2013.03.29 Friday

LOTUS 25 & 33

 


Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



こんにちは。
昨今、各方面から“ロータスの魂を忘れた男”と呼ばれておりますが(笑)、
今年2013年はロータスにとっては記念すべきプレミアムイヤーであります。

©LOTUS CARS

そう。今から50年前の1963年。
ロータス25を駆るジム・クラークが初のワールドチャンピオンに輝き
ティーム・ロータスにも初めてのコンストラクターズ・タイトルをもたらしたのです。
(写真はタイトルを確定した63年のイタリアGPの様子)


そんな折。深夜の原稿書きに悩みまくってネットを徘徊していたら
青山のエンスー自動車書店としてお馴染み、”ロンバルディ”のHPで
こんなものを見つけてしまいました。

『LOTUS――25&33』(John Tipler著 SUTTON PUBLISHING刊)

2001年に発行された本書は、ロータス25&33研究には欠かせない1冊。
ただ、絶版になって久しく、現在は入手難。
25絡みでお会いする皆さん全員に、「あの本は持ってるよね?」といわれ
非常に悔しい思い(笑)をしてきた、(僕にとって)幻の1冊だったのです。

ロンバルディのHPを見ると、当然在庫1冊。
その文字をみた瞬間、右手が無意識にカチリとクリックしていたのは言うまでもありません。

やっぱこういう奇跡的な出会いがあるから、深夜のネット徘徊は止められません。
ただ、その副作用としてロンバルディのHPを見てると
あれも欲しい、これも買っておきたいと、物欲の鬼に化してしまう恐れもありますが……。


さて、まだ手元に届いたばかりなので、じっくりと読んでおりませんが
パラパラパラ〜と眺めてみただけでも
そこに掲載されている写真(カラーも多い)と情報量に卒倒。
そもそも序文を故トレヴァー・テイラーが書いている時点で泣けますが
現役当時の25や33の写真を色々見ているだけでも楽しめます。
(中には、モナコGPで海に落ちたポール・ホーキンスの25/R8を
 引き上げる写真なんて珍しい写真も多いです)

デビューした62年シーズンから、タイトルを獲った63年シーズンにかけての
25自体の変遷も良く分かって、非常に興味深いです。はい。


さらに巻末には、シャシーナンバー別の戦歴一覧も完備。
うーん、こういうの見ると興奮します(笑)。

photo:Kozo Fujiwara(B-Rev)

とりあえず、今抱えている原稿が落ち着いたらゆっくり読んでみたいですね。
それを踏まえて、改めて現存する25/R4と25/R5を見たら面白いだろうなぁ。
となると、やっぱ秋のリバイバルにもいかないとなぁ。なんて。

ではよい週末を。



2013.03.28 Thursday

いよいよ、イベントシーズン開幕ですね!

 
Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記

こんにちは。
ここ数日、暖かかったり、寒かったりイマイチ気候が安定しませんが
いよいよ各地でヒストリックカーイベントが開催される季節になりましたね。
今回はその中の一部をご紹介します。


まずは4月20日〜21日に長野県の小海町を起点に行われる
ヒストリックカー・レギュラリティランの老舗、コッパ・ディ小海。
やはり日本でイタリアの虫、フランスの妖精たちを姿を見たいといえば、小海ですね。

日時:4月20日(土)・21日(日)
場所:長野県南佐久郡小海町松原湖高原 小海リゾートシティー・リエックス
※詳しくは公式HPをご覧ください。


ただ、この週末は悩ましいことに、英国ヒストリックカーのレギュラリティランである
ブリティッシュ・クラシック・マラソンも愛知県岡崎市を起点に開催されます。
しかも今回は20周年のメモリアルイベント! う〜ん身体が2つ欲しい。

日時:4月20日(土)・21日(日)
場所:愛知県岡崎市〜
詳しくは公式HPをご覧ください。


そして4月29日(祝)は、これまた恒例のJAPAN MINI DAY in 筑波。
こちらでは、お馴染み葉巻型ヒストリック・フォーミュラカーによるレース
HFR FORMULA CUPが開催されます。
先日の鈴鹿で行われたファン感謝デーでのデモレースも
盛り上がったようですから、要注目です!

