2013.07.30 Tuesday

イクザワ・マニアが英国にも!

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



先日、久々に生沢さんからメールを頂きました。
そのタイトルは『イクザワ・マニアが英国にも!』
早速クリックして開いてみると……


中にはこんな写真が貼付されていたのでした。
おおー。これは生沢仕様のブラバムBT21じゃないですか!
でもex-生沢車のBT21といえば、1967年仕様のBT21も68年仕様のBT21Bも
日本国内に現存してるはず。ではこのクルマは……?

以下は生沢さんからのメールの原文。

『1967年、クラッシュして曲がったフレームを修理している時間が無かったので、
 そのフレームはそのままメカニックの Tony Trimmer に売り、フレームを交換しました。
 このクルマは、その曲がったフレームを修理して、フレーム以外のパーツを
 全て買い揃えて、彼 Tony Trimmer がメカニックの傍ら
 フォーミュラ・フォードに出ていた、その車体だそうです。
 よくぞ今まで、その車歴が残っていたのと、それを、少ない記録から
 よくぞここまでやりました。このオーナーは来年から
  European Historic Formula 3 race に出るとのこと

はい。ではここから謎解きのお時間です。
1967年シーズンを迎えるにあたり、生沢さんは新車でブラバムBT21を購入します。
そしてF3で17レース、FLで4レースに出走し、F3で3勝、FLで2勝を記録。
英国F3 II Les Leston Championshipでは、ランキング9位に入っています。

しかし、生沢さんの記憶通り10月21日にオウルトン・パークで行われた
II Les Leston Championship, Round 24, 1967の予選で横転するほどの大クラッシュを演じ
BT21のフレームをそっくり新品に交換しているのです。
(よって現存する生沢車のフレームはBT21B-026とBスペックになっているのですね)

通常ならここで、クラッシュしたフレームは廃棄処分されるところですが
生沢さんの前に、そのグシャグシャのフレームを譲って欲しいという人物が現れます。

photo:Tony Trimmer

それがトニー・トリマー(写真はトリマーさんのFBから拝借)。
生沢さんの1歳年下であるトリマーは、1943年の生まれ。
1970年に英国F3チャンピオンに輝いたうえに、この年のモナコF3でも優勝。
1973年にはJPSティーム・ロータス入りを果たし
F3のタイプ73をドライブし1勝を挙げています。

しかしその後は中々チャンスに恵まれず、1975年に鮒子田寛の後任としてマキF1に加入。
ディジョンで行われたノンタイトル戦で、マキ史上唯一の決勝進出を果たし
13位完走という成績を残しています。また76年には真田睦明率いる
新生マキF1のドライバーとして富士に来日。
79年には、童夢のワークスドライバーとしてル・マンで零RLをドライブしたほか
81年の鈴鹿1000kmではニコ・ニコルと組んでマツダRX-7 253で2位入賞。
さらに80年代には真田の元で英国オーロラF1シリーズに参戦するなど
意外にも日本と縁の深いドライバーであるのです。

『生沢徹のレース入門 (交通タイムス社 刊)』より

実はトニー・トリマーは、レーサーになるために
まずモーターレーシング・ステーブルズのメカニックとして就職。
1966年にロータス41で英国F3参戦をはじめた生沢徹のチーフメカを務めた
経歴の持ち主でもあるのです。
その後、生沢と同じくしてモーターレーシングステーブルズから
フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズに移籍。
生沢車の担当にはならなかったものの、メカニックとしての活動をしながら
レーサーになる準備を進めていたのでした。

photo:Tony Trimmer

こうしてBT21のシャシーを譲り受けたトニーは、自らの手で修復。
フォーミュラ・フォード・スペックに改装して英国FF選手権に出場し数勝を挙げる大活躍。
その功績を認められ、翌年にはマシーンをタイタンに変更し
フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズからヨーロッパFF選手権に出場。
シリーズ2位という好成績を収めるのです。

その後、このBT21-047は数人のオーナーを転々としたのち
数年前にデンマークから英国に帰還。ココ最近、様々なレーシングカー売買サイトで
売りに出されていたものを、現オーナーのマイク・パスカルが購入。
履歴を調べる中で、初代オーナーである生沢さんにコンタクトを取って来たというわけです。

まぁレーシングカーの場合、こうしてスクラップになったシャシーが
再び甦ると言うことは珍しくありませんが
こういった不思議な縁の巡り合わせというのは、なかなかないかもしれません。

来年のモナコ・ヒストリックとかにも出てくるのかな?

