2016.09.30 Friday

Goodwood Revival Meeting 2016 Part2

 

Motor Press(モータープレス)

極個人的な自動車偏愛日記

こんにちは。
 
グッドウッド・リバイバル報告第2弾の今回は
あまり普段ご紹介することのない、会場の裏側? をご案内します。
 

こちらが会場正面。ゲート2と言われている一般観客用の正面玄関です。
今年のテーマのひとつが、イングランド代表サッカーW杯制覇50周年ということで
盛大にイングランドvsドイツの決勝戦の看板が立っていたりします。
 

入場ゲートのセキュリティで出迎えるのは、50年前のフーリガンたち(笑)。
実はみんな役者なんだけど、襲われそうでちょっと怖い。
 

入場すると正面がホームストレート。で、右を向くとこのような閑静な通りが。
 

そこをズイズイと歩いていくと、ちょうど地図を指差しているあたり。個人的に『グッドウッド商店街』と
呼んでいる、リバイバル・ハイストリートという場所にたどり着きます。
 

そのメインがこの交差点。いろんな店があるのはもちろん、信号があったり、公衆電話があったり、
警官がいたり、ロッカーズやモッズがたむろしていたりと、立派な街が形成されています。
 

交差点の反対側はこんな感じ。ちょうどポルシェとシェルの間の道を通ってきたことになります。
 

そんなグッドウッド商店街の今年最大のニュースが、以前にも触れたランドマーク的存在だった
スーパーマーケットTESCOが撤退して、モッズカフェになっていたこと!
 

これが在りし日のTesco(2014年撮影)。日頃店の前でモッズやロッカーズがたむろして
たまに乱闘騒ぎを起こしていたから売り上げが悪かったのかなぁ(ウソ)。
 

とにかく食料品から、日用雑貨まで、あらゆるものが当時のパッケージで売られていて
見ているだけでも面白かったのになぁ。タバコも当時のパッケージで売ってたんだよね。
個人的にゴールドリーフが欲しかったんだけど、金曜の朝イチで売り切れになってた。
 

こちらは旧TESCOの向かいにあるデロンギ・カフェ。ここが出来たのは3年くらい前。
 

中でもお茶できるんだけど、店頭においてあるランブレッタや500ジャルディニエラの荷台で作った
エスプレッソを飲むことができたりもする。
 

通りを挟んでその向かいにあるのがシェル・ショップ。昔の給油機が雰囲気。
残念ながらここにいってもガソリンは入れてくれない。でもオイルは売ってる。
 

その向かいにあるのが、ポルシェ・クラシック・グッドウッド支店。今年は店の前で
フラット6エンジンのダイナモテストのデモンストレーションをしてた。
 

ポルシェの隣にあるのは、ミシュランタイヤ・グッドウッド営業所。今年はヒーリー3000を展示。
ヒストリック系のタイヤの相談にも乗ってくれるんだけど、なぜか店員のお姉さんは不愛想(笑)。
 

グッドウッド商店街には、このSUキャブレター・ショップ(なぜか店頭が八百屋みたいになってるけど)とか、
ジャガー&ランドローバー・ブティックとか、いろんなお店があって、ここを見てるだけでも
軽く数時間は潰せたりする。こういうところにまでお金がかかってるのが、近年のリバイバルの凄いとこ。
 

ちなみにCLASSIC & SPORTSCARもしっかりクラシカルなお店を出してます。
 

さらにその先を進むと、広大なオートジャンブル・スペースが。
「あー、ネクタイ忘れた! とか、ジャケット忘れた! とかドレス破れた!」なんて緊急事態が起きても
老若男女あらゆる人の衣装が揃ってたりします。
 

でもって、一歩裏通りに入れば屋台がいっぱい出ているので朝から晩まで食べるものには困らない。
今日はHトラックでバーガー食べたから、明日はベッドフォードでドーナツにしようとか。
 

さらにさらに、こんな靴磨き屋さんもいる。まぁ、とにかくヒストリック・レースの会場なのに
なんでも揃うのが、このイベントの恐ろしいところ。
しかしながら、レースをちゃんと見ようとすると、こういうところでじっくり遊べないというのも悩みの種。
来年はみなさんもどうぞ。
 
ではでは。
 
2016.09.29 Thursday

今月の推薦図書

 

 


Motor Press(モータープレス)

極個人的な自動車偏愛日記


こんにちは。
 
グッドウッドの報告第2弾をお送りする前に
今月も推薦図書のお時間がやってまいりました。
 

まずはおなじみ、『GENROQ 2016年11月号』(三栄書房 刊)。
今月も巻頭から巻末まで盛りだくさん。さらに小冊子『THE ASTON MARTIN WORLD』も
付録としてついてるし、お買い得であります。
 
photo:Porsche Japan
 
そんな中で、僭越ながら月末にドイツ・ミュンヘン郊外で試乗してきた
新型ポルシェ・パナメーラの記事を書かせていただいております。
 
実はこの春に、先代パナメーラGTSに乗って岡山往復する機会に恵まれたんですが
知らないうちにクルマ全体が熟成されていたのにまずびっくり。
そしてスポーティーでありながら、すっごく乗り心地がよくて快適なGTSの味付けにノックダウン。

「これこそ地上最強!」と感動しまくっていたのに、
新型はそれをさらに遥かに上回る出来栄えでした!
 