日時:4月29日(月・祝日)
場所:茨城県 筑波サーキット
詳しくは公式HPHFRはコチラ)をご覧ください。


さらにゴールデンウィーク真っただ中の5月4日(祝)には
千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで、2回目となるFESTIVAL OF SIDEWAY TROPHY
が開催されます! 昨年11月に開催されて、大反響を巻き起こした
日本初のドレスコード付き、ヒストリック2&4イベントです。
なんでも生沢さんのエントリーも決定したそうですから、そちらも注目。

日時: 5月4日(土・祝日)
場所:千葉県 袖ケ浦フォレストレースウェイ
 詳しくは公式HPをご覧ください。


また5月18日(土)〜19日(日)にかけては
6回目を迎えるLOTUS ELAN TOURING も開催されます。
今回の舞台は箱根! これまた沢山のエランが集まること請け合いです。

6th LOTUS ELAN Touring in HAKONE
日時: 5月18日(土)〜19日(日)
場所:静岡県 富士〜神奈川県 箱根方面 18日午後に大磯ロングビーチでジムカーナ開催
■問い合わせ先
ロータスエランツーリング事務局  担当 内野
e-mail:noriaki_uchino@uchino-ss.co.jp                

(クリックすると拡大します)

最後にご紹介するのは、北海道札幌市にあるイタフラ系のエンスーショップとして
有名なK.I.モービルが主催する初めての本格的ヒストリックカー・ミーティング。
K.I.MOBILE 沼津ミーティング。日時は5月18日〜19日(また被った!!)
これは同社がこれまで販売してきた、かなりカルトな(失礼)ヒストリックカーが
一同に会する場所を! という珍しいスタイルのミーティングです。

■K.I.MOBILE 沼津ミーティング
日時:5月18日(土)/19(日)
※18日は前夜祭、19日がメインイベント
場所:静岡県沼津市宮本8-27 ニューウェルサンピア沼津 
 詳しくは公式HPをご覧ください。
2013.03.27 Wednesday

ドイツ通信2013 その6

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは、ドイツ通信です。
そろそろ皆さん飽きましたか?
さぁ、今日もレトロクラシックスの会場からお送りします。


別にレトロクラシックスに限りませんが、この手のイベントにつきものなのが
出展されている”紙もの”ショップの皆さん。
このイベントにも、古雑誌、書籍、カタログ、チラシ、ポスターなどなど
これでもか! というくらいのストックを誇るショップが出展していました。


それも1件や2件どころの騒ぎではなく……。
なので1件ずつ、何が置いてあるかを網羅するのは不可能。
嗅覚の勝負になります(笑)。


そんな数ある書店の中で、僕が思わず刺さったのがこの本。

『Die 3=6 Monza Story』(Klaus Jansen-Diekmann著)

なんと、DKW 3=6 MONZA にだけ的を絞ったという、超、超カルト本。
3=6モンザ研究家(?) のKlaus Jansen-Diekmann氏が1994年に出版した
ページ数112Pのオールモノクロ本。
おそらく自費出版かなにかだと思うのですが、平綴じでなかなか上質な製本。
……なんてことはさておき、スゴいのはその中身。

DKW 3=6モンザは、DKWのワークスドライバーであった
グンター・アーレンとアルブレヒト・ヴォルフ・マンツェルのために製作された
スペシャルが、1956年にモンザで行われたスピードトライアルにおいて
1100cc以下のクラスで5つの世界記録を打ち立てたのを記念して
1957年から60年までに230台ほど作られたスポーツカーなのですが……。


そのきっかけとなった、1956年のスピードトライアルの時の写真はもちろん
ボッシュが製作した当時のレポート記事も全部載っている(ドイツ語ですが……)!


さらに、DKWの工場で生産(ほぼ手作りといった感じですね)されている時の様子も収録。
FRP製のボディを製作している工程も細かく写真が載ってますし
プロトタイプのテストの様子なんかも写ってる。


この他にも、新車時の貴重なディテール写真やスペックなど
おそらく考えうる最大級の情報が詰め込まれています。


そしてトドメがこれ。
なんと巻末に、2種類の3=6モンザの復刻版カタログがオマケでついているのです。
いやーこんな本、ドイツ以外で発売されるなんてあり得ない!
思わず、店頭で「うぉぉぉー! こ、これはーーーっ!!」と発狂。
一緒にいたジャーナリストの河村康彦さんが、その異様な光景に恐れおののき
退散されてからも、暫く買うべきか買わざるべきか悩みましたが
おそらくこれを逃したら、もう一生3=6モンザの資料に出会うことはないかも
(実際店頭にもこれ1冊しかなかった)という不安感と
隣りにいたドイツ人の爺様が興味深そうにコチラを覗き込む危機感から買ってしまいました。
ちなみにお値段は25ユーロ。果たして高いのか安いかさえ分かりません。

