2016.07.13 Wednesday

Un homme et une femme

 

Motor Press(モータープレス)

極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
昨日は都内で行われたPSAグループのディーゼル・エンジン導入発表会のあと
ENGINE誌の村上編集長の紹介で、
この10月15日から恵比寿ガーデンシネマなど、全国10箇所で公開されることが決まった
クロード・ルルーシュ監督1966年製作の名作『男と女』の試写会へ。
 

ジャン=ルイ・トランティニャン、アヌーク・エーメ、ピエール・バルー主演で
1966年のカンヌ映画祭グランプリなど数々の賞に輝いた、この不朽の名作について
今更ここで、どうのこうの説明するまでもないと思いますが
当時の日本を含め、様々な人々に影響を与えたこの映画が生まれて今年で50年!
 
そんな記念すべき年に、ルルーシュ監督の短編でエンスーの皆さんにはおなじみの
『ランデヴー』ともどもデジタル・リマスターされて、再上映されることとなったのです。
 
特徴的なカラーとモノクロのフィルムの使い分けは、単に予算の問題だったとか
この映画の後にエーメとバルーが結婚したとか、続編の『男と女II』はつまら⚫︎いとか……
いろいろな話がありますが、僕自身この映画を大学1年の時にはじめて見て
めちゃくちゃ感化されて、何十回、何百回(誇張ではなく)見直したどころか
思い余ってドーヴィルにまで行った(写真が出てこない……)経験をもつだけに
久々の大スクリーンでの鑑賞は感動のひとこと。
 
映像も当時の雰囲気を壊さずにクリアになってるし、翻訳も新たにされてるし
昔見た人はもちろん、今まで見たことがなかった人にも、ぜひご覧いただきたいと切に思います。
 
ちなみに『男と女』といえば、舞台となった1965年のル・マン24時間と
1966年のモンテカルロ・ラリーの貴重な映像が盛り込まれているのはもちろん
当時のモンレリー・サーキットや、GT40、マスタング、ブラバムBT21などが
ふんだんに登場するのがエンスー的には有名ですよね。
 
そんな”『男と女』あるある” と言えば……
 

フランシス・レイの「ダバダバダ、ダバダバダ」というテーマ曲を背景に
主人公ジャン=ルイ・デュロックが、モンテに出たマスタングで疾走するシーン。
 
これを見てあれ? と思った方います??
 

実は劇中でモンテを走るデュロックたちのマスタングのゼッケンは145番。
 
それがなぜか、エーメ演じるアンヌを迎えにいくシーンでは184番になっちゃうんです。
いやぁ、これまた随分なポカミスですな……と片付けたいところですが、ここには深い? 理由が。
 

実はこの映画の製作にあわせ、ジャン=ルイ・トランティニャンはアンリ・シュマンとともに
フォード・フランスのマスタングで実際に出場しているんです。
 
ま、トランティニャンの叔父は1954年のル・マン・ウィナー、モーリス・トランティニャンですしね。
しかし彼らのマスタングはあっけなくリタイアしてしまうのです。
じゃあなんで184番なのか? というと……
 

同じフォード・フランスから出場し、総合11で完走したGreder Henri /Delalande Martial組の
マスタングのゼッケンが184番だったのですよ。
 
ゴールシーンに合わせて、劇中車を184番にしたのか?
それとも先に184番のつもりでラストシーンを撮っておいたら
実際のモンテのゼッケンが145番になったのか? その真相はわかりません。
 
そんなことも本編の素晴らしいストーリーにはまったく関係ないことですね。
無粋なこと言ってスイマセン。
 

ちなみにラストシーンのマスタングはレジスターナンバーを見てもお分かりのとおり
ノーマルのマスタングをラリーカー風にした劇中車。
 
あー、また無粋なこと言ってスイマセン。
実はそのくらい暗記するほど何回も見てるのでありました。
 
というわけで、公開に関する詳細については
オフィシャルHPをご覧ください。
 
最後にデジタルリマスター版の予告編でお別れです。
 

ではでは。

 
2014.01.17 Friday

RUSH ラッシュ/プライドと友情

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
見たい、見たいと思い続けて早数ヶ月。
今日やっと、来月7日から全国でロードショー公開される話題の映画
『RUSH  ラッシュ/プライドと友情』の試写に行って来ることができました。


