2012.12.28 Friday

HONDA S600 COUPEのウッドステアリングのレストア その2

 


Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



ホンダS600クーペに装着する純正ステアリングのレストア、第2回です。


毎日毎日、時間を見つけては、部屋の片隅で耐水ペーパー片手に磨く日々。
400番〜600番とパーパーの目を変えて磨いて行くのですが
この後の塗料の食いつきとか、木目の風合いなんかも考慮して
あまり細かな目で仕上げるまではしていません。

で、磨きながらパテの盛り漏れやヒケを見つけ、再度パテを盛り直し&磨きと
地味な地味〜な作業を年の瀬に続けて行きます。

……それでは、匠による驚きのリフォームの様子をご覧にいれましょう!


まぁ、なんてことでしょう!
あれだけカビガビ、ヒビヒビだったウッドリムが
エポキシパテで奇麗に整形されているではありませんか!


さらに欠けていた、黒いフチの部分も木っ端とパテで元通り蘇りました!
……なんて(笑)。

あんまりツルツルに仕上げすぎちゃうと、元の部分と違うすぎてしまうので
ヒビや欠けは消しつつ、元の木目をできる限り生かして
いかにうまく馴染ませるか、試行錯誤を続けています。


写真だとイマイチ成果がわかりませんが、これで一応おおざっぱな整形、修正は完了。
このあと、細かくペーパーやカッターを駆使して細部を仕上げて
塗装に移りたいと思っています。
なんか調べて行くと、木目を再現する塗料も最近はいろいろ出回っているみたいですね。
まずは東急ハンズにでも行ってみることにしましょうか(笑)。

……ということで、これで今年のモータープレスのアップは一応おしまい。仕事納めであります。

今年も皆さんのご協力で、2度の海外取材を含め、いろいろな場所にお邪魔して
いろいろなクルマや、様々な方々にお会いすることができました。
特に下半期は、JAPAN LOTUS DAYやTeam Ikuzawa 911プロジェクトなどに
携わらせていただき、非常に濃ゆい1年を過ごさせていただきました。
ありがとうございます。

個人的には、いろいろなことが “決まらない” 1年で若干ストレスも溜まりましたが
来年は10月にもてぎでホンダ・スポーツ一族生誕50周年イベント
控えていますからね。また色々と楽しい1年になりそうです。

ということで、皆さん良いお年をお迎えください。
また来年お会いしましょう!

ではでは。






2012.12.27 Thursday

LOTUS 23 BMW

 


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極個人的な自動車偏愛日記



こんばんは。
今月もいろいろお仕事をさせていただいたのですが
その中で見つけた珍しい写真をご紹介しましょう。

Photo:BMW AG.

なんと本国BMWの広報写真アーカイブから見つけ出したロータス23の写真。
詳細の類いが一切書かれていなかったのですが、珍しいロータス23BMWのショットです。
背景を見ると、シーブリングのように見えるのですが、23研究のバイブルといえる
 Lotus History 1962-1966 THE HISTORY OF THE LOTUS23 (Graham Capel著)
を見ても、1960年代のシーブリング12時間等のリストを見ても
それらしき個体は見つかりませんでした。

しかもさっきBMWの広報サイトにアクセスしたら、知らない間にこの写真自体が
削除されてしまっているようで、まったくもって手がかりなし。
うーん……よーく見ると、背景のトラックや人々の服装はヨーロッパっぽい気もしますね。
どなたか分かったら教えてください。

Photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

ちなみにBMW1800や2000系の4気筒ユニットを搭載した
ロータス23BMWって、当時からけっこう活躍しているのですよね。
これは2011年のグッドウッド・リバイバルに出場していた個体。
今年のジャパン・ロータス・デイに来ていたのと同じクルマですよね?