でもいいんです。だって……


2011年のモータープレス流行語大賞に輝いた『ソリチュード・リバイバル』で
見かけていらい、ずーっと、ずーーーーっと気になっていた
DKW 3=6モンザの資料を手に入れたのですから。


これで、どのメディアからDKW 3=6モンザ巻頭大特集のオファーが来ても大丈夫。
安心して寝られますね。

ではでは。



2013.03.26 Tuesday

ドイツ通信2013 番外編

 

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こんにちは。
ドイツ通信の途中ですが、ここでお知らせです。
先日、訪独させていただいた模様が、本日発売の各誌に掲載されました。



まずはお馴染み、GENROQ誌(三栄書房刊)
今月のGENROQ誌はジュネーブ報告で盛りだくさん! ではありますが
個人的には野口編集長のダラーラ訪問記が面白かったですね。
(コーディネーターは我らが野口祐子女史)
いまや各カテゴリーのレーシングカーはもちろんのこと、
ブガッティ・ヴェイロンやらアルファ8Cやらを製作し、スーパーカーの世界をも
制覇しようとしている、ダラーラの野望の一端が垣間みられます。


そんなGENROQ誌で、今回のドイツ訪問記を6P担当させていただきました。
この扉カットをご覧いただければ、なんとなく状況はお察しいただけると思いますが
なんと今回のプログラムは……


ポルシェ・ミュージアムの前にズラリと並べられた歴代911を
取っ替え引っ替えしながら試乗して、ポルシェの聖地である
ヴァイザッハ研究開発センターを訪問。
な、なんとこれらの試乗車で、フェラーリで言うところのマラネロ、
ロータスでいうところのヘセル、と言うべき
ヴァイザッハのテストコースを自分でドライブする!
という、ポルシェ・ファンの皆さんから袋だたきにあいそうな
スペシャルプログラムだったのです。

たぶんマラネロやヘセルはお金を払えば誰でも走らせてもらえそうな気がしますが
これまで数多くのジャーナリストがヴァイザッハを訪れても、自身でのドライブはNG。
そんなコースを走らせてもらったのが、今回の911欲しい病発症の主原因かと思われます。
ちなみに僕がこのヴァイザッハでお供したクルマがまた……
おっと、ここからは買ってお読みください(笑)。


ちなみにお目当てだった、1965年式の911クーペには乗れなかった
(でも意地で座ってやった!)けれど、この68年式のタルガにはたっぷり乗りました。
しかし、こんなコンディションのいい、SWB&ビニールウインドーのタルガを
運転させてくれるなんて、太っ腹。さすがポルシェ。
おかげで欲しくなりました(涙)。



ちなみにこのポルシェ911 50周年プログラムに関しては
本日発売のベストカー誌(講談社ビーシー刊)でも書かせていただきました。
そして実はナニゲにベストカー初寄稿だったりします(ポッ)。
ありがとうございます。



さらに、先月のENGINE誌の大試乗会で感銘を受け、
誌面で新型レンジローバーのデキの良さに関して発狂しまくったら
各方面から、レンジローバー絡みのお仕事を沢山頂きました。多謝。

今日発売のNAVI CARS誌(ボイス・パブリケーション刊)でも
レンジの試乗コメントを書かせていただきました。
うーん、今思い出してもやっぱレンジ良いわ。
今月号、溝呂木さんのペーパークラフトも付いているのでお得です!