もちろん、具体的な内容は映画館でご覧いただくとして
僕個人の率直な印象としては、よくぞあの1976年のF1シーン
そしてラウダとハントが生きたあの時代をここまで描ききってくれた! と
大満足で帰って来ました。

細かなディテールの差異を指摘したいマニア筋の気持ちもわかりますが
それはそれ、逆にオタクに口プロレスの余白を残してくれた……と
素直に感謝しましょう。

そんな映画の印象に関しては、来月1日発売のRacing on誌と
15日発売のahead誌に書かせていただきます(笑)。

photo:Kozo Fujiwara

僕がこの映画の存在を知ったのは、2011年夏のこと。
「どうも1976年のF1をテーマにした映画を作るらしい」と
当時FIA Historic Formula One選手権に参戦していた久保田さんと
英国特派員のコウゾウさんから聞いたのが最初でした。

photo:Kozo Fujiwara

その後、同年の9月にニュルブルクリンクで行われた最初の撮影には
久保田さんとex-ロニー・ピーターソンのマーチ761のほか、
数台のマーチ761、サーティースTS19、マクラーレンM23などが参加。

でも、今だから正直に言いますが、コウゾウさんの写真や久保田さんの証言を聞く限り
そんなにスゴい映画にならないだろうなぁ……と想像していたのも事実(失礼)。
その後映画の関係者から、当時のF1イン・ジャパンの映像が欲しい! とか
富士仕様のティレルとサーティースの資料を送ってくれ! 
などというオファーが僕のところにもありましたが
本当にそんなの必要あんの?? といぶかしく思ったものでした。

でも、今日映画を見たら、BARACCAの南口さんに協力していただいた
ティレルP34 富士仕様の資料が、バッチリと生かされていましたね(笑)。よかった。
でも写真とか色々送ったのに、伊太利屋カラーのサーティースは写ってなかったな。

photo:Kozo Fujiwara

photo:Kozo Fujiwara

まぁ、そんな戯言は置いておいて、
本当に迫力ある映像でビックリしました。
さすが空撮アリ、車載アリで、がっちりと撮影しただけのことはありますね。

ちなみに僕は昨日、映画を見るのに先駆けて久保田さんご本人に
映画撮影の裏話をいろいろと聞いて来たのですが……
その中身は次号のRacing onまでナイショにしておきます(笑)。

とにかく、クルマ好き、F1好きなら絶対に見て損はしない
(むしろ見ないと後悔するかも)映画なのは間違い無し。
吹き替え版を選ぶか、字幕版を選ぶかは悩ましいところですが。

ではでは。




2013.04.09 Tuesday

RUSH trailer ― 映画"ラッシュ”予告編

 


Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



こんにちは。

さて。一部マニア筋では話題になっている1976年のF1GPシーン(ハントvsラウダ)を
フィーチャーしたドキュメンタリー映画『RUSH』の予告編が公開されていますね。



監督を務めるのは、『コクーン』や『アポロ13』などでもお馴染みのロン・ハワード。
脚本はピーター・モーガン。ハント役を務めるクリス・ヘムズワースや、
ラウダ役のダニエル・ブリュールも、しっかりと役作りをしていて
予告編を見る限り、なかなか完成度は高そうで楽しみです。

公開は今年の9月13日と言われてますが、いまのところ日本での公開は未定。
なんとかどっかで配給してくれないですかね?

photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

そんなRUSHのハイライトのひとつである、
ニュルブルクリンク旧コースでの撮影シーンがコレ。
この映画のウリは、オールCGではなくちゃんと実車を使っての
走行シーンを収録するなど、細部のディテールにも拘っているところ。