 

 

 photo:Porsche Japan

今回は日本に導入される2.9リッターV6ターボのパナメーラ4Sと、
4リッターV8ターボのパナメーラ・ターボに乗ったんですが、実にこれが……
おっと、ここから先は本誌にて(笑)。
 
photo:Kozo Fujiwara
 
さらにグッドウッド・リバイバルの観戦記も見たてほやほやの状態で掲載。
このほか、西川淳さんのモントレーでのブガッティ・ヘリテイジ考察とか
山崎元裕さんのモントレー・カーウィーク観戦記、さらにレギュラーのナロー911レポートなどなど
見どころ、読みどころ満載でござる。

 

続いて紹介するのは26日発売の『モーターヘッド Vol.22』(三栄書房 刊)。
今月は高田編集長渾身のポルシェ特集。
 
その中で日本に現存するミステリアスな73カレラRSの物語とか
孤高の天才、シュテファン・ベロフの物語なんかを書かせていただいてますよ。
これまた必見。永久保存版。

 

映画とファションとクルマが巻頭特集の『ENGINE 2016年11月号』(新潮社 刊)でも
クルマと映画にまつわるコラムを書かせていただきました。
 
そういえば10月15日からデジタル・リマスター版の映画『男と女』の公開も始まりますね!
やっぱ昔の映画ってクルマの使い方が素敵ですよね。
本当はこうした光景の似合う大人になっているはずだったんだけどなぁ。どこで何を間違ったのかなぁ。

 

あと、すでに今月16日に発売されている
モーターファン別冊インポートシリーズ『メルセデス・ベンツEクラスのすべて』(三栄書房 刊)
でも歴代ミディアム・メルセデスのヒストリーについて書かせていただきました。
 
今度の新しいEクラスはなんか物凄く良さそうですが、個人的にはW114/115が絶賛再評価中なんだよね。
某所にある売り物をここんとこずっと、じーーーーーっと観察して念力を送っていたりするんだけど
今あえて足に乗ってみたりしたら、カッコイイと思うんだけどなぁ。

 

また今月はアメリカン・エキスプレス・ゴールドカードの会報誌
『IMPRESSION GOLD』にも初めて記事を書かせていただきました。
新しいベントレー・コンチネンタルGT一族のご紹介をさせていただいております。
 
というわけで、1ヶ月の間に2度の海外逃亡(しかもグッドウッドは締め切り間際だし)があったせいか
関係各位の皆さんには、本当に多大なご迷惑をおかけしました。
不束者ですが、これからも宜しくお願いします。
 
ではでは。


 
2016.09.27 Tuesday

Goodwood Revival Meeting 2016 Part1

 

 

Motor Press(モータープレス)

極個人的な自動車偏愛日記


こんばんは。
 
ものすごくご報告が遅くなっておりますが(汗)
今年も9日から11日にかけて開催されたグッドウッド・リバイバル・ミーティングに
行って参りました。本当なら現地から報告と思ったんだけど
朝から晩まで常にバタバタ。帰国しても〆切地獄で写真整理も進まず……
はい、いつもどおりですね、すいません。
 

そんな今年のリバイバルのトピックはなんとっても、誕生から60周年を迎えた大衆車
オースティンA35(とその原初たるA30)によるワンメイク・レースとなったセント・メアリーズ・トロフィー!
すでにライブ中継をご覧になった方も多いかと思いますが、プロドライバーによる土曜(大雨!)のパート1も
オーナードライバーによる日曜のパート2も白熱!
 
