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2015.07.17 Friday

童夢の奇跡

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
前回のモータープレスでもご紹介しましたが
さる15日に行われた林みのるさんの引退パーティー「童夢の終わりと始まり」で
配布された、株式会社 童夢の40周年記念誌「童夢の奇跡」の
編集をお手伝いさせていただきました。



林さんから、この本を作るという打診を受けたのは、確か昨年末のこと。
2000年頃に童夢P-2の取材をさせていただいて以来、数々の場面でお世話になってきた
身としては非常に光栄な話でありましたが、反面、非常に責任の重さを感じたのも確か。



しかも一緒にお仕事をさせていただくのは、この業界の大先輩であり
数多くの童夢に関する記事を残されている大串信さん。
「果たして、こんな大役を受けていいものか? 」2月初旬に行われた
最初の本格的な編集会議の前に彦根城前でこの記念写真を撮ったときは、
そんな想いだけが頭のなかをぐるぐると駆け巡っておりました。

まず我々が最初に行ったのは、童夢に保管されている40年以上におよぶ
大量の写真、本、資料、書類、企画書など、長い歴史の全てを把握し、確認すること。
「童夢が何をしてきたのか、第3者の目で評価してほしい」という林さんの意向で
本来なら見ることが許されない、極秘資料も何もすべて開放していただき
これまでの取材でも知ることができなかった、あらゆる事象のすべてを
この目で確認することができました。

その結論として出た答えはひとつ。
「いったいこれをどう纏めたらいいのだろうか?」
という、至極単純にして難解な問題。



以降、月に1〜2回、米原の童夢本社で林さん、大串さん、童夢の須川さんとともに
合宿を続け(時にマクランサやカラスの復刻プロジェクトも並行して)、
少しずつ作業を進めていったのですが、
毎回帰りの新幹線に乗る前に、大串さんと深いため息をついてお別れしたのは
今となっては良い思い出です(笑)。



最終的に総ページ数312ページという大作となることが確定し、7月15日のパーティーに向け
編集作業が本格化していくのですが、既存の執筆作業をしながら並行して別の本を
作る(しかも4人がバラバラで!)というのは至難の技。

しかも僕が途中でヴィラ・デステに行ったり、締め切り直前だというのにル・マンに行ったりと
みなさんに迷惑を掛け続けたおかげで作業は大幅にディレイ。
結局、6月19日から米原の童夢本社に缶詰状態になっての編集作業になりました。
そこでデザインの助っ人として、旧知の市川肇さんや、オフィスアントの山崎知彦さんにも
加わっていただき、林さんの執務室を編集部に仕立て作業開始。

「なんで最後まで妥協してモノ作りをしなければならないんだ!」
と、林さんに怒られながらも、この急造の「ドリームチーム」で行った本作りは
これまでの編集人生においても記憶に残る、非常に濃密な時間でありました。



残念ながらこの「童夢の奇跡」はパーティーにご来場いただいた皆さんにのみ
配布される非売品ではありますが、三栄書房、ネコ・パブリッシングをはじめとする
関係各位にも貴重な写真や資料をご提供いただいたこともあり、
我ながら非常に濃い内容の1冊に仕上がったと思っています。



そしてこの半年に及ぶ編集作業の中で、林さんにベッタリと張り付き
その仕事ぶりを拝見しつつ、数十時間にわたり貴重なお話を聞けたことは
この「童夢の奇跡」の中で書いた原稿に生きたのはもちろん、
僕自身にとってもとても有意義なものでした。

東京レーシングカー・ショーで本田宗一郎さんに「海外のレースもいいけど、国内レースの
振興にも協力してください」と進言して「林という奴だけは許さん!」と激怒された話とか、
その後、本田家のガレージで博俊さんのカムイの手伝いをしているときに、
突然宗一郎さんが現れ「これからF1が始まるというのに何をしてるんだ!」と怒られ
そのまま本田家の居間に皆で付いていったら、テレビ中継はおろかファックスもない時代に
宗一郎さんがじっと電話の前に座り、中村良夫さんからの国際電話をイライラしながら
待ち続けるのを、後ろに座ってずっと付き合っていた話……とか、

とにかく僕らのまったく知らなかった色々なエピソードをお聞きできたことは
何にも代えることのできない、僕の宝物です。
そんな話を通じ、僕らの想像もつかない大きなスケールの中で考え、
行動し、生きてきた、林みのるという人物像の一端を垣間見れたこともまた
僕にとって得難い経験でした。

※今回初めてみた、童夢-零完成直後に撮られた記念写真。最高でしょ?



そしてこの本を入手された方にぜひお読みいただきたいのが、林さんによる
「童夢を支えたり、傾けたりした人たち」という章。
発売中の林さんの自伝「童夢へ(幻冬舎 刊)」を読んだあとで、ここを読むと泣けます。
玉稿です。



また、有り難いことに先日のパーティーでは、大串さん、須川さん、市川さんとともに
壇上でご紹介までしていただきました(こういう気配りや優しさこそが林さんなんです!)。

まさかTOM'Sさんの「TOM'Sの軌跡」と比べたスペック表まで作っていたとは知りませんでしたが(笑)。

ちなみにこの「童夢の奇跡」というタイトルは「TOM'Sの軌跡」のパロディなのですが
果たして会場にいた何人の方に、かつて生沢さんたちの「ホワイトブル」に対抗して
林さんが「ブラックバッファロー」というバイクを作って8耐に挑んだという
林さんらしい、洒落た故事を思い出していただけたでしょうか? 



今回、このような大きな責任のある仕事をさせていただけたのも、元はと言えば
3年前に生沢徹さんの生誕70周年記念本のお手伝いをさせていただいたのがきっかけでした。

日本自動車史に名を刻む、偉大なレジェンドお二人の尊い仕事に参加することができ
本当にありがたく思っております。
林さん、本当にありがとうございました。

そして、今回の作業にご協力いただいた、童夢の皆さんを始めとする関係各位の皆さん
ありがとうございました。ここに改めて深く御礼申し上げます。

願わくば、この本が広く皆さんにもご覧いただけるようになるといいのですが……。

ではでは。


コメント
おつかれさまでした。
大変な労作ですね。
「ください」とは言いません、見せてください、お願いします!
  • Mallory
  • 2015.07.18 Saturday 00:19
生沢徹氏の記念本があるとは知りませんでした。入手することはできないのでしょうか。
  • 北島
  • 2015.07.24 Friday 22:30
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