いやぁ、こんなバックステージに潜入するなんてモータープレスの取材力もスゴいな!
といいたいところですが、実はこの映画に一人の日本人が出演しているのをご存知ですか?

photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

それは長谷見昌弘さんでも、高原敬武さんでも、星野一義さんでも、
桑島正美さんでもなく……。
Classic Team Lotus Japan 代表の久保田さん。
ニュルで行われた撮影にもガッツリ参加されています。

photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

というのも、久保田さん所有のマーチ761/6(exロニー・ピーターソン車)が映画に出演。
そのドライバーとして、全身ロニーに扮して(スーツはなんと久保田さん所有の本物!)
走行シーンを撮影しているのですね。
先に紹介した予告編をよーーっく見ると、ちゃんと映ってました。はい。
ちなみに久保田さんの761/6は、76年のモンザでロニーが勝ったマシーンそのもの。

photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

そしてこちらが撮影の小道具として用意されていた
ロニー・ピーターソン仕様のベルスター・クラシック。
ちゃんと防火マスクや、サンバイザーが付いています。
こういう拘りは大事ですねぇ。

photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

なんと、撮影車に履くエイヴォンのスリックにも、
グッドイヤーのレターがマーキングされているのです。
こういう拘り、ステキ。

そういえば映画の撮影中に、富士のシーンを撮るために、映画のディレクターから
高原サーティースの“伊太利屋”や“スタンレー”、ティレルP34の“たいれる”の書体を
送って欲しい! なんてオーダーが直接入ってきて
プロモデラーである、BARACCAの南口さんに
無理言ってご協力いただいたりしました。その節はお世話になりました。

いやぁ、そんな雨の富士のシーン(映画のクライマックスですもんね)が
どのように描かれているのかはとっても興味がありますね。

もしかして富士のコースが今のように改修されていなかったら
撮影陣がヒストリックF1を擁して大挙富士に押し寄せるなんてこともあったのかなぁ?
……なんて妄想してみたり(笑)。

いずれにしろ本編の公開が楽しみです。
ではでは。



2011.06.18 Saturday

MONZAのバンク

 



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昨日は早朝からQED JAPANのケン鈴木とともになぜか鈴鹿へ。
が、子供から伝染った風邪が悪さして、なんと声が出なくなるハプニング
(よくあるんです、これ)。
すいません、モータープレスも1回休みました。

本当なら、今日も悪いオジさまたち(?)に連れられ
某所の秘境を訪ねる予定だったのですが、こんな体調なのでリタイア。
だって明日は父親参観ですから。これ行かないと裏の竹林に埋められてしまうので……。

そんな折、某コミュニケーションサイトにあった
lotus49fordさんの書き込みで、あの映画GRAND PRIXがDVD化されたのを
知りました(拍手ーーーー!)。

なんでもブルーレイ対応のソフトだそうで、電機業界の魂胆に
地団駄を踏む思いでございますが、何はともあれ目出たい。
見ていない人は必見です。1960年代のGPシーンにトリップできます。

この映画のハイライトはなんといっても冒頭のモナコと
最後のモンザのシーン。



今は亡きモンザのバンクの様子が残った映像は貴重です。
そんな折、先日モンザで行われたFIA HISTORIC FORMULA ONEを
取材した英国B-Rexの藤原さんからこんなタイムリーな写真が。


現在のモンザのバンク。
完全に閉鎖され、いまはモニュメントとして残っているのみ。
ただ、富士のように公園のような整備のされ方をしていないのに
却って好感をもつのは僕だけでしょうか?