ということで、皆さん書店にお出かけください。
売れれば売れるほど、僕の911への道が近づきます(笑)。

ではでは。




2013.03.25 Monday

ドイツ通信2013 その5

 


Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



こんにちは。
またまたドイツ通信の続き(ネタが山ほどあるのだ)です。


以前もお伝えした、ドイツの悶絶ヒストリックカー・イベント
“レトロクラシックス2013”。おそらく日本のメディアではこれまで
紹介されたことのないイベントだと思いますので、今日はその概要をお見せしましょう。

すでに会場前の駐車スペースだけで随分とディープたった様子は
ご覧に入れましたが、その中はもっと……だったのです。


今回我々の主たる目的は、このレトロクラシックスに出展していた
ポルシェ・ミュージアムのオフィシャルブースの見学。
いやーここがね、スゴかったんですよ。一体何があったのか? については
ご覧頂けると幸いであります。


さて。ここがポルシェミュージアムのブースが出展されているフロアの全景。
なかなかスゴい規模のヒストリックカーイベントだな! と思っていたら、実は
コレは氷山の一角。なんとこのフロア×9 (!)という膨大な規模で行われていたのでした。
その展示面積は、なななななんと、幕張メッセの2倍以上! 
そこに2輪、4輪問わず、ヒストリックなモノがギッシリ。日本じゃ考えられない規模です。


そうした会場に、自動車メーカーや用品メーカーがちゃんとブースを出しているのも良い。
これはモチュールのブースに展示してあった1975年のVWゴルフ Gr.2 。
昔タミヤのプラモデルにありましたが、実物は相当カッコいいです。惚れます。


さきほどのフロアの隣りのフロア。
先ほどのフロアが戦前車〜高級車(販売もあり)を中心としたハイグレードな内容
だったのに対して、こちらは比較的身近なヒストリックカーを扱う
ショップが中心に出展しておりました。


その隣りは、フロアまるごとオールディーズのアメリカ車。
この辺りで、すでにゼェゼェと息切れが始まります。


あ? そういえばメルセデス・ワークスの姿がなかったな……と思ったら
なんとその隣りのフロアは、フロア丸ごとメルセデス。これには驚愕。


例えばココは、歴代メルセデス(戦前も含む)のブッシュやら端子やら、ケーブルやら
コイルやら、そー言った細かい細かいパーツだけを扱うショップ。
他に純正の装備品だけを扱うブースとか、ひたすらW124のレンズやシートを売るショップとか
ドイツ人のメルセデス愛に圧倒されます。


もちろん、パーツだけを扱うオートジャンブルもワンフロア。
ヤバいです。ヤバすぎです。


だって、年代物のブラウプンクト等のカーラジオはゴロゴロしてるし……。


こんな目に毒なベスパ屋さんも営業中。ほかにNSUのバイク専門店とか
アルファ・ロメオ、フィアット、BMC、オペル、BMWなどなどディープな専門店が並びます。
そういえば、なぜかロータスの専門店がなかったな。クルマもほとんどなかったし。
……ま、お陰で悲劇的な散財は免れたのですが……。


あと“ポルシェ欲しい病”が発症する前だったので、こうしたポルシェ専門店の
危険な誘惑もブロックできました(笑)。しかし、今改めて見るととても気になります。
やっぱ来年も行かなければならないのでしょうか?


個人的にはコレに刺さりました。
なんとメッサーシュミット製のミシン(!)です。しかもミントコンディション。
怖くて金額を聞けませんでしたが、飛行機の出発時間の寸前まで、「カード使えるかな?」
などと、このミシンの前をずっとウロウロしていたのはナイショです。


ではでは。





2013.03.22 Friday

今朝の出来事


Motor Press(モータープレス)
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おはようございます。
今朝起きてみると……。


普段エスロク君が止まっているガレージの前に、
謎の赤いトラックが止まっていました。

「もう! この狭い住宅街にこんなデカいトラック止めるなんて迷惑だなっ!」
と、文句のひとつでも言ってやろうと思い近づいてみると……。


ウィーン……と自動で後ろのドアが開き、オレンジ色の物体が……。


そして我が家に、シグナルオレンジに彩られた1964年式のポルシェ911
(僕の一番理想とする仕様だっ!)が無事納車されたのでした。パチパチ。


さらに、既に納車済みの73年タルガ6位のRSR2.8とパチリ。

いやー、すでにフェイスブックでは散々お騒がせしていますが、
ドイツで感染し、日本に帰国してから発症した、911欲しい症候群は日増しに悪化しています。
2L SWBのウエーバーキャブ付きで、スティールホイール&キャップ付きの
911が欲しくてたまりません。いやいや、SWB+鉄チンなら912でも良いんですっ!
そーいえば、目黒のフラット4に赤い912が入庫してたっけなぁ……と
分不相応なことを毎日妄想する始末。