……といったところで、突然ですがモータープレスは
2日ほど夏休みをいただきます! ではでは〜。


2013.07.29 Monday

今月はポルシェ発、ジャガー経由、童夢行き

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記



こんにちは。
なんか各地でゲリラ豪雨の被害がスゴいようですが
皆さんの地域は大丈夫でしょうか?


さて、ちょっと宣伝。
今月も色々な本でお仕事をさせていただきました(多謝)。
特に締め切りの超忙しい時期にグッドウッドへ逃亡(?)したお陰で
関係各位の皆さんには大変なご迷惑をおかけしました。すいません。


まずご紹介するのは26日発売のGENROQ誌(三栄書房 刊)。
今月はいきなり他誌にさきがけて991ターボと991GT3の対決試乗記があったり
GT2のスクープがあったりと、ポルシェ絡みの記事が盛りだくさん。

個人的にはRUFの最新作(?)、356Cをベースにした
RUF R56.11には度肝を抜かれましたね。
あと、ポルシェ・ミュージアムに保存されている
911レーシングの系譜を辿った記事など、読みどころ満載。

photo:BMW AG.

さらに5月に行われた、ヴィラ・デステの模様を
GENROQ専属のイタリア気鋭のジャーナリスト、マッシモ・デルボがレポート。

photo:BMW AG.

今年のヴィラ・デステのスターはなんといってもこのクルマ。
各賞を総なめにしてしまった、
1938年式のブガッティT57SCクーペ・アトランティーク。
ジャン・ブガッティ デザインの最高傑作といえる1台で
この "57591"は、試作型1台、生産型3台造られたクーペ・アトランティークの
生産型の1台。

photo:BMW AG.

1980年代からずっとこのクルマのオーナーをつとめるのは
あの、ラルフ・ローレン。ご満悦です。

photo:BMW AG.

そんなヴィラ・デステの出品車の中で個人的に注目したのは
この1962年型アストン・マーティンDB4コンバーティブル。
“163 ELT"のナンバープレートにピコーンときた貴方は相当なマニア。

そう、あの1969年公開の映画『The Italian Job (ミニミニ大作戦)』で
主人公チャーリー・クローカーの愛車として登場した、あのDB4なんです。
あれ? 映画ではイタリアの山奥でブルトーザーに屋根を潰されて
谷底に落とされたじゃ……その顛末は是非本誌で(その事実は知らなかった)。


続いて紹介するのは、こちらも26日発売のENGINE誌(新潮社 刊)。
今月の特集は『911だけではないポルシェの魅力』という
非911系の特集。

なんてったって、いま超絶な出来映えのケイマンが話題ですからねぇ。
その中で僕は、非911系のポルシェ・オーナーの皆さんの
インタビューをさせていただきました。

残念ながら、我が愛しの912は出て来ませんが(笑)。
でも清水和夫さんによる911 vs ケイマンの筑波テストDVDも付いててお得。



そして24日発売のモーターファン別冊ニューモデル速報インポート
『JAGUAR F-TYPEのすべて』もお手伝いさせていただきました。

いつものようにヒストリーを書いたり、ジャガリアさんでお借りした
1961年型Eタイプ Sr.1(極上のフラットフロアだぜ!)とF-TYPE V6を乗り比べたりと
これまた職権乱用! と言われても仕方がない良い思いをさせていただいたのですが……

photo:Jaguar Land Rover Japan Limited

なぜかそれ以来、XKSSが気になって仕方ないんですよねー。
XKSSといい、250GT/Lルッソといい、911といい
ここんとこ気になるクルマは皆、あの方の愛車だったクルマばかりですが……。


そして最後に紹介するのは
26日発売のROSSO誌(ネコ・パブリッシング 刊)。
昨今、空前の童夢ブームに沸くROSSOですが、今回は再び米原本社を訪問して
現在進行中のスポーツカー(“とわ ”という名前になったんです)の
デザインの最新情報を、林みのる特別顧問と
あのジオット・キャスピタのチーフデザイナーでもある
クニ伊藤こと、伊藤邦久さんにお会いしてインタビューしてきました。

そしてこのお二人とともに写っているのは……おっと
これは次号8月売りのROSSOをお楽しみに、ということで。

ではでは。


2013.07.26 Friday

LOTUS EXIGE S DEBUT !