この他に、クリス・ウィリアムズのロータス-ブラバムBMWなんてクルマ
(23をベースにブラバムのパーツを使用)もあるんですよね。


なんでそんな写真を見つけたのかというと
佐藤久実さんが参加されたBMW M社 生誕40周年イベントの記事の
編集をお手伝いさせていただいたから。

そのときに、久しぶりに本国BMWの広報写真アーカイブを覗いたのでした。
たまには覗いてみるもんです(笑)。


ちなみにニュルで行われたMの40周年。
歴代モデルを試乗できたほか(羨ましい!)
マルク・スレールの乗るBMW 320i Gr.5の同乗走行なんかもできたのだとか(羨ましい!)。
うーむ。来年のホンダ・エスの50周年イベントもそれに負けないように
がんばらねばなりますまい(笑)。

そういえば、HONDA SPORTS 50th Anniversary のフェイスブック公式ページが
オープンしました。FBに登録していなくてもアクセスすることができます。
イベントの詳細が順次アップされていく予定なので、こちらの方も
宜しくお願いします。



そうそう。この他にも、モーターファン別冊インポートシリーズ
プジョー208のすべて(三栄書房 刊) のヒストリーページも書かせていただきました。
我らが新井一樹先輩が書かれたプジョーミュージアムの記事は見物です。

さぁ、今年もそろそろ終わりですね。
よーーっし、もう少しがんばるぞー!

ではでは





2012.12.26 Wednesday

HONDA S600 COUPEのウッドステアリングのレストア その1

 


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ご無沙汰でございます。
なんかここ数日はバタバタでしたね。はい。

ところで、皆さんのもとにはサンタさんがやってきましたか?


ウチなんか朝起きてみたら枕元に、サンタさんが
エスロクのウッドステアリングに修正用のウッドパテを盛って置いておいてくれました。
ヤッターーーーーーーーーーー!!


……ウソです。

実は徹夜の校了明けに眠い目をこすりながら、クソ寒い中で
軽くペーパーをかけながら水洗い。

表面にこびりついた、汚れやニスを落としたうえで
それから、3日3晩、じーーーーーっくり乾燥させたあと
大きく破損しているところには、木っ端を切って当てたりしながら
エポキシ系のウッドパテで整形。
さらに2日ほどじっくり乾燥させたのでした。

結局、今年もサンタさんは何もくれなかったなぁ(涙)。

ということで、これから不定期ながら
先日ご紹介したキョー山中から譲ってもらったホンダS600用の
純正ウッドステアリングのレストアの模様をお送りして行きたいと思います。


さて、まずはこれが、現状のウッドステアリングの惨状。
リム自体はしっかりしているのですが、ウッドは力が掛かるところを中心に
あちこちが欠けたり、ヒビ割れたりしている状況。

当初パパッと洗って乾かして、ニスでも塗ったらなんとかなるかな?
と思っていたのですが、どーやらそう簡単にはいかなそうです。


そこでいろんなウッドステアリングの修復方法を調べた結果、
エポキシパテで全体を補強しながら、整形する方法を選んだ次第。
他にも色々な修正方法があるかもしれませんが、全体的にヒビ割れている
状況だったので、今後の強度を考えると、エポキシで固めてあげた方が
良いのではないか? と判断した次第。

まぁ、中にはこのステアリングを分解して、リムを修正、
さらには周りのウッドも新規に近い状態で再生されている
ツワモノもいらっしゃいますが、そこまですると、いったいいつ完成するのか
分からなくなりそうなので、ちょっとお手軽な方法にしてみました。

この後、耐水ペーパーで整形をしつつ、何度か修正を施していきます。
その後に、表面処理をしたあとで、色合わせをする……といった段取りの予定。

果たして次回はいつ?

ではでは。



2012.12.20 Thursday

Bentley "SPEED" Lunch

 


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昨日はお昼から、ベントレー・モーターズ・ジャパンさんのお誘いで
キャピトル東急で行われたBentley "SPEED" Lunchにお邪魔してきました。


ランチといっても、ただ食事をして帰ってくる……のではなく、これも立派なお仕事。
各界のメディア、ジャーナリストを集め、ベントレー・モーターズ・ジャパンの
ティム・マッキンレイ代表の挨拶から始まりました。