そうだ! せっかく1/43が納車されたのだからと
メモ用紙に我が家のシャッター付きガレージ(幅2.5m 奥行き4.5m)の
見取り図を書いてシミュレーション。


エスロク君はもちろんですが、エラン(この個体は非現実的ですね)も無理なく入ります。


で、肝心の911。
おおー、こうして見るとやはりナローのSWBといえど、911はデカイですね。
でもちゃんと入る。
これがコーティナ・ロータスだと超ギリギリ。
EタイプやDB5は鼻先がシャッターからハミ出て、雨の日はびしょ濡れになります(涙)。

でもこれで、第一関門はクリアだな。


一応念のため……と思い、ロータス49も入れてみましたが
これまた難なく入れることができました。

朗報です。

皆さんよい週末を。ではでは。


2013.03.21 Thursday

ドイツ通信2013 その4

 


Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



ご無沙汰ぶりのドイツ通信です。
本題に入る前に、まずお見せしたい写真がコチラ。


2011年に初めてシュトゥットガルトのポルシェ・ミュージアムに行った時の画像です。
ミュージアム入り口傍のレストア工房にデデーン! と置かれていた
69年のタルガ・フローリオ・ウィナー、ミッター/シュッツ組の908/02-014。

う〜ん素晴らしい。


そしてこちらが、先日シュトゥットガルト詣でしたときに見た908/02-014。
あれ? なんか違う……。


おおー! 当時に倣ってちゃんとゼッケンナンバーが手書きされているではないですか!
なんかちょっと筆ムラがオーバーな気がしなくもないけれど、
最初の写真と見比べちゃうと、全然雰囲気が違いますね!

いやー。素晴らしい。これはモータープレス的な良いネタの収穫だな!
と、ほくそ笑んで帰ってきたのですが、昨年ミュージアムに行った時の
写真を整理していたら、すでにこの状態になっていました。無念。
人間の記憶なんてそんなものです。


しかしその一方で、いつもミュージアム展示ホールのメインスペースに鎮座し
後光を放ちまくっていた、我が愛しの1973年式ポルシェ911 カレラRSR2.8
ヘルベルト・ミュラー/ジズ・ファン・レネップ組の
'73 タルガ・フローリオ・ウィナーの姿がありませんでした(写真は昨年のもの)。

やはり911の50周年ということで、どこかに借り出されてしまったのでしょうか。


ちょっとしょげて翌日、ミュージアム横のレストア工房に行ってみたら
な、なんとRSRがバラバラになって置いてある!

ええーーーっと、よく見たらこっちはゼッケン9番じゃないですか。
となると、73年のタルガ・フローリオで3位入賞を果たした
レオ・キヌーネン/クロード・ハルディ組のRSR 2.8ということですか!
つまり、exワークスのRSR2.8が少なくとも2台
ミュージアムに存在するってことなのですね!


こちらはレストア中の室内。
メーターなんかは全部外されてしまっているので、あまり面影がありませんが
よーっく見ると5連メーターのうち、一番右側だけカバーが付いているのが分かりますね。


そして下回りに潜り込んでみると、そこにはあるべきフラット6の姿はありませんでした。
でも、このドンガラのエンジンルームの写真は、ある意味貴重かもと思いパチリ。
一体、今後なんの役に立つのかは、まったく分かりませんが思い立ったが吉日。
"明日のためにその一” であります。

でもこうしてレストアしてるってことは、きっとどこかで走らせるのでしょうね。
……あ! 7月に911イヤーを祝って開かれる、グッドウッドFOSかも!!

うーん。そうなるとやっぱ今年も行かざるを得ませんねぇ。


ではでは。


2013.03.19 Tuesday

童夢の野望

 

Motor Press(モータープレス)
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こんにちは。
もう既に皆さんご存知のことと思いますが
昨日、日本を代表するコンストラクター、株式会社童夢から
驚くべきプレスリリースが発表されました。

そしてもうひとつは、「ロードゴーイング スポーツカーの開発について」

というもの。
詳しくは、同社特別顧問の林みのるさん自らのコメントをお読みいただきたいのですが
レースカーどころか、航空宇宙をはじめとする様々な分野で活躍している
 童夢カーボン・マジックを東レに売却し、林さんの夢のひとつであり
童夢設立時の目標のひとつであった、ロードゴーイング スポーツカーの開発に
専念するという、宣言でありました。
(そういえば、童夢初のオリジナルF3000、F101のカーボンモノコック・シャシーは
    東レとの共同開発でしたね)
©DOME.,CO.LTD.