 

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昨日、東京 六本木ヒルズにて
ロータス・エキシージSの発表会が開催されました。
(昼間のルノー・ルーテシアには行けず……ごめんなさい)


3.5リッター・スーパーチャージャー付きV6(トヨタ製 2GR-FE)を
ミドに搭載するこの新しいエキシージS。
2011年のフランクフルトで発表されていたものの
ダニー・バハール体勢の崩壊、それに伴うロータス本社の混乱などなどで
ずーっと、日本導入が遅れていた(本当は昨年のJAPAN LOTUS DAYに来る筈だったのに)
のでありました。まぁ、なにはともあれこうして導入されたのは目出たい。


今回はイギリス本国から、ロジャー・ベッカーの息子で
ビークルダイナミクスの責任者を務めるマシュー・ベッカーが来日。
このエキシージSの詳細を、事細かく時間をかけて話す姿勢は
(かなり長かったけど:笑)。真面目でロータス愛に満ちた
ヘセルのエンジニアならでは、って感じがして好感がもてました。

何年か前の東京ショーで来日した、バハール時代の役員の
誠意のないスピーチとは雲泥の差。ロータス、がんばれ。

ちなみに先日ヘセルを訪れたジャーナリストの小倉茂徳さんによると
ながらくロックアウト同然だったロータス本社の駐車場は
スタッフ達のクルマで溢れ、工場も活気を取り戻した様子だったとのこと。
いやー良かった。

この数年の間に、かなりのエンジニアが流出したりしましたが
我が友、ニック・アダムスはまだ頑張ってるし、
きっとすぐ元のイキオイを取り戻してくれるでしょう。


そーいえば、このエキシージS。
グッドウッドFOSにも展示されておりました。

昨年は、バハールの置き土産(悪い意味で)と言われた2階建ての
巨大なパビリオンを設置していたロータスですが、今年は身の丈にあった
こじんまりとしたブースに変身。


でもエキシージSは主役にあらず。(既に本国では2012年発売だし)


かといって、その横に置かれたエキシージV6 CUPでもない。


今回のグッドウッドでのロータスの主役は
本国でもやっとデリバリーが始まったエキシージSロードスター。


このエキシージSロードスター、走ってる姿もなかなか美しい。
個人的には羽根の生えたクーペよりも好きかな(笑)。

あ、ちなみにエキシージSの日本での販売価格は850万円也。
うーん、ロータスへの道も険しいなり(泣)。

ではでは。


2013.07.25 Thursday

1/43 LOTUS 72E Austrian GP 1973 R.Peterson

 

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今朝の出来事。
ピンポーン〜。はぁ〜い。


……と、玄関に出て届いたのがコレ。
PLANEX COLLECTION 1/43ロータスF1シリーズの最新作
世界限定1000台。7980円也。あーまた散財だ。チーン。


まぁ企画段階から知ってるんで、この72のミニカーに
どのくらいの歳月と、労力と、マニアックな拘りが込められているかは
十分に分かっているんですが、なにはともあれ
プロポーションといい、ディテールといい、過去に発売された
1/43スケールのロータス72(カルツォとか、ミニチャンプスとか)を
遥かに上回る、決定版というべき出来映え。

この商品の企画、製造はPLANEX COLLECTION独自のものですが
台座をご覧になればお分かりのとおり、この原形を製作、生産していいるのは
MINIMAX(スパークモデル)。よってクオリティは文句無し。


今回モデル化されたのは、1973年オーストリアGPの
E.フィッティパルディ車と、このR.ピーターソン車。
このレース、エマーソンはポールポジションを獲得し、ロニーは決勝で優勝という
実に縁起のいい組み合わせ。

実は73年の72Eもレース毎に細かな変更や改良が加えられているのですが
これがあらゆる資料(実車を含む)を駆使して完璧に考証され
オーストリアGP仕様に仕立てられています。

何がどースゴいのかは、↓ をご覧ください。濃過ぎてついていけません。


うーん、ふむふむ。


まぁ確かに1/43の完成品ミニカー(レジン製)で7980円ってチト高いんですが
押し入れの奥に仕舞ってある1/43のホワイトメタルキットをこのレベルに
仕上げようなんて至難の業(つーか無理)だもんね。

ということで、911以来久々に封印していたミニカーを買ってしまったのでした。

ではでは。




2013.07.24 Wednesday

2013 GOODWOOD Festival of Speed Part7

 