なんでも今年のベントレーは前年比80%という好調なセールスを達成したのだとか。
確かにコンチネンタルV8の投入などのニュースも多かったとはいえ、これはスゴい。
まぁ、都内じゃよくベントレーの姿を見かけますもんね。


で、会の名称に“SPEED”と付くことからもお察しのとおり、この日の主役はコレ。
新たにモデルチェンジを果たした、ベントレー・コンチネンタルGTスピードです。

先代のコンチネンタルに“スピード”モデルが加わったとき
最高出力610psというスペックにのけぞったものですが(笑)、
今回のGTスピードはなんと625ps & 800Nm(!)。
もちろんナンセンスを承知で書きますが、610psといったら
1989年のロータス101に搭載されたジャッドCV V8ユニットと同じ出力です。はい。


さて、ランチの途中には
第22回日本ゴールドディスク大賞ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを
獲得したサックス・プレイヤー、矢野沙織さんのライブが行われたりして
それはそれは華やかな時間を過ごさせていただきました。

が、このBentley "SPEED" Lunchには、もうひとつのトピックがあったのです。


それがコレ。
この日のメニューには、1928年のル・マン24時間レースで
ウォルフ・バーバード/バーナード・ルービン組が優勝を果たしたときに
ロンドンのサヴォイ・ホテルで行われた祝勝会で振る舞われた
" LE MANS VICTORY DINNER" を再現するという
なんとも粋な演出が施されていたのでした。

この各席におかれたメニュー表はまさにそのときのコピー。
もちろん、ちゃんと大事に持ち帰ってきました(笑)。


こちらはそのメニューの中の一品。
CHICKEN IN CASSEROLE   SALAD
チキンのキャセロール蒸し フレッシュサラダ添え。
いやはや、無論美味しゅうございました。

©Bentley Motors

このサヴィイ・ホテルでの祝勝会というのは、
当時のベントレー・ボーイズにとっての恒例行事。

例えば、この1927年のル・マン・ウィナーである
Dr. J.ダドリー・ベンジャーフィールド/サミー・デーヴィス組の
ベントレー3リッターの有名な写真もそのひとつ。

まさにその年の祝勝会のために
サヴォイ・ホテルに搬入される時の貴重なショットなのです。

©Bentley Motors

今回は1928年の祝勝会の再現ということでしたが
その年に優勝を果たしたのは、バーナード/ルービン組の
4 1/2リッター通称“オールド・マザー・ガン”。

前年のル・マンにワークスの一角としてクレメント/カリンガム組とともに
出場し、ファステストラップを記録しながら序盤トップを快走するも
メゾン・ブランシュで大クラッシュを演じた個体で
奇跡の修復劇を経て28年のル・マンに出場、見事優勝を飾ったという
ベントレー史に残る1台。

埼玉県加須市のワクイ・ミュージアムに実車そのものが展示されていたので
ご覧になった方も多いことでしょう。

photo:前田恵介

ちなみに、サヴォイ・ホテルでの祝勝会は2003年にベントレー・スピード8が
優勝したときも、ちゃんと行われているのです。

これはその当時、マシーン開発を担当した
R.T.N.(レーシング・テクノロジー・ノーフォーク)の役員として
スピード8の統括責任者を務めていた鮒子田寛さんが、今も大事に保管している
ディナーパーティーの招待状。

その表紙は、1927年の祝勝会の招待状を模したもので、
2003年に優勝したリカルド・カペッロ、トム・クリステンセン、ガイ・スミスのほか、
2位入賞のマーク・ブランデル、デイビッド・ブラバム、ジョニー・ハーバート
といったドライバーのほか、ベントレーCEOだったドクター・ペフゲンのサインが
収められているという、貴重なものです。

ということで、とにもかくにも
エンスー心をクチュクチュとくすぐってくれる
素晴らしいランチ&発表会でありました。

ではでは。


2012.12.19 Wednesday

ORIGINAL 70s SIMCA RACING TEAM “SRT” OFFICIAL JACKET

 