バンクの裏側ってこうなっていたのですね。


このバンクから飛び出して
イヴ・モンタンは絶命しちゃうんですよ。嗚呼。


ほら、ちょっとGRAND PRIX、見たくなりませんか?
週末のお供に是非。

ではでは。






2011.01.23 Sunday

映画 グラン・プリ



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ESSO RACING TEAM STORYをお待ちの方すいません。
また週明けから再開予定ですので暫しお待ちを。
(まだまだネタはありますから)

さて、先日のブログで1967年の映画”GRAND PRIX”を見たことがない!
と書いたところ、なんとあの沢村慎太朗さんから
英語版のビデオテープを貸していただきました(感涙)。

で、早速視聴したのですが、これホントすごいですね。

とにかくマニアック。
主人公であるアメリカ人F1レーサー、ピート・アロンの愛車がGT350だったり
フェラーリのエース、サルティの愛車がデュエット・スパイダーだったり
とにかく、細かい部分に至るまで雰囲気よく作られてます。
(あと、当時のマラネロを映した貴重な映像も)

そしてなんと言っても迫力なのがその走行シーン。
これを1966年時点で撮影していたのもスゴい。


エンスーの皆さんはご存知かと思いますが、
この映画で使われたカメラカーがこれ。

THE GT40 THAT BEAT FERRARI(Haynes刊)より

フォードGT40/P1027 (1018って話もありますが、
いずれにしろこのカメラカー、レジンでキット化されてるハズ)。
さすが全盛期のハリウッド! GT40を改造して使うなんて、スゴい話ですが
お陰で良い画が撮れているんです。

細かい部分にチャチャを入れたくなる気持ちもわかりますが
CGじゃダメなんだよ、CGじゃ! って画面の目の前で
思わず叫びたくなること請け合い。

というわけで、ものすごく堪能しました。
一家に一本は必須。日本語字幕付のDVDが出ないかなぁ?

さて、これから京都に行ってきます!
何しに? かは、まだナイショ。











2006年に発売した336号のGT-R特集。
その巻頭特集を作るにあた
2011.01.15 Saturday

GRAND PRIX CINERAMA!

 

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あっという間に週末ですね。
いやー寒い。寒い。
はやくスバゾール君に冬支度させないと!

さてさて。
本当は書きたいネタがいくつもあるんですが
なんかーもーバタバタしちゃって落ち着いて書けません(涙)。
なので今日は小ネタで勘弁。

おそらくこのブログをお読みの皆さんは見たことがあるかもしれませんが
実はワタクシ、見たい見たいと思っていながら、未だ見ることができていない
映画があるのです。

それはこれ「グラン・プリ GRAND PRIX」


1967年に公開されたジョン・フランケンハイマー監督による娯楽大作。
実際、1966年シーズンに同行して撮影を進めただけあって
かなりフィクション部分(とオーバーなアクション)は多いものの
当時のF1シーンを垣間みることのできる作品……なんですよね?

その昔VHSは市販されていたけれど、なぜか日本市場ではDVD化されないまま。
たまーにレンタル落ちのVHSがヤフオクとかに出ますけどね。

よし、今年は何とかしてこの映画を見てやろう!
ではまた明日。




2010.10.30 Saturday

ここは惑星都市、アルファヴィル

 


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夜中にふと思い立って、行く当てもなくクルマを飛ばすのって
なんかゾクゾクしません?


気持ち的に乗ってると、ふーっと車窓の風景にそのまま溶け込むような
気がして、トランス状態に陥るというか、なんというか。
そういう時って、今のクルマの電気的なビートよりも
昔のクルマのアナログなビートの方が、グっとシンクロするんですよね。

で、夜の湾岸辺りを走っているときに、頭に流れる曲(こういうのってあるでしょ?)が
J=L.ゴダールの映画、アルファヴィルのテーマ。


1965年のベルリン映画祭で受賞したゴダールのSF劇。
パリの町を、架空の惑星都市アルファヴィルに見立てた
ゴダールならではの低予算で人を食ったような作品ですが
モノクロながら、その独特な色味が強烈な凄みで迫ってくる
ヌーヴェルヴァーグの良作でもあります。

個人的にゴダール60年代の作品の中では、
男と女のいる舗道、男性女性などと並び好きな作品のひとつ。

そのテーマが頭の中でヘビーローテーションするんですよ。エランで走ってると。

……たまに何故かハマショーとかも混ざってきたりしますが。


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