今月の推薦図書
極個人的な自動車偏愛日記
こんにちは。
またもご紹介が遅くなってしまいましたが
今月の推薦図書のお時間です。
まずはすでに新年早々に発売されている ティーポ344号(ネコ・パブリッシング 刊)。
もう次号分の原稿、校了してるタイミングだもんね。ごめんなさい。
その特集内で、昨年末にドイツ・シュトゥットガルトのポルシェ・ミュージアムで取材してきた
バーンファインドの1964年型ポルシェ901-057のレストアに関するレポートを
3ページにわたって書かせていただいてます。
記事内では、ちょろっと非公開のバックヤードのお話にも触れております。ぜひぜひ。
そしてGENROQ 2018年3月号(三栄書房 刊)でも、ミュージアムの901-057のお話を。
photo:ポルシェジャパン
ちなみにこちらが、発掘直後の901-057。
これをどういう手を使って、オリジナルに拘ってレストアしたのか? については本編をごらんください(笑)。
思えば生沢さんのイエロー・タルガをレストアした時も彼らの仕事ぶりの凄さに驚きましたが
今回も彼らの本気度には圧倒されました。
実は個人的にもポルシェ・クラシックの工場には2013年にも一度お邪魔したことがあるんですが、
GENROQで、ここ2年以上にわたって埼玉のグループ・エムで行われている1972年型911Sの
レストアレポートをず〜っと担当させていただいていることもあって、ポルシェ・ミュージアムの
レストア部門やクラシックの鈑金工房が、今どんな仕事をしているのかに、すっごく興味があったんですよ。
確かにそういう意味でも、今回のワークショップは本当に楽しかったし、目ウロコだった!
ちなみにこの写真はグループ・エムで絶賛ボディ・レストア中の911Sであります。
ただね、工場を見学する一方で、どうしても901-057ばかりに集中できなくて
ついつい、たまたま居合わせたこんなクルマのディテールを床に這いつくばりながら
ガシガシ撮っていたのはナイショだよ。
さらにル・ボラン 2018年3月号(学研プラス 刊)でも、巻頭のコラムで
901-057のお話について書かせていただいております。
photo:ポルシェ ジャパン
そんな話題? の901-057ですが、4月8日まで特別展として本国のミュージアムで一般公開中。
写真のように外したオリジナルパーツで再生できなかったものと一緒に展示されているので
一体どこをどのレベルでレストアしたのか、よーっく分かるようになってます。
お近くにお立ち寄りの際はぜひ。
で、もひとつ。
BRITISH VINTAGE LIFE(ネコ・パブリッシング 刊)
こちらは過去にVINTAGE LIFE誌で書いたグッドウッドのネタなどがごっそりまとめて掲載されてます。
えーっと、このほかにも今月はバタバタといろいろな仕事をさせていただいた気がするのだけれど
表に出てたり、出ていなかったり、発売されていたり、まだ発売されていなかったり
色々なので、またの機会に。
ではでは。
RICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINE 2017 part4
極個人的な自動車偏愛日記
こんにちは。
新年のご挨拶をしたかと思ったら、もう1月の末。
雪が降ったり積もったり、いろいろ大騒ぎな2018年でありますが
やはり、伸び伸びになっていたこのネタに触れないわけにはいきますまい……。
というわけで『RICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINE 2017』のHFR編であります。
昨年につづき、愛機ロータス69君とともにエントリーさせていただいたのですが
今にして思えば、エントリーしたときも、レースの前も、そして現地に着いてからも
いつものようなドタバタ、準備不足で皆さんに迷惑をかけてばかり……。
一応、レースの数日前にQED JAPANにお邪魔してあちこち増し締めしたり、
オイルやフルードの量をチェックしたり、バッテリー充電したり、最低限のことだけはしたものの
いろいろやりたいと思っていたことは、またもお預け。
photo:浅井浩次
でもって、初日11月18日は予報通り雨……。しかも結構な降り方。
ここでいきなりドカーンとなるのはイヤなので(誰だってそうだ)、とにかく1周だけ計測してもらって
ゆっくり無事に帰ってこよう。そう思ってしずしずとコースインしていきます。
photo:浅井浩次
僕の前をロイヤルRP2の浅井さん、後ろをロータス41の三枝さん、といったオーダーで走り始めた
記憶があるのですが、なにせウォータースクリーンで前も後ろもな〜んにも見えない状態。