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こんばんは。
今日は深夜のモータープレスです。

昼間あったネタは明日にお届けすることとして
今日はまたまたOvertakers  の回し者(笑)としてお送りします。


今回のネタはコレ!
先日ご紹介した、'60〜'70s のエルフ・ワークスコートが話題
(ここで紹介したら、あっと言う間にSOLD OUTになってしまった!)に
なりましたが、またまた中村君がスゴいものを出品しています。

これまでシムカ好きを自負しておりましたが、これは初めて見ました。


背後はこんな感じ。
OvertakersのHPでも書かれていますが、確かにこうしてみると
ラリー2や、ラリー3のようなグラフィックにも見えます。
襟元にはフードが収納されているそうですよ。


そして胸にはシムカ・レーシング・ティームのロゴの刺繍が。

これまた悶絶モノのレアアイテムですね。
少なくともシムカ・オーナーは必須です(笑)。

……と、このラリージャケットもオススメなのですが
さらにオススメなのが、このジャケットを紹介するOvertakersの公式オンラインショップ
Horizon BlueのHP! な、な、なんと1978年にクレルモンフェランを舞台に
開催されたシムカ・ラリーのワンメイクレースの超貴重なカラー動画がアップされてます。
よくもまぁ、こんなスゴい映像を見つけたもんだ! と興奮する事確実。

公道ヒルクライムはあるわ、ダートトラックはあるわ、サーキットレースはあるわ
なんだかよく分からないレースではありますが、これを見ると
無性にラリー2(またはラリー3)が欲しくなります(笑)。

ではでは。



2012.12.18 Tuesday

Classic Team Lotus Calendar

 



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16日のこと。

ピンポーン!
お? エアメールの配達??
……と、封書を開けてみてみたら……。


Classic Team Lotus 代表のクライブ・チャップマンから
2013年のCTLカレンダーが送られてきたのでした。


毎年、世界中のCTLメンバーに対して送られるこのカレンダー。
もちろん販売もしております。(今回国内入荷は少なかったのでお早めに)

そこに彩られるビジュアルは、2012年のCTLの活動を中心にしたもの。
といっても今年は、1月のAutosport International から、
モナコ・ヒストリックでのタイプ25の初優勝、
さらにロータス・イヤーとなったグッドウッドFOS、1−2フィニッシュを飾った
グッドウッド・リバイバルなどなど、話題が盛りだくさんでしたからね。

確かに例年以上に濃い内容になってます。


実はクライブ本人から、「今年のカレンダー用にキミの撮った写真使いたいんだけど」
と連絡を受けていたのですが、しっかりとクレジット付きで使われてましたね。(右下)
おおーーーーー! うれちいぃ〜〜〜〜〜〜〜〜!! ありがとう。

ちなみに我らがコウゾウさんの写真も2点使われておりました。
もうすっかりCTLオフィシャルカメラマンンって感じです、コウゾウさん。


そんな自慢話はともかく(笑)。
今年で生誕50周年を迎えたエランの貴重な写真が1カット収録されています。

これはチェシャント(こういう発音に聞こえる)時代のロータス・カーズで
組み立てられるエランの貴重な写真。
奥にクーペの姿がちょろっと見えるのを思うと、S2時代のものと思われます。
まぁそのあたりは現物でよーーくご確認を(笑)。

© Ford Motor Company


そして今にして思えば、このカレンダーが届いた12月16日は
ロータスの創始者である、コーリン・チャップマンの命日でもありました。

1982年に突然の心臓発作で急逝してから30年。
もうそんな月日が経ってしまったのですね……。

一方で来年は、ジム・クラークとティーム・ロータスが
F1のワールドタイトルを獲得してから記念すべき50周年を迎える
メモリアルイヤーですから、また色んな催しが行われるのではないでしょうか?
楽しみであります。

ではでは。





2012.12.17 Monday

「決勝前夜 」・奇跡の40時間

 


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週末の15日(土曜日)、新宿でカメラマンの原富治雄さんが主催する
原さんが主催するトークショー『Racing Boys 同走会』の第3回目が開催されました。


