれも絶品。とてもサーキットで出てくる食べ物とは思えない。ごちそうさま。
 

しかも窓の外はこんな景色(ちなみに3階にはシケインを一望できるバーと、テラスが)。
ちなみにここまでのレベルでホスピを展開してるのはポルシェとアウディ(こっちもすごいんだって!)の2社のみ。
あと、今年はフォードもなかなか大きなホスピを展開してましたね。
我らがトヨタもがんばっている(パドックのホスピが吹きっさらしのテントからやっと2階建のプレハブになった)
のだけれど、ゲスト用の施設を含めフォードの足元にも及ばすという状況。
確かにこうした豪華施設を建てれば良いってものではないけれど、こういう部分にまで徹底的にこだわって
自らのブランドをプロデュースする余力とセンスがあるメイクスが、
レースにおいても結果的に好成績を残しているのは事実。
ル・マンって単にテクノリジーだけの勝負ではなくて、メイクスの威信をかけた総力戦なのね
ということを改めて感じたのでありました。
ではでは。


 
2016.06.23 Thursday

24 Hours Le Mans 2016 part1

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極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
ご無沙汰しております。
 

 
今年もまた、ル・マン24時間レースに行ってきました。
もう既に皆さん結果はご存知のことと思いますが、今年のレースは
おそらく長いル・マンの歴史においても、五指に入るドラマチックなレースでしたね。
 

 
とにかく今年のル・マンは、盛り上がりっぷりがすごかった。
会場内はどこも人、人、人。スタート前のグリッドもこの有様。
クルマなんてほとんど見えない!
ちなみに今年のル・マン、事前の天気予報では降ったり、止んだりの繰り返し……ということでしたが
スタート前(この後土砂降りになるのだ!)に降った以外は、ずっとドライのままでしたね。
ということで、セーフティーカーが出たのはスタートを含め、たった4回。
そう思うと、天気予報が外れたのも、後々の波乱の引き金になったのかも??
 

そんな今年のル・マンを象徴するのは、優勝したポルシェ919ハイブリッド'16ではなく
このトヨタTS050ハイブリッドですよね!
開幕のシルバーストーン、スパ、そしてル・マンのテストデーでは、ライバルに水をあけられていましたが
予選からグッと調子を伸ばしてきたTS050。完全にル・マンに照準を合わせて開発してきたという印象。
 

フォード・シケイン、インディアナポリス、そしてユノ・ディエール最初のシケインなどで
各車の走りを見てきたのですが、最もスムーズに速くコーナーを駆け抜けていたのはTS050。
なんというか、走りに”迷い”がないんですよ。 毎周、毎周、同じラインを同じ速さで
トレースしていくように走っていく。エンジン音も淀みがなくてアクセル踏むタイミングもどこよりも早い。
ある意味、去年のポルシェのよう。
 

一方、優勝したポルシェ勢は、速いことには速いんだけど、全体的にトヨタには一歩及ばず。
コーナーの走りも遜色ないんだけど、トヨタと比べるとちょっとだけアクセルの踏み込みが遅い気がする。
そしてエンジン音が去年のような澄んだ感じじゃなくて、ちょっと濁ってる。
ただ夜中に1号車のウォーターポンプ・トラブルが出て優勝争いから脱落しても、冷静さを保って
2台のレースを続ける盤石ぶりはさすがでしたね。そのしぶとさがツキをもたらしたのかも。
 

対するアウディは週末を通じて精彩を欠いた感じでしたね。他の何にも似ていない
R18(カッコイイかどうかは別にして)は個性的で面白いんだけど
コーナーの立ち上がりで、動きが乱れたりしてたし、アクセル踏み込むタイミングも遅かった。
さらに7号車、8号車ともにトラブル続きで散々だったのに、24時間終わってみれば3位、4位というのもさすが。
 