水煙の向こうにぼんやり見える浅井さんのテールランプを追いかけながら、そろりそろりと走ります。
なんとか1周回ってきて、ホームストレートでアクセル踏めば、
ズシャーとハイドロプレーニングが起きるほどの雨量。ヒャー怖い〜っと思ってたら
いきなり水煙の中から浅井さんのロイヤルのリアビューが!! ギャーっといいながらブレーキングしたり(汗)。
でもね。久しぶりに乗ったにもかかわらず、なんか調子は悪くない。
少しずつペースアップしていっても、お尻や背中を通じてクルマの挙動が素直に伝わってきてすっごく良い感じ。
逆バンクでリヤがツーっと流れて、360度スピン(三枝さんごめんなさい)したけれど
どこにもブツかんなかったし、コースに復帰した後でまた浅井さんに追いつけたり、
本人的には無理してるつもりもないのに、実はクルマ、ドライバーともになかなか調子がよろしい。
結局チェッカーが出るまで走りきって、戻ってきてみたらタイムは3分36秒877で全体の7番目。
すっげぇ、69君に乗り始めてこんな上位に入るの初めて。
無論、こんなコンディションなので、周りの皆さんも一切無理していなかったけれど
本人的には、苦節3年やっとちょっとクルマとの対話が進んだかも? と気分良く走行終了。
……しかし好事魔多し。この調子の良さが悲劇のはじまりでありました。
photo:浅井浩次
いやぁ、調子いいのは嬉しいんだけど、この雨の中で前の方のグリッドから
スタートするのは緊張するなぁ。とにかくエンストだけしないように気をつけなくちゃ……
と思っていたところ、なんと土曜午後の決勝レースは主催のSSOE側がグリッドを指定する変則ルール。
そんなことを知らずに取材先からピットに戻ってきたら「藤原さん、ポール・スタートね」と告知が。
え、え、僕が32台のエントラントを引き連れてポールポジションからスタートすんの??
もうその時点から平静を装いつつ、内心ソワソワ、ドキドキ、舞い上がってました(笑)。
photo:浅井浩次
ピットロードの出口に並んでる時点で、喉はカラカラ。
今回はじめて実感したんですが、30台オーバーのエントラントが整列するまでって
結構時間がかかるんですね。エンジンかけっぱなしでいたら水温上がっちゃうし(エンジン1回切った)
コクピットの中で、あたふた、わさわさするばかり……。
photo:浅井浩次
やっとコースイン。フォーメーションラップ。
でもね、ポールスタートはじめてで「いったいどんなスピードで走ったらいいんだろう?」とか
この時点で頭の中は大混乱(笑)。無論路面はひえひえのビショビショのツルツルなので
なにをしようがグリップ感なんてまったくありません。
でもね、まだこの時は「朝も調子良かったし、なんとかなるだろう」という余裕はちょっとあった。
photo:浅井浩次
いざグリッドに。目の前にな〜んも遮るものがなく鈴鹿の1コーナーが広がる光景は圧巻。
なんかそこでグオーーーって緊張感がみなぎってきて、バイザーが真っ白(笑)。
ちょっとバイザーを開けて、フラッグタワーを見るんだけど32台が並ぶのに時間もかかるし
正式なレースではないので、スタート1分前のボードも出ない(知らなかった!)。
いつスタートすんのかな? まだかな? と思ってるうちにレッドシグナルが点き出して
慌てて1速(でも間違えないように慎重に)入れて、あっと言う間にブラックアウト。
photo:モビリティランド
とにかくエンストだけはしないで! とクラッチミートしたものの、完全にスタート失敗(笑)。
2番手スタートの福永さんのマーリンMk17が右からサーっと抜いていったかと思いきや
左サイドからは真北さんのタイタンMk4がズバババーっとオーバーテイク。
「ひえ〜後ろからどんどん抜かれる!」と焦ったそのとき、
ヘルメットのバイザーが上がりっぱなしなのに気付きました(笑)。
いやいや、ここで焦ったら危ない。もう抜かれてもいいから慎重についていけば大丈夫と1コーナーへ。
そして2コーナーを立ち上がり、そっとアクセルペダルに力を入れた瞬間。
本人はステアリングもまっすぐにした状態で安全に加速してた(つもり)なのに、突然リアがサーッと流れる。
いや、もう、今思い出しても身の毛がよだつほど(笑)。
こんなところでタコ踊りして、後続を巻き込んだら大事だし、フォーミュラって結構小さくクルって回って止まるから
ブレーキ踏んでステアリング切ったままにしたら、止まるだろうな。そしたら最後尾から走ればいいやと
意外と結構冷静だったんだけど、やっぱスピードが乗ってたのか、グリーンにタイヤが乗ったら最後
そのまま加速するように(イメージ的に)ツルーとタイヤバリアに向かって滑ってく。
ああ、お願い、当たらないで。いや、こんなスピードで当たるわけないでしょ。あれ? 止まんない、止まんないー!