この日のゲストは長谷見昌弘さんと、解良喜久雄さん。このMPでもお馴染みのお二人です。
MCは、原さんと、ジャーナリストの大串信さん。
そして今回のテーマは「決勝前夜」・奇跡の40時間
……と聞けば、皆さんおわかりですよね!

photo:原 富治雄

そう。1976年10月22〜24日にかけて、富士スピードウェイで行われた
'76 F1世界選手権イン・ジャパンに参戦した、コジマ・エンジニアリングのお話であります。

日本で初めて開催されたF1公式戦にワイルドカードで参加した
国産プライベーターの活躍は皆さんご存知の通り。
小野昌朗さん、解良さんの設計製作による富士スペシャルのKE007が
長谷見さんのドライブで、金曜午前のセッション1でハント、ラウダ、パーチェに次ぐ
総合4位に入り、世界中を驚かせたのは有名ですよね。


今回はその舞台裏を長谷見さん自らが解説。
コジマF1の物語は、これまで多くのメディアによって取り上げられていますが、
小嶋松久さんに誘われた経緯、小野さんに「富士に合った無難なマシーンを作ってくれ」
リクエストした話、そして鈴鹿でのシェイクダウンの時点で、すごくバランスの取れた
素性の良いマシーンであると確信していたこと、金曜に4番時計を叩きだしたあと
急遽外国のプレス向けの記者会見をさせられたことなど、
いろんなエピソードが披露されました。

その中で個人的に興味深かったのが、
当時、KE007の新機軸としてスポットを浴びていた
カヤバ製のガス室分離式ダンパー(元スズキのモトクロスライダーであった
小嶋氏のバイクコネクションで採用されたものだったそうだ)が、
最初のテストで装着していたコニに比べ性能的に劣るものだったという話。

反面、ダンロップのタイヤはグリップが高くて最高で
それゆえにフロントサスに負荷がかかり折れたのでは? という話もありました。

この他にも、本当に沢山のエピソードが聞けたのですが
もしあのクラッシュが無くてPPを獲れたとしても
決勝はドライであれ、ウエットであれ、グリップは良いけれどライフの短い
ダンロップだったら入賞も難しかったのでは? ということで
解良さんとも意見が一致しておりましたね。


一方、解良さんは立ち上げ時からKE007に携わった立場ならではの
エピソードを披露(実は長谷見さんと同じ場でKE時代の話をするのは初めてだそう!)。

英国武者修行時代に、黒沢元治さんからの紹介でKEに参画することになったこと。
KE007で採用された特徴的なフルフローターサスペンションが、
のちにスズキのバイク(1980年)に採用されたことなども披露。
さきほどのカヤバの話でも書きましたが、
意外とKE007とスズキの関係が深かった
(KEの成り立ちを思えば当然ですが)というのは意外でしたね。

また、鈴鹿のシェイクダウン後に操縦性の向上を狙い
ロングホイールベース化した際、同じDFVを積むローラT280のリアセクションを
流用したなんて面白い話もありました。

この他に40時間の修復劇のあと、パドックの三菱のスタンドでガソリンを入れたら
どこからか、ポタポタと漏れて濡れた路面に波紋が広がり、慌てて足で消した……
なんていう、今だから話せる暴露話も!

今回この会場にいらした方は、かなりラッキーだったと思います(笑)。



また飛び入り参加のゲストも多数。
元カーグラフィック編集長の阪和明さんは、駆け出しの編集者だった
当時、KEが運び込まれた近藤ガレージの様子などを話してくださいました。


さらに現役のウィリアムズF1ティームのメカニックである白幡勝広さんも登場。
実は白幡さんは、渡英前はハセミモータースポーツでメカを務めていた経歴の持ち主。
急遽、子弟対談も実現しました。


……と、ここには書ききれないほど中身の濃い充実したトークショーだったのですが
そんな会場にさらっと陳列されていたお宝がコレ。
当時ハセミ・エンタープライズで製作したという、KEのステッカーやアイロンプリント。
なんと、長谷見さんのご自宅に保管されていたデッドストック品なんだそう。


トークショーの最後には、原さんの写真プリントとともに
この貴重なアイロンプリント(昔Tシャツにプリントするのが流行ましたよね?)も
オークションにかけられました。落札できた人はラッキーでしたねぇ。

というわけで、予定されていた2時間ほどのイベントはあっという間に終了。
次回は来年春頃を予定しているとのことで、今から楽しみであります。

ではでは。




2012.12.14 Friday

HONDA SPORTS 50th Anniversary!