そして大激戦(台数も増えた!)のLMP2勢はアルピーヌA460ニッサンが優勝。
地元フランス車の優勝だけに、表彰台も盛り上がりました。
ちなみにLMP2は上位9台がすべてニッサン・エンジン搭載車でした。それもすごい。
 

でも今年でそれも最後。来年からLMP2は4メイクスのシャシーにギブソン・テクノロジー製の
4.2リッターV8エンジンに統一されることになってます。
パドックにはそのGK428エンジンが展示されていましたが、こうしたレギュレーション変更が
吉と出るか、凶と出るかは不透明。個人的には自由闊達な競争があったほうがいいと思うのだけれど……。
 

そしてLM-GTE Proは昨年このル・マンでお披露目されたフォードGTが優勝。
フェラーリ488GTEとのトップ争いはなかなか手に汗握るものがありました。
思えば今年はGT40初優勝から記念すべき50周年ですもんね!
まぁ、デイトナ・フィニッシュをするためにゴールラインで順位が変わっちゃった
という故事を再現しなくて何よりでした(笑)。
ちなみにLM-GTE Amはフェラーリ458イタリアが優勝。Pro、Amともに911RSRには
厳しい結果になりましたねぇ。さすがにもうGTで911は通用しなくなってきたのかなぁ?

 

そんな今年のル・マンのハイライトは、なんといっても残り3分で起きたトヨタの悲劇につきます。
その時の顛末は来月のGENROQ誌で書かせていただこうと思っていますが
ポルシェ陣営としても99%以上、2位確定と思っていただけに、いろいろな意味でショックでした。
ちなみにレース後は、優勝したチームが自身のホスピタリティで各チームを招きパーティーをやるのが
(You Tubeなどに出てるポルシェ首脳とトヨタ首脳のエール交換は、ポルシェブースでのパーティーの模様ですね)
慣例となっているのですが、急遽決まった優勝でポルシェのホスピは大騒ぎ。
 

そんなこんなだから、レース直後にイクス、シュトゥック、ベルの各御大に
挨拶にきたマーク・ウエーバーもずっと困惑しきった表情。もう信じられないって。
でも勝ちは勝ち。こういうレースだってあるんだ、とは各レジェンドの見解。深い。
 


無論、5号車の3人が表彰台の中央に立つ光景が理想的だったのかもしれませんが

最終的にここに立てた3組それぞれに、その資格と価値があったのは事実。

やっぱル・マンで勝つってものすごいことなんだなと、改めて思ってジーンときたり。
 

 

 


個人的にはレース後の「ル・マンで勝てるチャンスが与えられれば、もちろん断ることはありません」
というロマン・デュマの言葉と、表彰式でのこの表情が印象的でしたね。
うーん、本当にすごいレースだった。
こんな歴史に残るレースの現場に立ち会えて、その空気を吸えて本当に幸せでした。
ますます、今シーズンのWECの行方が楽しみになりました。
 
ではでは。


 
2016.05.09 Monday

The Transaxle Era

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
皆さん連休はいかがお過ごしでしたでしょうか?

ここ数週間、完全音信不通状態だったモータープレス。
いったいこの間に何があったのかというと……



月末の諸々の締め切りを片付けたあと、ポルシェジャパンさんのお誘いで
ユーラシア大陸横断ツアー(?)へ。
まずは4月24日に北京に飛んで北京モーターショーでのポルシェ718ケイマンの
ワールドプレミアに参加。

実はこれが人生初中国だったんですが、いろんな意味でダイナミックだったわ。
このパワー侮れないね。すごい。唯一の心残りは偽くまモンを撮り忘れたことだな。シェイシェイ。



で、今度はパリ経由でドイツ・シュトゥットガルトへ。
この4月27日からポルシェ・ミュージアムで開催されている、トランスアクスル40周年記念展に
併せて開催されたジャーナリスト向けのワークショップに参加。