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今年のグッドウッドFOSのメインテーマは、50周年を迎えたポルシェ911でしたが
もうひとつフィーチャーされたメイクスがありました。


それが今年、設立から50周年を迎えたマクラーレン。
会場にはこのような巨大パビリオン? まで設置されておりました。

他にアストンの100周年や、ランボの50周年もありますが、彼らは
最近地元でそれぞれ大掛かりなイベントをしたばかりですもんね。


入り口には
LIFE IS MEASURED IN ACHIEVEMENTS NOT IN YEARS ALONE.
人生の価値は長さではなく、成し遂げたものの大きさで判断すべきものだ
というブルース・マクラーレンの言葉が。
(これって、テディ・メイヤーの言葉じゃなかったっけ??)

考えてみれば。ブルース・マクラーレンが
M8Dのテスト中に非業の死を遂げたのは、1970年6月2日。
ここグッドウッドの地でありました。

そういう意味でも、ここで彼らの創立50周年が祝われることは意味のあることなのですね。


ということで、このパビリオンには数台のマクラーレンが展示されておりました。
こちらは1971年のCan-Amで常勝を誇った名車、M8F。
ブルース亡き後を継いだ、ピーター・レヴソンが71年のタイトルを獲得した
仕様になっていますが、サイドのレターやらディテールが
現役当時とちょっと異なるのはご愛嬌。


また、コース上では50周年を祝い
歴代マシーンによるデモランも実施。
どうです? Can-AmカーからF1、ル・マン・カーまで揃う壮観な眺めは!


歴代マクラーレン製Can-Amマシーンの中でも個人的フェイバリットなのが
このM8D。あのブルースと運命を共にした因縁の1台ではありますが
スタイリング的には、一番美しく迫力があると思うんですよ。
あの由良拓也さんがモディファイを施した酒井正の
ミノルタ・マクラーレンM12(ex マクラーレン・トヨタ)もこのイメージですよね。
ドライブするのは、マクラーレンのテストドライバーも務めるオリヴァー・ターベイ。


そして日本人にとってマクラーレンといえば、F1と並んで忘れる事ができないのが
この上野クリニック・カラーの1995年型マクラーレンF1 GTR。
そう、日本人として初めてル・マン24時間総合優勝を果たした
関谷正徳さんがドライブしたマシーンそのもの!
しかし、今回はダルマスもレートも、もちろん関谷さんも現れず。残念!



さらにM23(しかも74年仕様!)、MP4/4、MP4/13、MP4/23と
歴代F1マシーンがパレードラン!
セルジオ・ペレスがMP4/4ホンダをドライブするのに
日本人ファンの中にはちょっと複雑な思いをされる方もいるかもしれませんが
何はともあれ、この眺めは壮観。個人的にはM23にはエマーソンが乗って欲しかったなり。


話変わって、巨大なインダクションボックスが特徴の74年型M23。
そのボックスを外すと中はこんな風になっていたのでありました。
インテークのトランペットが曲がった形をしているのに注目。面白い!


あ、そうそう。こんなマシーンもおりましたね。
1974年型マクラーレン−オッフェンハウザーM16C。
この年のインディ500で、ジョニー・ラザフォードがドライブし
見事優勝を遂げたマシーンですね。よーく見ると、同世代のM23にも似てますな。

photo:tpieper@tedisgraphic.com

ちなみにこの個体は、今年8月16日〜17日に
アメリカ・モンテレーで行われるRMオークションに出品されるM16Cそのもの。
そのためのデモンストレーションの意味もあったんでしょうね。

まだ落札予定価格は発表されていませんが
インディ500ウィナーカーですからね、相当な価格になるんじゃあないでしょうか?
(アメリカでのオークションだし)

photo:tpieper@tedisgraphic.com

個人的にも70年代のインディカーって、なんか特殊な進化を遂げていて好きなんですよ。
あ、ちなみにコースがM16Cに不向きってこともあったかもしれないけれど
このM16Cの4気筒オッフェンハウザーの調子はイマイチだったな。ご参考までに。

Pawel Litwinski ©2013 Courtesy of RM Auctions

余談ながら、今年のモンテレーのオークションで
個人的に狙っているのは、この1964年式フェラーリ250GT/L ルッソ(5537GT)です。
もう1台のルッソも出品されていますが、僕としてはこの色が良いなぁ。
あのスティーブ・マックイーンも愛用していましたしね。
やっぱフェラーリといえばルッソでしょう。