特にBTCC組に加え、デイヴィッド・クルサード、ダリオ・フランキッティ、ジャン・アレジなんかが
揃ったパート1はすごかった。もうあちこちで寸止めバトルなんだもの。

舞台裏を含め、いろいろ見てきたので細ネタに関してはまた追って……ということで。
 


あと個人的に楽しみにしていたのが、1960年代初期の2リッター以下ミドシップ・スポーツによって
行われたマジウィック・カップ。このクラスで開催されるのは2011年以来のこと。
 
いやぁ、本当に見たかったんですよロータス23やエルヴァのガチバトルを!
うーん、これからは23の時代かもしれない……と勝手に盛り上がり中。
 
ちなみにこのクラスには日本から久保田さんが愛機23Bとともに参戦。
あとニック・フェネルもニック・アダムスさんも愛機23Bで参戦していました。羨ますぃ。
 

毎回、様々な年式のFJを対象として行われるチチェスター・カップはフロント・エンジンFJの出番。
今年のモナコ・ヒストリックでもお目にかかった面々が大挙エントリー。
これはさすがに日本では見られないカテゴリーだもんなぁ。
 

さらに恒例のフォードウォーター・トロフィーがなかった代わりに、金曜夕方に
1961年までの大排気量GTカーを対象とした60分のセミ耐久レース、キンララ・トロフィーが開催されたのも
今年のトピックでしたね。近年コブラやEタイプが大量エントリーするようになって
飽和状態気味のRAC TTセレブレーションへの対応策なのかもしれませんが、我々観客にとっては
週末に2回もRAC TTレースが見られるようなもの。しかも異様にフェラーリ勢の参加が多かったし。
 
なんか古き良きころのリバイバル・ミーティングが戻ってきた(最近、結構過熱気味ですからね)
感じがして個人的には嬉しかったなぁ。
 

また今年のメイン・フィーチャーは、昨年亡くなったレジェンド、ジャック・ブラバムのトリビュート。
ブラバムゆかりのマシンのなかにインディカー、BT25が参加していたのには個人的に感動。
あと、ブラバム家の3男デイヴィッドが知らない間にお父さんにクリソツになっていたのにもビックリ(笑)。
 
このほか3リッターF1 50周年を記念したウイングなし3リッターF1のトリビュートや
グッドウッド閉場50周年の記念式典などなど、今年も盛りだくさんでした。
 
惜しむらくは、土曜が大雨(当初は金曜も雨の予報でしたが……)だったこと!
レースは緊迫して面白かったものの、どこにいても写真撮れないし、びしょ濡れなんだもの(泣)。
来年は秋晴れのグッドウッドになるといいなぁ。
 

ただ、そんな大雨のなかで行われた大排気量プロトタイプによるウィットスン・トロフィーで
ロータス30(!)に乗ったティフ・ニーデル師匠(69FF乗りの大先輩なんです)の超絶テクニックを
間近で観られたのは本当に良かった! ストレートでどんなにタイヤが空転しようが
常に踏みっぱなし。ズルズル滑るクルマを腕っ節で抑えて3位に入るあたりはさすが!素晴らしい!!
ちなみにこの30は絶賛For Sale中ですが、この3位入賞で値段があがったりしてね(笑)。
 

あと残念なお知らせがひとつ。名物グッドウッド商店街の賑わいはいつもどおりでしたが
そのランドマーク的存在だった、Tescoがな、なんと撤退! モッズ・カフェになってしまいました……。
洗剤からお菓子、日用品まで当時もののパッケージでお土産にも最適だったTescoがなくなってしまうなんて……。
リバイバルの見所がひとつ減った感じで残念。復活希望!
 

と言いつつ、未だ写真整理続行中。
というわけでサービスショット。
 
全部整理し終わったら、またいろいろアップしていきたいと思っております。
あとこのリバイバルの模様は、9月26日売りのGENROQ 11月号と、12月24日売りのVINTAGE LIFEでも
掲載予定。そちらの方もよろしくお願いします。
 
ではでは。

 
2016.09.20 Tuesday

無我夢走

Motor Press(モータープレス)

極個人的な自動車偏愛日記


こんばんは。
 
更新しなくちゃ、しなくちゃと思いつつ、もう9月も20日。
確かにここ1ヶ月、ドイツ行ったり、イギリス行ったり、間に鈴鹿を挟んで
締め切りに追われたり……とドタバタしてましたが、3週間近く放置ってのはさすがにひどい。
すいません。反省します。
ということで、久々再開のモータープレスのネタはこちら。
 

先月31日に発売された、大久保力さんの最新作『無我夢走(三栄書房 刊)』です。
 
大久保さんといえば、東京オトキチクラブのメンバーとして2輪デビューを果たしたのち
4輪に転向。第1回日本グランプリから参戦し続けた、戦後日本モータースポーツ界のパイオニアの
ひとりであり、我々モータージャーナリストの世界でも大先輩でいらっしゃるレジェンド。
 
これまで『サーキット燦々(三栄書房 刊)』など、日本モータースポーツの黎明期を記録した
著作を数多く執筆されていますが、この『無我夢走』は大久保さんが4輪に転向してから
36歳で引退するまで、そして2013年に開催されたマカオGP60周年でのマスターズレースに
参戦されたときのことを、事細かに記された自叙伝であります。
 