いやぁ、ただでさえ濃いミュージアムの展示がさらに一層マニアックになってましたね。
今回初公開のクルマも多かったし、見ごたえは十分。
924〜968、928オーナーは必見の展示であります。


photo:Poesche Japan

さらに加えて、924、968のデザイナーであり、1990年代のポルシェ中興の祖というべき
ハーム・ラガーイさん(左)をはじめ、ノルベルト・ジンガーさんなど
トランスアクスル時代を知るレジェンドたちを独占(!)してのインタビュー取材。
しかも直々にミュージアムを案内していただき、説明してもらうという豪華っぷり。ここでまず心の失禁。



そして一夜明けて、今度は完全非公開のミュージアム所蔵庫を襲撃。
ここを訪れるのは2012年のオープン時以来2回目なのだけれど、膨大に膨れ上がったコレクションに
再び心の失禁。案内されながらボイスレコーダーを回してたんだけど「うわー、おおーー!」
しか言ってないもの(笑)。



まぁ、ここではホントに凄いものばっか見せてもらったね。
これなんて初めて見たもの。



これなんかも見る人が見たら卒倒するよね。個人的に2台目の白いのなんか、もう……。



あと、こんなところも特別にご開帳してもらったり。
いや、これはもう凄い。ホント、もう大変!



んでもって、個人的に涙したのが、この906ロングテール!
いやー1966年のル・マンに出たワークスカーが、そのままの姿で生き残っていたとは。
てっきりショートテールに戻されて、どっかに売られちゃったのかと思ってた。
これだけで感動。すいません、ここに住み込みで働かせてもらえませんか??



いやーすごかった。もうお腹いっぱい……で終わらないのが、このワークショップの凄いところ。
なんと今回のメインディッシュは、歴代トランスアクスル・モデル8台一気乗り!

3年前の911 50周年の時にもミュージアム所蔵の歴代911(今回も展示されてた)を
自由に乗れるというスペシャル・プログラムがありましたが、
今回は我々日本チームに限って特別に8台全部にガッチリ乗れるというサプライズ付き!
これまた心の大失禁。しかもどれもまた程度が良かったんだ。



ええっ、こ、こんなスペシャル・モデルにも乗っちゃっていいんですかっ!!

てな模様は今月末に発売されるGENROQ、モーターヘッド、ル・ボラン、ベストカー各誌に掲載予定。
(まだまだお仕事お待ちしてまっせ!)
そんな諸々の原稿を週末のモナコ・ヒストリックGPに出発する前に
片付けて行かなきゃいけないんだけど……ねぇ。

ではでは。

 
2016.04.07 Thursday

Porsche 911 2.5S/T

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こんばんは。
本当なら先週伊勢志摩で乗せていただいた
新しいジャガーXFやXEディーゼルのことを書きたいのだけれど
日々に忙殺させて(これはまたそのうち)手をつけられず。

しかも今日の夕方になって、山口正己さんの書き込みで
あの片山義美さんが先月26日にお亡くなりになっていた……と聞き意気消沈。
ご冥福をお祈りいたします。

そんな中、今度はポルシェジャパンから見過ごすわけにはいかないリリースが。


photo:Porsche Japan

なんと、Eシリーズと呼ばれる1972年型の911Sベースをベースとした
グループ3、4カーとして24台のみが作られた911 2.5S/Tを
ポルシェ・クラシックがレストアし、今月10日まで開催されている
ヨーロッパ最大のクラシックカー・ショー、エッセン・テクノクラシカに展示中なのだとか!
(この写真撮ってる場所って、博物館近くにあるデポだね、きっと)

ちなみにこの写真、よーーっく見るとドアの後ろに72年モデルの特徴である
オイル給油ハッチがついてるのが分かりますね。


photo:Porsche Japan

無論リアビューもバッチリ。
オリジナルのナローボディもいいけれど、RS、RSRにたどり着く直前の
ダッグテールなしのワイドボディもこれはこれで魅力的。


photo:Porsche Japan

無論、911 2.5S/Tってだけでも十分にすごいんだけど、
この個体は、1971年にアメリカのマイケル・カイザーによってオーダーされ
翌72年シーズンのデイトナ6時間(この年だけ24時間ではなく6時間での開催)耐久レースでデビュー。
続くシーブリング12時間耐久レースから、ユルゲン・バルトをセカンド・ドライバーに迎え
タルガ・フローリオ、ニュルブルクリンク1000kmレースなどに出場。