ええ、まったく資金的な目処はたっていませんがね。

ではでは。



2013.07.23 Tuesday

2013 GOODWOOD Festival of Speed Part6

 


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極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
今年のグッドウッドFOS、誕生20周年ということもあって
本当に色々トピックがあったのですが
その中でも白眉だったのが……


1981年、83年、87年のワールドチャンピオンである
ネルソン・ピケと彼の愛機1983年型ブラバムBT52の復活!
特にこの『アロー・シェイプ』と呼ばれる独特のスタイルをもつ
ゴードン・マーレイの傑作、BT52はこのイベントのためにBMWクラシックで
実動状態にレストアされたという1台。

やっぱピケとのコンビはサマになるね!
……と言いつつ、モータープレス的に気になってしまうのは……


やっぱコレ(笑)。
当時のピケ仕様にカラーリングされたレプリカヘルメット。
そのシェイプからもお分かりのとおり、ベル・スター・クラシックがベースですね。
確か当時のピケはベルではなく、GPAユーザーだったはず……
なんて無粋な事は言いますまい。
クラシックなシェイプの帽体をセレクトしてくれただけでも感謝。
いやぁ、コレ良いな。欲しい。このまま売っても売れそうじゃないかしら?


そして会場でもピケと仲良しだった
我が師、ルネ・アルヌー御大のヘルメット。
真っ白な帽体にシンプルな、ブルーのラインは現役当時と変わらず。
そんなアルヌーも現役時代はGPAユーザーでしたが、
これはたぶんアライのGP-5でしょうか?


そしてBMW M1プロカーの車内で見つけたのは
これまたグッドウッド久々? の登場となる鉄人リカルド・パトレーゼのヘルメット。
パトレーゼは現役当時からアライ・ユーザー。
よって今使っているのもアライ製のGP-5。
このカラーリングもシンプルながら、印象深いグラフィックですよね。


そしてこのブルーメタリックに星のマークは…!


そう! 『レインマスター』と呼ばれた名手、ハンス=ヨアヒム・スタック!!
F1からスポーツカー、ツーリングカーなどあらゆるレーシングカーを乗りこなし
1990年代後半まで活躍した職人中の職人。

個人的にこのスタックのヘルメットというと、ポルシェ962Cかなぁ?
あー、フォード・カプリとか、BMW 3.0CSLとか、マーチ761とか
ブラバムBT45のイメージもあるか。アウディのDTMもスタックだしなぁ。

いずれにしろ、今改めて見るとスタックのヘルメット・デザインは超クール。


そしてお馴染み、ジョン・サーティース御大は
ここ十数年来のアライ・ユーザーですよね。
このジェットヘルは、もう絶版になってしまった過去のモデルのような気もする。

なんか最近のドライバーのヘルメットって、キラキラ、ゴテゴテしてるのばかりだけど
この時代のドライバー&ライダーって、パっと見ただけで
誰かって分かるのが良いですよね。このシンプルなグラフィックも最高。


そしてこのタータンチェックの鉢巻きは、ジャッキー・スチュワート。
これ、たぶん発売されたばかりのベル500TXクラシックですね(おおーっ!)。
そして昔の写真なんかとよーく見てみると、このジャッキーのヘルメットって
同じタータンチェック柄ながら、色やデザインが微妙に違っているように見えるんだよな。
このヘルメットはちょっと赤味が強い気も。
まぁ、いずれにしろカッコ良いです。
(奥に見えるジャッキーのハンチングにも注目)



そして最後はやっぱりこの人、サー・スターリング・モス。
80歳を最後にレーサーとして現役引退(!)をしたモスですが
現役時代もすっとこのオールドスタイルのヘルメットを被っていました。
確か、FIA格式のヒストリックレースでも、唯一モスだけは
例外としてこのヘルメットを被ってレースをすることが許されていたんですよね。
そういう対応がとっても大人。さすが皆よくわかってる(笑)。

個人的にはね、ゴーグルがその、もうちょっとクラシカルだと良いんだけどな。

すいません、長らく個人的趣味の時間にお付き合いいただきありがとうございました。
ではでは。




2013.07.19 Friday

2013 GOODWOOD Festival of Speed Part5

 


Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
グッドウッド報告、第5弾です。


今回はグッドウッドFOS誕生20周年記念ということで
かつてメインフィーチャーされたホンダとトヨタも本格参戦。
トヨタは昨年もワークス参戦でしたが、ホンダの参加は久しぶり。
あれ? 他のメーカーは???


