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2011.04.25 Monday

ESSO RACING TEAM STORY 第24回

 


Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



―― ESSO RACING TEAM STORYは、1970年台の初頭に
東京・青山の片隅で、真剣にF1を夢見て集まった若者たちの情熱の物語です。



【トヨタのプリンスの加入】

新たに始まったFJ1300の開幕戦で、優勝寸前! の3位という
活躍をみせたESSO RACING TEAM。

6月17日に富士スピードウェイで行われる第2戦
RQCフォーミュラチャンピオンレースを前に
ティームに強力なメンバーが加入することになります。

それが当時のトヨタワークス、TMSC-Rの若きエースである
高橋晴邦さんの加入でした。
晴邦さんといえば、1966年法政大学工学部在籍中に
フェアレディ1500で船橋ゴールデンビーチトロフィーにデビュー。
翌年TMSCのクラブ員となり、その活躍ぶりを評価され
1969年にトヨタ自販とワークスドライバー契約。
その年のJAF GPでは、デビュー戦のGT-Rの優勝を阻止したことが
進路妨害としてペナルティを課せられたことで話題となりました。

特に1971年以降は連戦連勝の活躍ぶりをみせ
同年に発足したTMSC−Rのエースとして、
名実共にトヨタワークスの顔となっていました。

そんな晴邦さんが、1972年の日本オールスターレースでのFL500に続き
ESSO RACING TEAMのシートに収まる事になったのです。



「ESSOをドライブすることになったのは、山梨信ちゃんから
 オファーがあったからだと思う。それで僕がトヨタに交渉して乗れることに
  なったのです。少なくともトヨタがOKしない限り、他のクルマには乗れなかったからね」

では、なぜトヨタ・ワークスのエースという立場にあった
晴邦さんが山梨さんのオファーを受ける気になったのでしょう?

「僕はトヨタ7で世界に行こう! って思っていたのに、
 川合稔さんの事故でそういうレーシングカーを作らないという流れになって
 フラストレーションが溜まっていた。僕の中ではずっと
    “日本のクルマで世界に!”
 という気持ちが強くあったからね。それ以外の選択肢は考えていなかった。

 それに1972年の鈴鹿1000kmで優勝して
 評価もグンと上がって、若手のエースっていわれるようになって
 マシンテストなんかも僕中心で動くようになっていた。
 1973年のトヨタとの契約更改の時に “給料を倍にしてくれ!”って
 会社と交渉したけれど、そうは簡単にいかなかった。
 そんな時、加藤真から一緒にル・マンに行かないか? と誘いがあったので、
 給料以外の条件交渉をして、“トヨタ車以外の国産車に乗るのはダメだけど、
 外国製のマシン&エンジンのものならOK。
 ただしトヨタが参戦しているレースの時は、トヨタを優先する事”
 という条件で契約更改した」

こうして晴邦さんは、1973年に加藤真率いるシグマ・オートモーティブと契約。
同時に生沢徹、黒澤元治、酒井正、高原敬武、風戸裕とともに、
この年から大々的なプロモーションを展開することとなる、
ブリヂストンとの契約も結ぶことになるのです。

「その頃ワークスは自分のところのエンジン以外には乗れなかった。
 GCなんか“アマチュアのレース”って認識だったから、
 ワークスは誰も出てなかったし。
 実際72年までは現役のワークスは誰も出ていない。

 ただちょうどタイミングが良かったのは、
 黒澤さんが日産やめてBSと契約してGCに出るなんてことになったのが
 話題になったりしてね。
 僕もトヨタと前述の契約をして他のティームで乗れる事になった。
 その話を聞いていた見崎も“じゃあ僕も!”ってことで、同じような条件で
 GCに出る事になったはずだよ。

 あの頃の富士1000kmの写真を見ると、
 僕のセリカターボだけノーズに“晴邦ステッカー”貼ってあるだろ? 
 ああいうことも、それなりの立場になるとできたのよ」