そしてルイ・メルザリ・ティームとして、カイザー、バルト、シルヴァン・ギャランとともに
出場したル・マン24時間レースでは、終盤にトラブルを抱えるものの
3883.67kmを走りきり、見事総合13位、3リッター以下クラス優勝、熱効率指数賞6位という
成績を残した由緒正しい1台でもあるのです。


「ル・マンのポルシェ」 ドミニク・パスカル著 ネコ・パブリッシング刊

ほら、ここにも出てる!
ちなみにこの911S 2.5S/Tはル・マンのあともアメリカに戻ってレースを続け
1973年のデイトナ24時間レースでは総合8位(その時のドライバーのひとりが富士GCでマクラーレンに乗った
トニー・アダモヴィッツだったりする!)というリザルトも残しています。


photo:Porsche Japan

その後の911S 2.5S/Tの消息は解らないのですが
数年前、アメリカ人のコレクターがボロボロに朽ち果てた状態で発見。
ポルシェ・クラシックでレストアが施されることになったのだといいます。

これが発掘当時の写真。フツーなら見て見ぬふりをしたくなる状態ですが
こういうのをしっかりと見つけ出すのもまた、コレクターの審美眼といえますな。


photo:Porsche Japan

おそらくこのあと、クリストフォーラスあたりで事の顛末が記事になりそうな気もしますが
できれば、エッセンに行ってこの目で見て来たかったなぁ。

いずれにしろ昨年から、コンペティション・モデルのレストア、サービスにも力を入れるようになった
ポルシェ・クラシックの真骨頂というべき1台ですね。

ではでは。

 
2016.03.31 Thursday

50 YEARS PORSCHE 912



Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
グッドウッドからの帰り道。飛行機の中で暇だなーと
ヒースローで買った『Classic PORSCHE』誌をボケーっと読んでいたら
なにやらキラリと光る記事が!



ん? ポルシェ912の専門書が出版されたーーーーーっ?
世の中にポルシェおよび911を取り扱った本は、それこそ星の数ほど存在しますが
4気筒モデルの912にのみスポットを当てたという本は、ほとんど存在せず。
少なくとも僕自身、国内外の本屋さんで見つけた経験は皆無。

そうか、確かに2015年で912生誕50周年だったしね。
こういう本が出てもいい頃よね。しかも今某誌でちょうど原稿書いてたとこだし。
ということで、飛行機の中からずっと悶々としていた僕は帰国するなり
代官山 蔦屋書店の清野さんに速攻で連絡(笑)。

今ちょうど品切れ中ということ(このあと入荷予定だそう)だったのですが
無理を言って店頭サンプル用の1冊を譲っていただいたのでした。



それがこれ
『50 YEARS PORSCHE 912』( JURGEN LEWANDOWSKI 著 DELIUS KLASING刊)
であります。(価格は1万1000円:税抜  代官山 蔦屋書店

著者のユルゲン・レヴァンドフスキは、数年前に
『DIEWURZELN EINER LEGENDE PORSCHE 901』という
極初期のポルシェ901に特化した(!)名著を執筆したこともあるジャーナリスト。

本の内容の一部(911の誕生過程など)に関しては
901本と写真を含めてダブる部分があるものの、901本がドイツ語表記だったのに対して、
こちらは英語表記なので、901本で読み解けなかった部分を読めるという意味でも貴重。




我々がジーっとポルシェのプレスサイトを眺めていても、驚くほど912に関する
写真って少ないのですが、さすが912専門書だけあって、これまで見たことのない写真も多数。
いやぁもうここにタイムスリップしたい。