今回の目玉のひとつは、“ビッグジョン” ジョン・サーティース御大が
1967年イタリアGPウィナーカーのホンダRA300に乗って久々にデモランを披露すること!
でしたが、既報のとおり初日にスタートラインに付く前にクラッシュ、リタイア。
なんかサーティース×RA300とグッドウッドって相性が悪いのかも?


一方の1965年型RA272(R.バックナム車だ!)には、BTCCホンダ・ワークスで
活躍中のガブリエル・タルクィーニが搭乗。
かつて走らないAGSやコローニを“走らせた”テクニシャン、タルクィーニ好きなんですよ。


結構背の高いタルクィーニが乗ると、身体がモロに飛び出てしまって何か変ですが
本人は1.5リッター時代のF1のドライブを存分に楽しんだよう。


しかもね、彼結構好きらしく、待ち時間に自分のスマホでCTLのロータスの写真を
バシバシ撮ってました。あと、ボブ・ダンスと立ち話しながらライバル(?)
ロータス25のレブリミットとか聞き出してましたね(笑)。スゴく良い人でした。


一方、1967年の6気筒300ccのRC174には、名手スチュアート・グラハムが。
NSR500はフレディ・スペンサーだったし……あれ? 日本人は誰もいないの??


一方トヨタ勢は、F1のエの字もなく、3台のル・マンカーを投入。
まずは今年のル・マンも走ったTS030ハイブリッド。
ただ持ち込んだのは、2位入賞の8号車ではなく、4位に入った7号車。


ドライブしたのは、アレキサンダー・ブルツ(デカい!)。
他にアンソニー・デビッドソンもドライブしたようですが、デビッドソンには
逢えなかったな。


そして1998〜1999年にル・マンに挑んだGT-One TS020。
1999年のル・マンでは予選でフロントロウを独占したり速さを見せるも
2位に終わったのは、まだ記憶に新しいところ。
これは1999年仕様のマシーンですね。


そしてドライブしたのは、当時この1号車そのものをドライブした
マーティン・ブランドル! なんとレーシングスーツもそのまま。良いですね〜。


さらに1992年、93年とル・マンに挑んだTS010も登場!
トヨタTSシリーズ 3兄弟がそろい踏みして走行する姿なんて、なかなか見られませんからね。
ちなみにコチラをドライブしたのはTS020時代のドライバー、
エマニュエル・コラールとブルツ。

あれ? 日本人は??


最後に日産からは、現在ブランパン耐久シリーズと、FIA-GTに出場中の
You TubeカラーのGT-R ニスモGT3が。
ドライブするのは、アレックス・バンコム。

……ということで、日本メーカーの参加は非常によかったのですが
日本人ドライバー、ライダーがひとりも居なかったのは、とてもとても寂しかったです。
うーん。

そういえば、日本のメディアも僕らを含め数人だけ。
やっぱメーカーのご招待がないと誰もこないのかしら(20周年だぜ!)? 
悲しいなぁ。

ではでは。


2013.07.18 Thursday

2013 GOODWOOD Festival of Speed Part4

 


Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
グッドウッド報告の続きです。
イベントの概要や、主だったトピックは来月以降の
様々な? メディアでご紹介することにして、このモータープレスでは
一般商業誌では載せにくい(笑)レアな話をして行きましょうね、ねっ。


というわけで、現地速報でもお届けしましたが
今回はレアなCan-Amカーも勢揃い(シャパラル2Eが気になる人も多いでしょう)。
しかし個人的に度肝を抜かれたのはシャパラルよりもコチラ。
AVSシャドウMk1です。

AUTO SPORT 1969年7月号(三栄書房 刊)

やっぱAVS シャドウMk1というと「宇宙時代のグループ7」と題された
このAUTO SPORTの表紙を思い浮かべるオールドファン(失礼!)は多いでしょうね。

シャドウMk1は、日本でもお馴染みドン・ニコルズ(敢えてこう書きます)が
立ち上げたコンストラクター、シャドウが1969年にCan-Am用グループ7として
開発した初のマシーン。
前面投影面積はローラやマクラーレンの半分。全高60cm! 車重500kg!!
と謳われておりましたが、おそらくこの表紙の写真のような体勢で
乗り込む事ができるのは小学生まで……でしょうね。