これまで、何度かお会いさせていただく中で、個人的に色々と面白いお話を聞かせていただいてきましたが
この本に書かれているのは、その数倍も、数十倍も濃厚な当時の裏話ばかり。
第1回日本GPで惨敗したスバル・ワークスが、必勝を期して臨んだ第2回に至るまでの道のり。
そしてT-1クラスで優勝する時のエピソードなど、仔細な記憶とともに書かれた物語は本当に面白い!
当時のモノクロ映像を見て、ほのぼのしてるレースだなぁ、なんて思っていたT-1レースの裏側
(本当に初めて知る話ばかり)に驚愕。
 
「生沢テッチャンのスカGと904のレースより、軽自動車のレースに興奮してレーサーになろうと思った」
と、先日インタビューさせていただいた時に、舘信秀さんが仰っていましたが
これを読むと、当時の舘青年の気持ちがものすごく分かる気がします。
またGP後に行われた第1回磐梯ヒルクライムの写真など、貴重な写真もたくさん収録されています。
 

さらに大久保さんと切っても切れない関係にある、マカオGPの記述は必読。
おそらく日本語で書かれた書物で、これだけ詳しく当時のマカオGPの様子、そして裏事情を書いたものは
他にはないはずです。そういう意味での資料的価値はもちろんですが、何もないところから
自分の腕っ節ひとつでマカオに挑み、キャリアを重ねていった大久保さんのバイタリティに脱帽。
そしてスパイ小説ばりの命がけのエピソードの数々は、読んでいて本当にゾクゾクします。
 
そして知られざるマカオのシルバ家との物語も必読。泣けます。
 

先日のスロットカー大会に時にも、ちょろっとお聞きしたエバ・カンナムのエピソードなんかも
もちろん収録。当時のグランプリ開催に対する、小排気量レーサーのエントラントたちの
想いや、様々な背景などが描かれています。
 

そして、大久保さんといってもうひとつ忘れてはならないのが
日本フォーミュラ・レースの黎明期を支えた功績。
 
今回読んで初めて知ったのですが、林みのるさんから購入したコンレロ・アルファを
積んで1971年のJAF GPなどで活躍したブラバムBT23って、瀧レーシングが
トヨタ7の3リッター・エンジンを積むためにフランク・ウィリアムズから購入した
2台のうちの1台のシャシーだったのですね。
 
また当時リキ・レーシング・ディベロップメントから堀雄登吉さんがエントリーしていた
ブラバムBT16ロータスも、元瀧レーシングのものだったそうです。
ということは、これがあのブラウン・べア・スペシャルだったのでしょうか??

いずれにしろ、手探り状態で始まった日本のフォーミュラ・レースの
当時の雰囲気がとてもよく伝わってきます。
 

そんな大久保さんといえば、ロータス69乗りの先輩でもあられます。
文中に、それまで乗っていたブラバムと、ロータスとの操縦性の違いなども書かれているのですが
そうそう! と思わず頷いたりして(笑)。
 
大久保さん時代にこの69が搭載していたのはトヨタ2T-G。
その後世界中のF3選手権で愛される2T-Gを最初にフォーミュラに積んだのは
誰あろう大久保さん(その時のエピソードも出てきます)なんですね。
 

この69は最後のレース(1973年の鈴鹿グレート20?)の後もずっと
大久保さんのご自宅に保管(僕が見た時は倉庫に立てかけてあった!)されておりました。
 

これが発掘直後の姿。こう見ると、サイドミラーのステーや、
6番のゼッケンと、RICKY OHKUBO と書かれたボディなどが当時と変わっていないのが分かりますね。
ちなみにこの個体は、大久保さんが漆原徳光さんから購入したもの。と、いうことは……
 

そう、その初代オーナーは、誰あろう生沢さんだったんですね。
つまり大久保さんの69は、1970年のホッケンハイムF2で生沢さんが2位入賞を果たした
マシーンそのものということになります。

実は70年型の69はワークスを含めて数台しか作られていないのですが、
その最も分かりやすい相違点が、メッキされたロールバー。
このほかにも大久保家で保管されていた69には、元生沢号である痕跡が数多く残っておりました。
(ちなみにこの69は現在、綺麗にレストアされて、生沢さんの元で保管されています)
 
なんか取り留めのない紹介になってしまいましたが、1963年の第1回日本グランプリから70年代にかけての
日本のレースシーンを振り返るという意味でも、知られざる大久保力さんの生き様を知るという意味でも
非常に読み応えのある1冊であることに間違いありません!
とにかく一家に1冊。ぜひお読みいただけると幸いです。
 
ではでは。

 
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