もちろん一部の912ファン、ソリチュード・マニアには有名な
1965年にソリチュード・サーキットで行われたプレス向け試乗会の
写真もしっかりと掲載されています。ああ、ここにタイムスリップしたい……。




また、知られているようで意外と知られていない、912のレース活動に関するページや
各年式ごとの仕様の変遷など、176ページに及ぶ本書の中には色々な資料が詰まっています。

でも完全な912本を目指すなら、神奈川県警で使用されていた912のパトカーまで
掲載して欲しかったなぁ、レヴァンドフスキさん。



そして、914亡き後の1975年に北米市場に向けてたった1年だけ製造された912Eも、もちろん収録。
このクルマに関してもちゃんと纏めた資料って皆無ですからね。非常に資料性高いです。



ということで、ナローSWB 911/912好きには
『DIEWURZELN EINER LEGENDE PORSCHE 901』とともに
書棚に収めておくことをお勧めします。
こういう本って、あーー! っと思った時に手に入れておかないと
意外とあっさり絶版になったりしますからね。


ではでは。

 
2016.03.02 Wednesday

愛しの911R


Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
先週からなんか調子悪いなー。今年の花粉は酷いなーと思いつつ
昨日はQEDまで出かけて久々に69君のメンテをしてきたのですが
家に帰ってきてから極端に体調悪化。そして発熱。
花粉じゃなくて風邪でした(涙)。これから病院いってきます。
お大事に。いえいえ、どういたしまして。


© 2016 Porsche Japan KK.

さて。いま海の向こうジュネーブで開催中のモーターショーで
ポルシェが限定991台のスペシャルモデル、911Rを発表しましたね。
あの911GT3 RS譲りの4リッターNA(500ps!) を搭載し、なおかつ6速MT(!)を採用したという
この911R 。ボンネットやドアにカーボン、ルーフにマグネシウムを使用、
さらにリアシートを外した上にエアコンまでオプション設定にするという徹底的な軽量化を施した結果
GT3 RSに比べ50kgもの軽量化を実現したのだとか。


© 2016 Porsche Japan KK.

そんな新しい911Rのプレスフォトを見て、個人的に狂喜乱舞したのが、このカラーリング。
白地のボディに2本の赤いストライプはまさに、1967年にモンツァで行われたスピードトライアルを
走った911Rをモチーフにしたもの。いやー泣ける。
あえてリア・クォーター・ウインドーにルーバーをつけるような小細工をすることなく
このスピードトライアルカーを持ってくるとは! さすが、この人たちは分かってるね。
ま、どれだけ皆さんに刺さってるのかは不明ですが(笑)。


© 2016 Porsche Japan KK.

ちなみにこれがスピードトライアルカーの写真。
わずか20台しか作られなかった911Rには、いろんな伝説がありますが
リコ・シュタイネマンとディーター・ジュペリーが企画したスピードトライアルで
トヨタ2000GTの記録を打ち破り、5つの国際速度記録と14の2リッター・クラス国際速度記録を
打ち立てたのは、欠くことのできない史実ですからね。

その時の詳細については、Porsche 911 Story(二玄社 刊)でポール・フレールさんが
書いていらっしゃるので、ぜひご一読を。


© 2016 Porsche Japan KK.

ちなみにこのスピードトライアルカーに関しては、赤ストライプのほかに
緑ストライプのクルマの写真も見たことがあるんですが
どっちがホントなんだろう? ポール・フレールさんの記事を読む限りには
スペアカーがあったとは思えないんだけどなぁ。誰かご存知ですか?




こちらは昨年のレンシュポルト・リユニオンで見てきた911R。
このシャシーナンバー11899003こそが、当時のスピードトライアルカーなのだそう。
さらにこの個体は1970年のトゥール・ド・フランスで総合優勝も飾っているのですよ!



ということで、最後にポルシェのオフィシャルムービーを。
いやぁ、泣けるなぁ。



ではでは。




 
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