 

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まずはニュースです。
ちょっと気が早いかもしれませんが、来年2013年10月13~14日に
ツインリンクもてぎを舞台に、ホンダ・エスの生誕50周年を祝うイベントが開催されます!

まぁ厳密にエスの原初をどこにするか? という話になると、
これまた色々ややこしい話になりますよね(笑)。
確かにそのオリジンたるS360/S500がお披露目されたのは、
1962年10月の第9回全日本自動車ショーですが
生産型S500が発表されたのは1963年10月なので、
2013年をもって50周年という言い方でいいのだと思います。


イベントの詳細は、追って実行委員会からアナウンスされる予定ですが
国内各クラブの枠を越えるのはもちろん、海外のクラブやファンにも発信できる
50周年に相応しいイベントになる予定(僕も末端でお手伝いさせてもらってます)。

考えてみれば、今秋の鈴鹿50周年を発端として
これから様々な日本車たちが50周年を迎えることになります。
いわば、日本の“旧車黄金期”。確かに日本には自動車文化がない……などと
嘆かれてきましたが、僕個人としてはこれから漸く日本の自動車史を
世界に発信できるタイミングが来るのだと思っています!

……ということは、我が屋のガレージで冬眠中? のエスロク君も
そろそろ出番ということですよね?
ええ、もちろん分かってますとも。その証拠にチョロチョロ動き始めていたのですが
そんな昨日の夜、ついに念願のブツが到着しました……。


うっ、キターーーーーーーーーーッ!
これを見てピコーンと来た貴方は鋭い! そう。ホンダS600の
オリジナル・ウッドステアリングです。

エスというと、ジュラルミンを打ち抜いたフレームに
クルミの木のリムをサンドイッチしたフタバラケット製の繊細で美しい
ステアリングが有名ですが、フタバラケット製が使用されるのは
S500からS600の初期まで。
狭山工場で生産されたモデル(つまりウチのクーペを含む)からは
鋳造製フレームを持つウッドステアリングに変わるのだそうです。
(なんでも、聞けばもっと種類が細分化されるという話もありますが)


これまでウチのエスロク君にはなぜか、S800リジッド以降に使われた
樹脂製の純正ステアリングが付いていたので、ずっとずっとオリジナルのウッドに
戻したい! と思っていたのでした。

そんな話を前オーナーのキョー山中さんに話したところ、
「え? どっかにあったと思うけど……」と、あっさりその願いが叶うことになったのです。
山中さん、青木屋モータースの沢田さん、ありがとうございます。


今やなかなか手に入らない(というか、あっても高すぎる)純正ウッドステアリング。
ご覧のように、ところどころ、なかなか手強そうな気配がプンプンですが
じっくりとオリジナルを損ねないようにレストアしていきたいと思ってます。


果たして、このステアリングが間に合うかどうかはハテナですが、
エスロク君はまず、昨年もお邪魔したJCCAニューイヤーミーティングに出没予定。

今年はホンダ ツイン カム クラブのブースも50周年記念に彩られるとのことですし
エス・ファンは必須。もちエス・ファンじゃなくても必須。


ちなみに今年のメインフィーチャーは『ドイツ車』(B滝さん出番です!)!!
不肖フジワラもまた、コンクール・デレガンスの審査員として
今回も参加させていただきます。どうぞ宜しくお願いします。

ご覧のように、気になる日時は2013年1月27日(日曜日)。
場所はいつもの東京お台場 青海臨時駐車場です。
ただいま、個人展示、フリーマーケット、オートジャンブル、クラブスタンドの
申し込みも絶賛受付中!! 締め切りは今月、12月21日です。