そこに描かれていたのは、
カーボンモノコック、FR、V6ユニット搭載、
2シーター、ホイールベース2700mm、全長4270mm、全幅1920mm、
車重900kg……を想定した現時点でのデザイン画。

全長より先にホイールベースの値が書かれているあたり、さすが! (失礼ながら)
と思ってしまったのですが、載せるエンジンはともかく
シャシーコンシャスなスポーツカーを作り上げたいとのこと。

©DOME.,CO.LTD.

その想いの原点のひとつとして、林さんが挙げているのが18歳の時の体験。
従兄弟の林将一さん(ハヤシレーシング代表)が作り上げた
モーリス・マイナー改のロータス・セブン・レプリカ。

以前、林さんにインタビューさせていただきた時にも、当時見たこのセブン・レプリカと
鈴鹿で見たロータス23の姿に大きな影響を受けた……というお話を聞いたことがあります。

そんな林さんのリリースの中に、ひとつ気になる一文がありました。

「このイラストはまだイメージの段階なので、
 これから、スタイリングの完成度を高めていきますが、
 基本的にはシャーシが主役のプロジェクトなので、実は、
 シャシーの機能的な美しさに最も力を注いでいます。
 目標は、どんな美しいカウルを纏っていようが、
 ガレージに戻るとカウルを外して裸のシャシーを眺めて悦に入るというくらいの
 機能美を追求していますが、こちらは、現在、レイアウトを進めている段階ですから、
 追って発表させていただきます」

©DOME.,CO.LTD.

「シャシーの機能的な美しさ」
……そこで思い出したのが、1991年の東京モーターショーで発表され
大反響を巻き起こすも、市販化には至らなかった幻のスポーツカー、ダイハツX-021 。

ダイハツの依頼を受け、童夢が設計、開発を行った
(その際のエンジニアが京都のA110フリーク松田さん!)
このライトウェイトFRスポーツは
そのシンプルな美しいボディスタイルはもとより、同時に発表された
シャシーの美しさが際立ったプロトタイプでありました。

確かに、今回のリリースや青写真を見ても、童夢 零 以来、
童夢製のスポーツカーが世の中に市販されたことはないので、
誰もピン! と来ていないのは仕方のないことかもしれません。

しかし、仕事上の特権として過去数回ドライブ(!)させていただいた、
童夢P2や、X-021は、それはそれは素晴らしく素直で痛快な
シャシー性能をもったスポーツカーでありました。
思えばP2のエンジンは日産L28だし、X-021のパワートレインは
ダイハツ・ロッキーだったんですから、林さんの仰るとおりどんなエンジンを積むか……
なんて大きなモンダイではないかもしれせん。
……そのあたりも、ロータスっぽいですね(笑)。

いずれにしろ、どういうスポーツカーになるのか
(そのモノコックはGT300のマザーシャシーになるそうですが)今から楽しみです。
その前にもう一度、P2とX-021 に乗ってみたいなぁ。
林さん、鮒子田さん、お願いします!!

ではでは。



2013.03.18 Monday

野口祐子 From Geneva 最終回

 

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こんにちは。
ミラノ在住のジャーナリスト兼スーパーコーディネーターの
野口祐子さんによる第83回ジュネーブ国際モーターショーのレポートもいよいよ最終回!
今日は舞台裏の小ネタを……。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


フェラーリと言えばランボルギーニ。ここにも人だかりが。
そう、ランボルギーニ50周年記念モデル、VENENOのお披露目。


3台限定300万ユーロとのこと。
世の中探せばこのクルマを欲しいという人、3名は居るだろう……


ただ、”ミニカー製造会社の方は大変だろうな〜、このデザインを忠実に起こすのは”
これが私の一言感想。
 
新車に関しては他でいろいろと報道されていると思うので、
私はプレスキットに関してお話をしたい。
5〜6年前まではモーターショーのプレスデイには大きな袋、
大きなキャリーバックを持って行かなければならなかった。
なぜなら、プレスキットが重いのである。
会場を回り終えるくらいには、沢山のプレスキットの山で肩、腰が痛くなる。
歩くどころではなくなる。なので、皆キャリーをゴロゴロさせながら会場を闊歩していた。


ところが! 3〜4年前から重たいプレスキットがCDへと変化して行った。
そしてそれからUSBを渡されるようになり、
今では名刺カードを渡されここからダウンロードしてください……というメーカーが多い。