結局、巨大なウイングやエアインテークの装着などでオリジナルシェイプとは
まったく異なるスタイルで1970年に実戦デビューを果たすMk1。

今回会場に来ていたのは、当時ヴィック・エルフォードがドライブし
クラッシュした個体のパーツを使って1980年代にオリジナルシェイプに沿って
レストアされた1台。長年ロッソ・ビアンコ・コレクションに展示されていたものです。
確か2006年のボナムスのオークションで11万1150ドルで落札されたんですよね。


この初期型の特徴のひとつが、リアのオーバーハングに置かれた
ラジエーターとオイルクーラー。
確かにこのクルマにもドカッと置かれています。
結局この位置だとほとんど機能しなくて、最終的にはリアウイング上(!)に
配置されたりしたんですよね。


これが前から見たMk1。ご覧のようにリアにラジエーター用のインテークが
大きく張り出しているのが見えますよね。
こうしちゃうと、あまりナロートレッドにした意味もなくなっちゃうような
気がするんですが、逆にこういう「とっちらかった」部分が
カルト・レーシングカー好きの琴線をコソコソっとくすぐるわけです。
う〜ん、ラヴリー。


んでもって、こんなちっぽけなシャシーに搭載されるのは
620bhpを発揮したという、シボレーの8095cc V8OHV。怖っ。


こちらが問題のコックピット。
設計者の理想主義の犠牲になったドライバーは極端に寝そべった姿勢を強いられたうえ
ガニマタになってペダルを操作すると言う苦行にさらされます。
一応、ドライバー左側奥と、ステアリングの奥にメーターが備わるんですが
これじゃあ、ちゃんと見えなかったでしょうね。

この光景を見て、個人的に林みのるさんのマクランサ・パニックを思い出したんですけど。


このシャドウMk1のシェイプを実現させたのは
フロント10インチ、リア12インチという、当時のCan-Amの常識では
考えられない小径タイヤ&ホイール。
今改めて見てもこの低さは異様です。


さて、そんなAVSシャドウMk1。
マニアの方ならご存知かと思いますが、苦労した熟成期間のテストを担当したのは
当時渡米中だったあの鮒子田寛さんだったんですよね!

確か鮒子田さんがドライブした時には、すでに巨大なフェアリングやウイングが
装着された状態だったと思うんですが、ご本人から
「確かに狭かったけど、乗ってしまえばそんなに違和感はなかった」
というお話を聞いたことがあります。

鮒子田さんといえば、このMk1の他に幻の4WD Can-Amカー
“MAC'S IT SPECIAL”もドライブされているんですよね。
改めてスゴいレジェンドなのだなと、遠くイギリスの地で想ったのでありました。

ではでは。



2013.07.17 Wednesday

2013 GOODWOOD Festival of Speed Part3

 

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極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
無事グッドウッドから帰って参りました。
ということで、グッドウッドFOS報告第三弾をお送りします。


今回の個人的なトピックは、ガスタービンカー祭り(?)だったことに尽きますね。
中でもマイ・フェイバリットであるロータス56の走る姿を見られたのに感動。
昨年もClassic Team Lotusが所有するF1仕様の56Bが展示されていて興奮しましたが
今回はインディアナポリス・ミュージアムが所有するインディカーですからね。
やっぱ56はオレンジのSTPカラーでしょう!
しかもドライバーは、デイモン・ヒル!! 泣けます。


F1仕様の56Bはウイングが付いたりしてちょっとゴテゴテしていますが
究極のウェッジシェイプといえるインディ仕様はやはり美しい。
確かにマイク・スペンスの悲劇的な事故とともに記憶されるクルマではありますが……。


コックピットはご覧のようなオリジナル・コンディション。
おそらくインディ仕様の56としては現存する唯一の個体なのでは?
ちなみに何年か前に日本に来日し、ホンダ・コレクション・ホールに展示されていた
こともありました(行けなかった!)。
あの時は、アル・アンサーがデモランまでしてくれたんですよね! 今思うとスゴい。


この個体はシャシーナンバー56/1。
1968年のインディ500でジョー・レオナードがポールポジションを獲得した個体そのもの。
決勝は残念ながら、191周でフューエルポンプがトラブってリタイアとなってしまいました。


さて、ご無沙汰のデイモン・ヒル。最近増々お父さんに似て来た気がしますが
なにせ大のマスコミ嫌いですからね、写真に撮られると表情はブスッ……と。
この笑顔は、ジャッキー・スチュワート御大と談笑中の時のもの。
でもね、個人的に好きなんです、デイモン。その捻くれた感じも(笑)。


で、さらに嬉しかったのが、ガスタービン・スポーツカー、ホーメットTX!
この個体は、68年のル・マンに出場したC/N:02(ゼッケン23)のボディと
C/N:03のパーツを合わせて数年前にレストアされた1台。
2006年のル・マン・クラシックで行われたクリスティーズのオークション会場で
見かけたことがありましたが、実物が走る姿を見るのはこれが初めて! 嬉しい!!