よしっ! それじゃあ、ついに重い腰をあげてエスロク君の車検でも取るか! 
……と思ったら、クリスマス・イブに ↑ この人の車検が切れるのでした(号泣)。

つーことは、このヴォグゾール・サフィーラもとい、スバル・トラヴィックが
我が家に来てから2年が経ったということなのですね!
いやー絶対壊れるよ、と皆に脅されて買ったトラヴィックですが
この2年で3万km以上を走破したにも関わらず、前後ブレーキパッドと
タイヤを交換した以外は、いっさいまったく何のトラブルなし。
(というか、換えたのも消耗品だし)

後期型なら大丈夫です! と太鼓判を押してくれた
世田谷のトラヴィック専門店(なんとコアな!)
ラディカルオートカーセールスさんの言う通り、とってもいい子でした。

うーん、でもさすがにモータープレス的にはトラヴィックの車検が切れちゃうと
商売あがったりだからなー。やっぱエスロク君の車検はお預けなのかなぁ……。トホホ。

ではでは。




2012.12.13 Thursday

GOODWOOD REVIVAL MEETING 2012 DVD

 

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こんばんは。
世間はすっかり師走モードですね。
しかしながら、いまいち曜日の感覚がなくて
我々の業界が、恒例の年末進行に突入中で大騒ぎなのに昨日気づきました。
今月はいつも以上に厳しいです。ま、自業自得と言いますが。


そんな中、今年もグッドウッド・リバイバル・ミーティングの
オフィシャルDVDが発売されました!
確かにこれが出ると、1年も終わりだなーって実感しますね。

個人的に、行こう行こうと思っていたのに行けなかった分
若干のジェラシーはありますが、やっぱ後学のために買っとかないと(笑)。
ちなみに僕はいつものように代官山蔦屋書店で買いました。
定価は5880円。あれ? ちょっと高くなったんじゃない??
と思ったのですが、中身を見て納得。

前回の2011年から、ついに2枚組になったリバイバルのDVDですが
今年のは去年のを上回るコンテンツがギッシリ。
ボーナストラックも含めて見ようと思ったら、かなりの覚悟が必要です(笑)。

photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

なんといってもロータス・ファン的には、CTLのロータス25が
グローバー・トロフィーで1-2フィニッシュを飾った記念すべき回ですからね。
マストバイです。

僕もこのDVDではじめてレースの模様を見たんですが
今年はグローバー・トロフィーに限らず、いろんなカテゴリーで
コンペティティブなレースが繰り広げられていたのですね
(まぁ、その分クラッシュやコースアウトも例年以上に多かった気がしますが)。

先日の来日時に本人から聞いてはいたものの、個人的には
ロータス25R5のニックさんの見事なスタートダッシュに惚れました(笑)。
普段はニコニコと穏やかなニックさんですが、実はその昔、
中国にいた時にバイクの250ccクラスのチャンピオンに輝いたこともあるという
生粋のレース人間なのだそう。どおりで上手いわけだわ。




photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

いま、改めて写真を見て気づいたのですが、優勝したアンディ・ミドルハーストの
25R4に比べて、ニック(ゼッケンが29=ニックなのに気づきました?)のR5の方が
ロールバーの高さが低いんですね。安全性云々はともかく、
やっぱロールバーは低い方がカッコいいな。

photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

ちなみにこのレースには、先日のJAPAN LOTUS DAYにも来日した
CTLのファイター、ダン・コリンズもロータス21で出場。
あんまり書くとネタバレになりますが、DVDにはもちろんダンさんの勇姿も映ってます。

photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

なにはともあれ、詳しくはDVDを見ていただきたいのですが
ニックの25と終始バトルを繰り広げた、マーク・パーシーのローラMk4クライマックスの
速さ(というか上手さ)も印象的でしたね。
いずれにしろ、1961年以降の1.5リッターF1が26台も集まって
レースしちゃう本場の迫力に圧倒されます。