っと言ってるうちに左フロントからガーン! あ、やっちゃった! と思ったら反動でクルリと回って左リヤもドーン!!
あーやっちゃった。とりあえず体は痛くないし、怪我もしてないみたいだけど
当たった衝撃的に再走は無理っぽいな。とりあえずグリーン上に止まってて
コースの邪魔にはなってないみたいだから、メインスイッチをカットオフして車外に出よう。
あ、ヘルメット被ったままバリアの外に退避しないとだった。早く、早く……。
で、タイヤバリアの奥に避難して。2周目を迎えた全車を見送ったところで、クルマのダメージを
確認したいと思うんだけど、右サイドはたぶん問題なし。左サイドは……リヤタイヤ曲がってんな。
たぶん左フロントも曲がってるよな。カウルが割れるような音はしなかったけど、どうなんだろう。
それにしてもオープニングラップの2コーナーでイン巻きしてクラッシュって最高にカッコ悪いな
とか、いろいろな感情が頭の中を駆け巡ります(笑)。
そんなとき、レーシングスーツのポケットをまさぐったら携帯が(笑)。
ヘルメット被ってるから電話できないけど、あ、写真なら撮れるわ。
と、撮ったのがこの1枚。ちゃんとコース上にクルマがいるときに撮ろうと思ったのは職業病。
お、一応フロントカウルも生きてる。やっぱフロントサスもダメかなぁ。さすがにこれはすぐに直らないかな?
とタイヤバリアの後ろをウロウロ。いやはや、フルコース7周のレースがこんなに長いとは思わなかった……。
レース終了後。オフィシャルの皆さんがレッカーに乗ってきてくださったところで現車確認。
あ……リヤ足ダメじゃん。フロントも明後日の方向向いてるし……
というわけで、動かないクルマをローダーに載せるだけでも大騒ぎ。オフィシャルの皆さんご迷惑かけました。
そして本当にありがとうございました。
ちなみに……。ぶつかったタイヤバリアにはなんのダメージもなさそうに思われましたが
やはりそうは問屋がおろさないそうで、施設修繕費で約10万円の請求がやってきます。みなさん、気いつけなはれや。
もちろんピットに戻ってからも大騒ぎ。
とにかく左足は前後ともに当たっていて転がすこともできないので
TEAM QED総出で、なんとか転がる状態にと突貫工事開始。
鈴木さん、畔柳さん、大西さん、そのほかドライバー、サポーター、関係者のみなさん
本当にありがとうございました(涙)。
最初に当たった左フロントは、タイロッドが曲がってたり、アッパーAアームも少し曲がってるみたいだけど
思ったほど酷い状態じゃないかも……しれない。
リヤはこんな感じ。アップライト割れてたら最悪だな……と思ってたけど、たぶん、きっと大丈夫そう。
むろん、全部チェックが必要だけど、ロワーのラジアスアームがグニャリと曲がってくれたおかげで
ショックを結構吸収してくれたのかもしれないなぁ。
とりあえず、曲がってたところを叩いて伸ばして、なんとか転がる形になった69君は日曜の展示要員に。
カウルやボディにダメージもなく、たぶんフレームにもダメージがなさそうなのは良かったけど
タイヤとか、ホイールとか、各アーム類とか、まぁ直すにはそれなりの出費が必要ですなぁ。
というわけで、いろいろ片手間にやってると、いつまでたっても進歩がないので
ここで一旦体制を立て直してから、ちゃんと復帰させることに決めました。
たぶん2018年シーズンは活動休止かな……?
いずれにしろ、HFRのみなさん、TEAM QEDのみなさん、そしてSSOE事務局、鈴鹿サーキットのみなさん
大変ご迷惑をおかけしました。ここに改めてお詫びいたします。
あと、このクラッシュのおかげで2週間後のサイドウェイ・トロフィーにも出られずに
迷惑をかけてしまいました……。反省……。
なんか、新年早々湿っぽいスタートだなぁ。しくしく。
ではでは。
Happy New Year 2018
極個人的な自動車偏愛日記
明けましておめでとうございます。
今年はモナコ・ヒストリックGPとル・マン・クラシックのある年!
まだ、どこのイベントに顔を出すかスケジュールを決めておりませんが
今年も色々な場所に出かけて、色々な物を見ていこうと思ってます!
皆さんにも良い1年になりますように!!
ではでは。
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