さて、1968年のスポーツカー選手権用に開発されたこのホーメットTX。
結局、世界選手権ではシーブリング12時間での予選3位が目立ったくらいで
ル・マン24時間でもリタイアに終わり、これといった結果を残せませんでしたが
アメリカのSCCAシリーズではシーズン2勝を挙げるなど、一定の成果を残しています。


これがコックピット。
やっぱクルマというより、ちょっと飛行機っぽいメーターのレイアウトですね。
もちろん左の後方確認用モニターは近年付けられたもの。
まったく後方が見えないので付けたんでしょうね。


エンジンはヘリコプター用のコンチネンタルTS325-1 2960cc ガスタービン。
350HPのパワーと89.7kg-mのトルクを発生するそうな。
一見、ガスタービンと聞くだけで大変そうな気がしますが
元々耐久性の高いヘリコプター用をベースにしているだけに
ライフは長く、メンテナンスはそんなに難しくないのだとか。

ただ、渋滞とか、ノロノロ運転は苦手みたい。


というわけで、異次元感覚のホーメットTXの走行シーンをどうぞ。
なんかクルマの動きとサウンドがリンクしていないのが面白いですよね。

ではでは。





2013.07.14 Sunday

2013 GOODWOOD Festivai of Speed Part2

 

Motor Press(モータープレス)
極個人的な自動車偏愛日記


こんばんは。
グッドウッドFOS速報第二弾です。

なんか日本も暑いらしいですが、実はグッドウッドも猛暑。
湿気こそないものの、30度越えの炎天下は結構身体に堪えます。
(なぜか風邪引いて体調悪いし)


さて。本日土曜からFOSのプログラムもいよいよ本番。
毎年恒例の昼に行われるセレモニーも今日から始まりました。

今回のセレモニーのテーマは、ずばり『グッドウッドFOSの20周年』。
ということで、馬車からマクラーレンのフォーミュラ1まで、
自動車の歴史絵巻を描いたパレードが行われました。

でも、昨年のダイヤモンド・ジュビリー&ロータスに比べると
ちょっと地味なセレモニーだったかも。

さて、今日お届けするのは、恒例のグッドウッドで出会った有名人シリーズ。


まずは御大、サー・スターリング・モス。
さすがに80歳を越えてから足腰が覚束なくなったモスですが
コックピットに乗った途端に表情が一変するのは変わらず。
今回はメルセデス・ミュージアムのW196を活き活きとドライブ!


そして木曜のレポートでも紹介した、ジョン・サーティース御大。
これまた定番といえるホンダRA300との組み合わせで期待がもたれましたが
なんと、金曜の朝。スタートラインに付く前にクラッシュ。
メカニカルトラブル(スロットルが開きっぱなしになった?)という情報も
ありますが、これで走行中止。御大も無事だったようですが残念。


そして個人的にベストショットに挙げたいのがコレ。
80年代F1の名スター、我が師、ルネ・アルヌーとネルソン・ピケ。

ピケ「おー、元気かい? いまどこに住んでるんだ?」
アルヌー「スイスのローザンヌだよ。いいところだぜ」

なんて会話に華が咲いておりました。


あれ? この人どっかで……あーーー! ヴィック・エルフォード御大じゃないですか!
今回は50周年仕様の67年式911をドライブ。

「911と俺の歴史は長いよ!」とは御大。ニッコリ、カメラ目線をくれるほど
フレンドリーな方でした。


そして〜、ケヴィン・シュワンツーーーーッ!


からの〜、フレディ・スペンサーッ!


そして〜、ランディ・マモラーーーーーーっ!

いやー、歩けば有名人に当たるといっていいほど、大スターが大集合。
ここに紹介した方なんか、ほんの氷山の一角であります。
すごいわ。

ではでは。




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