ということで、ちょっと時季外れではありますが
折をみて今年のリバイバルの写真も紹介していこうと思っております。はい。


ちなみに今日のメインカットにチラ映りしていたのは
スパーク製の1/18 ロータス25。
ゼッケン8番は、1963年のイタリアGPで優勝したジム・クラークの25R4ですね。
このレースの優勝で、クラークとティーム・ロータスは
初のワールドタイトルを獲得するのであります。

ということは、来年は記念すべき50周年ということですねぇ。


確かこのスパークの完成品は昨年の静岡ホビーショーで見たのが初めてだと思うんだけれど
その質感といい、仕上げっぷりといい、こんなモノが1/18の完成品で手に入るなんて
すごい世の中になったものですね。
タミヤの1/20をこのレベルで仕上げる自信ないもの。

photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

実はこの25、友情の証? にニックさんが僕にプレゼントしてくれたもの。
ありがとうニックさん!

ではでは。



2012.12.12 Wednesday

R.I.P. Dr Alex Moulton

 


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すでに様々なメディアに訃報が載っていますが、12月9日に
サー・アレックス・モールトン博士がお亡くなりになりました。享年92。


© BMW AG.

モールトン博士と言えば、世界初の液体を媒介とする
前後関連サスペンションシステム「ハイドロラスティック・サスペンション」の
生みの親であり、小型車ミニのための省スペースバネ
「ラバーコーン」を生み出すなど、数々の功績を残したエンジニアであります。

その後、スエズ危機を発端に自転車の開発に没頭。
1962年にアレックス・モールトン・バイシクルズを立ち上げ
画期的な小径タイヤ&ラバーコーンサスをもつ自転車を生み出したのはご存知のとおり。

そんなモールトン博士の詳細に関しては、長年に渡ってモールトン博士との
親交があったジャーナリスト、ジャック山口こと山口京一さんのブログに書かれています。
(なんてったって、モールトンバイシクルとの初遭遇が、1963年にグッドウッドサーキットで行われたロンドン・モーターショー・テストデーだと仰るんですから! )


ちなみに1962年に開発されたモールトン・バイシクルは、
発売されるや否や爆発的なヒットを記録し、モールトンの自邸兼工場であった
“ザ・ホール”での生産が追いつかなくなり、一時期BMCのKirkby工場で
生産されていたこともあるという、英車好きの琴線をくすぐる自転車でもあるのです。

僕も何回か、長野にある英国車パーツ&ヴィンテージ自転車のスペシャルショップ
Office 403の塩見さんに、ヴィンテージ・モールトンを見せていただいて
初期のFフレームのモデルの購入を真剣に考えた(いまでも諦めたわけじゃないですぜ)
過去があります。それだけに今回の訃報は残念ですね。


そんなヴィンテージ・モールトンのバイブルといえる本がこれ。
長らく絶版になっていた、幻の名著だったのですが、
嬉しい事に近年(といっても2〜3年前)に突如再販(しかも増ページされて)されています。
日本だと、代官山の蔦屋書店(リンドバーグ)で購入できます。
僕もそこで買いました(笑)。


元々、この本の存在を教えてくれたのは、Office 403の塩見さん。
「モールトン知りたいなら、この本しかないです!」と。

そこまで塩見さんが言い切る理由はただひとつ。
この本にはヴィンテージ・モールトンの全てが
事細かに書かれているだけではなく
それぞれのモデルのサイドビューの美しいイラストや、当時の広告、記事が
実にキレイなレイアウトで収納されているのです!


さらに巻末にはメンテナンスガイドなどの情報に加え、
当時のオプションパーツなどのパーツリストも網羅。
なんか萌えません? 萌えますよね??


個人的に気に入っているのは、Fフレーム・モールトンの弟分として
1966年に登場したモールトン・ミニの広告。
なんとジャック・ブラバム御大と、ジェフ・ブラバムが登場しているのです!

このモールトン・ミニは折り畳んでADO16のラゲッジルームに
仕舞えるというのもウリのひとつでした。


……と、駄文を書き連ねましたが、ミニ・オーナーの端くれとして
モールトン博士のご冥福をお祈りいたします。

なんかまたモールトン欲しくなってきたかも(笑)。

ではでは。




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