さらに、シグマと平行するかたちでESSO RACING TEAMの
FJ1300をドライブすることになった理由を晴邦さんはこう語ります。

「ESSOに乗ったのはね、シグマでル・マンに行くのはもちろんだけど、
 僕の最終目標はF1だったから、フォーミュラの経験を積みたくて、
 信ちゃんの誘いを受けたのだと思う。
 既にF2000あったけど、台数は少ないし、FJ1300の方が
 コンペティティブで、何にもましてノバは国産マシンだった。
 またエンジンはカローラで、スポンサーもトヨタとの繋がりの深い
 ESSOだし。そういう意味でも問題はまったくなかったからね。
 もしかしたら、上の方でそういう話があったのかもしれないけれど」

こうして鮒子田寛、高橋晴邦と、かつてワークス・トヨタで
ティームメイトだった二人が(デビュー年は違うものの、
二人は同じ1946年生まれ)
再び同じティームでタッグを組む事になったのです。

しかし、同じティームであるにも関わらず、鮒子田車はダンロップ
晴邦車はブリヂストンと、それぞれ違う銘柄のタイヤを履いていました。
その訳を晴邦さんはこう説明します。

「僕はBSと契約してたから。そのベースの契約はシグマなんだけどね。
 確か1レースいくら、みたいな使用契約をしましたね。
 でも、トヨタ・ワークスはダンロップがメインだったので、
 トヨタで走る時はダンロップ(笑)。今思うと大らかな時代だったね。
 だから僕のはBS、鮒子田のはダンロップだった」

さて、そんな晴邦さんのFJ1300デビューレースは、
1973年6月17日にFISCOで開催された
FJ1300シリーズ第2戦、RQCフォーミュラチャンピオンレースとなりました。

RQCフォーミュラチャンピオンレース予選にて 撮影:猪口勝男

ところがこのレースにエントリーしたのは晴邦車1台のみ。
その理由は定かではありませんが、晴邦さんはこのレースで6位入賞。
優勝したのは、1台だけぶっちぎりの速さをみせた
長谷見昌弘のKEマーチ・サニーでした。

「彼とは当時、家族ぐるみの付き合いで仲が良かったけど
 レースでは直接のバトルってないんだよね。
 こっちの調子がいいか、向こうの調子がいいかで、直接勝負にならない。
 国さん(高橋国光)や北さん(北野元)とは結構やってるのにね。
 このFJの時もそう。長谷見のマーチだけピューっと行っちゃうから
 直接勝負をしていないんだよ。彼と一度でいいからガチンコ勝負を
 してみたかったと、今でも思いますね」

実質的に初めてのプライベート体制での参戦、
初めての本格的フォーミュラカーのレースという状況にも関わらず
晴邦さんは、すぐに順応して非凡な才能を発揮するようになります。
(つづく)

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※過去の記事

ESSO RACING TEAM STORY プロローグ1
ESSO RACING TEAM STORY プロローグ2
ESSO RACING TEAM STORY 第1回
ESSO RACING TEAM STORY 第2回
ESSO RACING TEAM STORY 第3回
ESSO RACING TEAM STORY 第3回補足
ESSO RACING TEAM STORY 第4回
ESSO RACING TEAM STORY 第5回
ESSO RACING TEAM STORY 第6回
ESSO RACING TEAM STORY 第7回
ESSO RACING TEAM STORY 第8回
ESSO RACING TEAM STORY 第9回
ESSO RACING TEAM STORY 第10回
ESSO RACING TEAM STORY 第11回
ESSO RACING TEAM STORY 第12回
ESSO RACING TEAM STORY 第13回
ESSO RACING TEAM STORY 第14回
ESSO RACING TEAM STORY 第14回追記
ESSO RACING TEAM STORY 第15回
ESSO RACING TEAM STORY 第16回
ESSO RACING TEAM STORY 第17回
ESSO RACING TEAM STORY 第18回
ESSO RACING TEAM STORY 第19回
ESSO RACING TEAM STORY 第20回
ESSO RACING TEAM STORY 第21回
ESSO RACING TEAM STORY 第22回
ESSO RACING TEAM STORY 第23回

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