何と味気ない。

昔は各メーカーの紙物のデザイン性をも感心しながら眺めていた。
それなりにメーカーも紙物に関しても力を入れていたと思う。
そこにもメーカーの心意気が感じられた。
クルマ同様、五感でプレスキットを味わえた。
勿論視覚、パラパラとページをめくる音、紙の質感、インクの匂い、その他。
でも今は遂に、プレスキットまでも……。
 
そんな中、私が集めた数少ないプレスキットをお見せしたいと思う。
私の中でもヒットは……
 

USBなのだけれど頑張ったランボルギーニ! USB入れがVENENOV。ちょっと心が動く。


イタルデザイン!これは心に刺さった。USBがノートに!
カッコイイ。しかもただのノートではないのである。


アウディもシトロエンも昔のプレスキットのにおいがする……。
 

USBと首かけ紐ユニットになっている場合が多い。便利と言えば便利だけれど。


またUSBがオシャレで高級イメージのシルバーのステンレスになている場合も多い。
でもこれも今では誰でも作っている、もう少し各メーカー工夫してほしい。


例えば、トゥーリング(上)にはインテリアのシートのレザーがちょっと付けていた。
それだけでも他社との違いが出る。
 
La FerrariのプレスキットはB5くらいの用紙が用意され、いつもの”ダウンロード”だった。
期待していたのに……
勿論、この車を購入する499名の選ばれた人たちには、
ドキっとさせるくらいの紙物資料も用意されているだろう……。
 

そうそう、ピニンファリーナもカギがモチーフになっていて洒落ていました。
ではこの辺で、さようなら。
 

2013.03.15 Friday

野口祐子 From Geneva その2

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



こんにちは。
今日もミラノ在住のジャーナリスト兼スーパーコーディネーターの
野口祐子さんによる第83回ジュネーブ国際モーターショーのレポートです!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
それでは、ピニンファリーナに行ってみよう。
 

何処かで見たなぁ……あの赤いクルマ。


そうだそうだ、このクルマ、ル・マン・ミュージアムにある、
アルド・ブロヴァローネさんが線を引き、1965年のパリのモーターショーで
発表されたDINO 206 GT Berlinetta Speciale Prototipo だ。
(いろいろな名称が飛び交っているので、どれを正式と言ってよいのやら? )


このプロトタイプからDINO 206、DINO246、
365P(このクルマはジャンニ・アニエッリの為に作られた3シーターのワンオフ)、
その他へと進化していく、
ピニンファリーナにとって沢山の名車を生み出した生みの親となるわけだ。


ル・マンからやって来たDINO 206、余り公共の場所には出ていない。
発表されてから直ぐにル・マンのサルト・サーキットにある
ミュージアムの中に入ってしまった。
ル・マンに行かないと見られない、貴重な名車だったのである。


どうしてか? それはパリかル・マンか?だかどこかに、
PININFARINAと命名された公園ができ、
その為にピニンファリーナは記念としてこのクルマをミュージアムに収めた……らしい。
それから余り外には出ていないそうだ。

そんな名車が2013年ジュネーブ・モーターショーの
ピニンファリーナ・ブースに飾られているのだから吃驚する。


ピニンファリーナ・ブースに向かい左側は、
1965年名車 DINO 206 GT Berlinetta Speciale Prototipo、
右側は今回発表された、”Sergio”。


最近、フェラーリとピニンファリーナの関係はどのような方向に向かっているのだろうか?
フェラーリは徐々に自分達で進めて行こうと画策しているよう。
ピニンファリーナの方はフェラーリ無しでも立っていられるように
新たに自社のブランディングイメージを確立しようとしているような……。


今回のSergioしかり、ピニンファリーナの工業デザイン部門しかり、
何となくフェラーリ社とピニンファリーナ社の分岐点のような時期のような気がする。
これからピニンファリーナはどのような展開を考えているのかがとても興味がある。
彼らの持つ歴史をいかに現代に組み込ませて行くか、経営陣の手腕にかかっている。


でも……フッと左側に目を向けると、
クリス・バンクルがDINOの方を念入りに見ているではないか……
目の前に2台のクルマを置かれると、ふ〜む”何か” を感じてしまうのは、
私だけではないと思う。時代を超えて輝き続けるものには不思議な魅力があるものだ。


(つづく)


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